クロースコンバット4〜バルジの戦い〜 完全日本語版
Text by 虎武須(Kobs) 15th Oct.2000
クロースコンバット(以下CC)シリーズは,第二次世界大戦をモチーフにした,硬派なタクティカルウォーゲームだ。MODやプラグインも多く,古くからの熱心なファンの多いシリーズでもある。近くCC5の発売も予定されていることもあり,おさらいの意味も込めて,メディアクエストから現在発売中の「クロースコンバット4〜バルジの戦い〜 完全日本語版」(以下CC4)を紹介しよう。
"戦場のリアルさ"が大きな魅力
CC4はリアルタイム制のウォーゲーム――かの有名な「大戦略」のリアルタイム版みたいなものだ――で,細部に渡ってリアリズムの追求がなされている。単に絵が細かいとかユニットの数値が多いというだけにとどまらず,兵士達の精神面までシミュレートしているので,メンタルな部分も視野に入れた細かな指揮が必要となるのが特徴だ。
気になる装甲ユニットの描写/性能表現も良好。正面からは歯が立たない重戦車でも,側面や車両下部に打ち込めば破壊できるような,部位ごとの装甲の厚みなども考慮されている。リアルな点を挙げていくと枚挙にいとまがないので省かせて頂くが,さまざまな面で「これがゲームか?」と思えるほどリアルなのだ。それがCC4の奥深さとなっており,同じシナリオを何度やっても新しい発見があって飽きない。
難しそうな見かけだが,ゲーマーならぜひ!
CC4は,近頃流行のリアルタイムストラテジーにありがちなように物量戦で決着してしまうゲームではないので,より戦略的な思考が必要になってくる。ゲームの進行は戦闘開始前の部隊の配置から始まるわけだが,この配置によってほぼ勝敗が決まるといってもいいだろう。
この部隊配置に費やす時間がたまらなく楽しい。自分の部隊の状況や地形を把握し,相手の配置を予測し,戦闘開始後の展開を予想しながら,慎重に部隊の配置を行わなければ,絶対に勝ちめはないのだ。しかしマップはほぼ垂直の上空から見下ろした形となっているため,慣れるまで地形の高低差が非常に分かりづらい。等高線の表示オプションあたりがほしかったところだ。
ゲーム開始後は,ユニットはAIに従って行動する。各ユニットのAIは非常に秀逸にできており,「確かに戦場ではこういう行動をするのだろうなぁ,きっと」と納得できる行動をする(驚いたことに,弾薬を使い果たした兵士は近くの死体に自分の火器と同種のものがあれば,それを使うのだ!)。
一方,装甲ユニットの動作にはやや不満が残る。市街地や森などの入り組んだ場所では,細かに経路を指定しないとユニットが建物や地形に引っかかって動かなくなってしまうことがあるのだ。また,戦場全体を表示するミニマップも半透過表示なので,地形に溶け込んでしまって見づらい。
いくつか不満な点もあるが,そんなことがどうでもよくなるくらい,シミュレーションゲームとしての完成度は高い。この手のゲームは専門知識が必要に見えるので(いや,実際そういう場合も多いが)敬遠されがちだが,「ミリタリーもの」として片付けられるにはあまりにも惜しい作品だ。ミリタリーマニアのみならず,物量戦に飽き飽きしているリアルタイムストラテジーファンにも,ぜひお勧めしておきたい。
■発売元:メディアクエスト
■価格: 8800円
■問い合わせ先:メディアクエスト
TEL03-5805-3629
■動作環境:Windows 95/98/2000,Pentium/166MHz以上(PentiumII/266MHz以上推奨),メモリ32MB以上(64MB以上推奨),空きHDD容量130MB以上(470MB以上推奨)
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