ドリームキャストの「ジェットセットラジオ」で初採用され,コンシューマ機やPCでも頻繁に使用されるようになったセルシェーディング。3Dポリゴンなのにアニメ調,しかもアニメーションに不可欠な膨大な数のセルを用意することなくリアルタイム処理でオブジェクトを動作させられるのが特徴だ。 「Tsunami 2265」は,そのセルシェーディングを利用した三人称視点のロボットシューティングゲーム。タイトルの「Tsunami」は,読んで字のごとく日本語の「津波」であり,ゲーム中に登場するのはすべてジャパニメーションを彷彿とさせるアニメ調のキャラクターである。
物語の舞台は,2260年の荒廃した地球。プレイヤー操る主人公のNeon ShimaとNaoko Hikariが,これまたジャパニメーションテイスト全開のロボットを操作して,単身で敵陣への潜入行い戦闘を繰り広げていく。
一人称視点でこそないが,ゲームプレイはオーソドックスなFPSスタイルと同様と考えていいだろう。PC版のロボットアクションゲームといえば「JAXIS」などが有名だが,本作ではJAXISほど高速なブースト移動などはなく,ホバリング動作もナシ。両腕に持った武器のみを使用した地上での戦闘がメインとなる。 ゲームの難度は低めに設定されており,敵AIは"物陰に隠れる","プレイヤーに接近する"という思考ルーチンのみを備えているので,コツさえ掴めばほとんど攻撃を受けることなく勝利できるだろう。マップは岩を削り取ったような場所で,クネクネと入り組んだ形状になっている。敵AIは"移動→静止して射撃"を繰り返すので,こちら側は敵が静止したタイミングに合わせて物陰から射撃すればOK。ちなみに,プライマリ/セカンダリウェポン共に弾数制限なく,しかも両方の武器を同時に発射できるので,連射可能なプライマリウェポンを打ちっぱなしにしつつ,若干の追尾性能を持つセカンダリ武器で敵機を狙い撃ち,なんてことも可能だ。
デモ版では,敵の巣窟に潜入し画面右の距離計測機をチェックしながらひたすら中心部を目指して進むことになる。ロボットシューティングならではのスピード感こそ得られないが,シールドに足止めされるためパワージェネレータを捜索して破壊する,などといったアニメさながらのストーリーが堪能できる。敵が乱射する美しいパーティクルを伴った武器エフェクトや,テカテカしたセルシェーディングならではのムービーシーンをしげしげと見て楽しみたい。製品版では,アドベンチャー的な要素も加味されているとのことなので期待して待とう。
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