2003年5月から正式サービスが開始されているSF MMORPG「EVE Online:Second Genesis」(以下,EVE Online)の10日間無料接続サービスが始まった。
この10日間のトライアル版は,FilePlanetが開発元CCP Games,そしてATIやAlienwaretといったハードウェアメーカーの提供で開催するコンテスト(※)に伴って配布されるもの。当初はFilePlanetの有料会員のみが対象だったが,つい最近,広く一般のプレイヤーに開放された。
※詳細は不明。ゲームに参加すればランダムにプレイヤーを召集して開催するとのこと。賞品は,独特な形状でお馴染みのAliaenware製PCやRADEON 9800XTなど,結構豪華。
余談だが,本作と同系統のタイトルともいえる「Earth & Beyond」は,2004年9月22日をもってサービスを休止することが決定した。そのため多くのプレイヤーがEarth & Beyondから本作へ流れ込んでいるようで,チャット内でもその手の話題が絶えずかなり賑わっている(EVE Onlineの公式サイトに,"Welcome Earth and Beyond players"なんていうフレーズもあるほどだ)。
ぶっきらぼうで複雑なインタフェース,しかもすべて英語と,日本人には過酷な環境かもしれないが,広大な宇宙空間と未来のテクノロジーを見事に描き切ったグラフィックスは必見なので,本作が気になっていた人はぜひチャレンジしていただきたい。
さてEVE Onlineは,いくつもの星系を含んだ広大な宇宙を舞台にしたSF MMORPGだ。RPGではあるが,プレイヤーが操作するのは基本的にプレイヤーキャラクターが乗船した"スターシップ"のみで,隕石からの資源採掘や恒星間貿易などを行いつつ,自らと所属する会社,ひいては種族の繁栄を目指す。
まずプレイヤーは四つの種族(CALDARI/MINMATAR/AMARR/GALLENTE)から一つを選択,さらに同種族内に存在する二つの血統のどちらかを選択してキャラクターを作成する。種族によって居住地域が,血統によってIntelligenceやCharismaといった基本ステータスが異なるといった具合だ。
なお本作は"スキル性"を採用しており,レベルという概念はない。スキルはスターシップやシップに搭載した武器などを扱うためのもので,スキルトレーニングキットを購入することで習得する。キット購入後にスキルをアクティブするには,現実時間で数時間,より高度なものには数日を要する場合もあるが,この習得時間に影響するのが,キャラクターのステータスとなっている。
ところで本作のグラフィックスは,欧米の各メディアでもかなり高い評判を得ているようだが,この評価は,導入部のキャラクターメイキングを見ただけで合点がいく。
目や眉,タトゥーといった顔の各パーツをカスタマイズできるのはもちろん,背景のポートレートや光源の位置が変えられたり,首の角度や表情をアナログに微調整することができるのだ。
「なんで背景まで?」という感じだが,これはこのメイキングパートで作成したグラフィックスがゲーム内で自分のポートレートとして使用されるため。会話の相手を識別するときなどは常に表示されているので,美しい装飾物から奇抜なアイテムまで,さまざまなグラフィックスエフェクトが用意されているわけだ。
このキャラクターメイキングが終わると,ゲームプレイ開始。
MMORPGは,ゲーム開始直後の"ほっぽり出された感"が非常に強いジャンルだが,本作も例に漏れず,キチンとチュートリアルを受けないと右も左も分からない。
今のところ筆者もバリバリのNewbieだが,簡単に序盤の流れを説明しておこう。
プレイヤーが最初することは,最もシンプルに通貨(=ISK)を獲得する方法である資源の採掘。資源は宇宙空間に浮遊する隕石から得られるので,まずはスキャナーでAsteroid beltを検索して移動。そしてどの種族のスターシップでも最初から装備している掘削レーザーで隕石を採掘し,資源を自機のコンテナに回収していく。
ただしAsteroid beltに存在する隕石は有限(時間が立てば再び採掘が可能になる)なので,もし目の前の隕石が枯渇しているのなら,スターゲートを通って別の星系に移動する必要がある。
そしてスターシップの積載量の限界までパンパンに資源を積み込んだら,宇宙ステーションに戻って資源を精錬して売る。その繰り返しで資金を貯めて,スターシップを強化したり,新たに購入したりしていくわけだ。
上記のように序盤は極めて地味な作業の繰り返しになるが,本作の圧倒的なグラフィックスを前にすると,そう苦ではなくなるはず。
グラフィックスの雰囲気は"戦闘シーンの少ない「HomeWorld 2」"といった感じで,HDRを用いたライティング処理を巧みに利用して,恒星間をワープスピードで移動したり,スターゲートで一気に別星系へジャンプしたりという架空の描写を見事に実現している。これらの描写は"SFファン必見"としかいいようがなく,「これってやっぱり亜空間かねぇ」なんていいながら楽しめそうだ。
ゲームの中盤以降は,プレイヤー同士で興す"会社"の一員として,各種収入源を管理したりもできる本作は,難度が高いながらもかなりオススメ。オススメというか,SFファン向けのMMORPGは極めて選択肢が少ないので,本作を見逃さずぜひチェックしておくべし。(Gueed)
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