日韓共催のFIFA2002ワールドカップ開催まであとわずかだが,そんな中リリースされたのが,なにかと世間を賑わす機会が多い熱狂的なサッカーファン集団"フーリガン"の蛮行(?)を題材にしたRTS「Hooligans:Storm Over Europe」だ。 本作はヨーロッパに本拠を構えるDarxabreが開発したタイトル。英国ではすでに発売されており,日本語版も,この初夏にマイクロマウスから発売予定だ。
プレイヤーの使命は,サッカーチームの熱狂的サポーターとして敵対するほかのチームのとりまき(これまたフーリガン)から,自分達の愛するチームを守ること。 ゲームが始まると,まずはプレイヤーの所属するフーリガンのシャツデザインとチームロゴを選択。ミッションブリーフィングを経て,"乱闘"の舞台となるサッカースタジアム近辺の街頭へと場所を移す。 ゲームプレイは"ユニット生産"の概念がないRTSといったところで,あらかじめ街角に配置された自チームのメンバーを操作することでゲームが進行する。プレイヤーが所属するフーリガンのほかにも,敵ユニットとして敵チームのフーリガンや警官隊などが街を徘徊しており,見つかる(見つける)と敵味方入り乱れての乱闘に突入する。 プレイヤーチームは丸腰の状態からスタートするので,まずは街の商店などを襲って金を強奪。あとは武器屋で装備を整えてサッカーチームが到着するバスを待ち,中に乗っているイレブンを敵の手から守るという流れだ。 さすがに"ならず者集団"のフーリガンを題材にしているだけあって,ピストルや鉄パイプ,鎖などの武器を使った乱闘が本作のメイン。自主規制だなんだとうるさいこの時世にも関わらず,飛び散る血や催涙弾を発砲する警官などが臆することなく(?)赤裸々に表現されている。また,マップに登場する建造物もなかなか微細に描かれており,ビルの後ろなどにユニットが隠れてしまった場合は,キチンと後ろが透けて見えたりと芸は細かい。実写によるフーリガンへのインタビュー画面も挿入されており,ヨーロッパのフーリガン事情にも触れることができる。
デモ版では,「Frenzy in France」なるFranceのステージを楽しむことができる(ちなみにマップはかなり狭い)。公式サイトには本デモ版に対応したリファレンスガイドもあり,"キワモノ"に見られがちな本作がかなりの意欲作であると感じさせる。 日本であまり馴染みがないフーリガンだが,日韓共催ワールドカップを前に,これから目のあたりにするかもしれない彼らの実態に迫ってみるのも悪くない。
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