本作は,PCゲームではなぜかタマ数が少ない,時速100kmオーバーの高速ボートを駆って海や湖に設営されたコースを周回するボートレースシミュレータ。開発元のNew Media Generation(大抵,NMGと表記される)は,PCゲームの開発から販売および,開発ツールのリリースまでを手広く手掛けているロシアのゲームメーカーだ。本デモ版はGlide Faceの"プロトタイプ"とのことで,プログラムの安定性などに若干不安を抱えているが,本作のゲーム性を理解するには十分,かつ楽しい仕上がりになっている。
ゲームを開始すると,プレイヤーは,カーソルキーによる前後左右(本来,スロットル/面舵/取り舵というのが正しいのだろうが)移動のみという至ってシンプルな操作系で,高速ボートを操作することになる。そんな,ある意味ありがちなゲーム性に花を添えているのは,最新グラフィクスチップのテクノロジーデモを見るような水面の処理と,船上の"波乗り"感覚をリアルに再現している物理エンジンの性能だろう。 パッと見,そんなに美しく透明感のある水面の処理ではないが,いったん太陽光などが当たると生き物のように"うねる"波がキラキラと輝き出す。昼間の海というより,夕日を受けて輝く海の美しさといったところだろうか。本作では,その太陽光を含む天候条件の変化も楽しめるようなので,製品版ではさらに多く水面パターンが見られそうだ。 また,水面には自らが発生させたものも含めて無数の波紋が存在しており,ポンポンとリズムを刻みながら(?)疾走するのは,それだけで爽快感がある。ちなみに,コースにはチラホラ"ジャンプ台"も設置されているので,ジャンプを上手く利用してコースをショートカットしたりもできるぞ(かなりアクロバティックなジャンプになるので,えてしてライバルマシンとの接触の引き金になる)。
デモ版では,4種ずつ用意されたキャラクターとボート,コースには"Switzerland"と呼ばれる,遠くに美しい山脈,湖畔には小屋が点在するホノボノとした場所が用意されている。製品版では,トーナメントレースや障害物レースなども含めたマルチプレイモードも楽しめるようだ。フレームレートが激的に変わるわけではないが,ワイヤフレームモードも塔載しているので,ゲーム画面の背景や波などがどのようなメッシュで構成されているかを見る,なんていう楽しみ方もできる。
なお,本デモ版は少し一般的ではないRAR形式にて圧縮されているので,解凍する場合はRAR形式に対応したツールを使用してほしい。
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