Back
Sacrifice
Text by 朝倉哲也
25th Oct. 2000

クリックすると拡大します  Sacrifice(サクリファイス)は,三人称視点のリアルタイムストラテジー(RTS)ゲームだ。RTSというとマイクロソフトの「Age of Empires」シリーズを思い浮かべてしまうが,Sacrificeはちょっと違う。キャラクター,背景,建造物などのオブジェクト,などのすべてが3Dポリゴンで作成されているのだ。そのおかげで,360度自由な視点の移動や,ズームイン/アウトを実現している。  プレイヤーが操るのはWizard(=魔法使い。魔法使いというよりはエイリアンといったほうがしっくりくるグロテスクな外観だが)。とあるファンタジックな世界を支配する5人の神(お互い同士は非常に仲が悪い)の中から信仰する神を一人を選び,ほかの神々の手先であるWizard達と戦って,世界の覇権を目指してゆくというストーリーだ。まぁ非常に分かりやすい。


そのシステムに最大の特徴アリ
クリックすると拡大します クリックすると拡大します  さて本作の最大の特徴は,なんといってもそのグラフィックス。最近流アチラのPCゲーム界で流行りの"異形系"クリーチャーが,3Dになって所狭しと暴れ回る。嫌いな人はとことんダメかもしれないが,見慣れると愛嬌のある顔の奴もいたりして,結構可愛い(かもしれない)。
 タイトルにも意味はある。"Sacrifice"とは生贄(として捧げる),犠牲(にする),献身,損失,などの意味だ。では一体どこが生贄なのか……。
 プレイヤーは魔法使いなので,強大な破壊力を持つ魔法を使える半面,殴り合いのような肉体的攻撃には非常に脆弱だ。そこで,自分の手足となって最前線で戦ってくれるクリーチャーたちを召喚しなければならないのだが(いわゆるユニットの生産にあたる),この召喚にさいして"マナ"と呼ばれる魔法エネルギーと共に,"Soul"(=魂)が必要とされる。マナは,マップ各所に点在している"マナの泉"と呼ばれる場所を確保することで補充可能だが,魂は違う。敵を倒して手に入れるか,自分が召喚したクリーチャーが死んだときに手に入れるかの二つの方法しかないのだ。
 敵のクリーチャーを,自分が信仰する神に捧げる(生贄),あるいは自分が召喚したクリーチャーが死んだときに手に入れる(犠牲,献身)……そう,絶対者である神々の自己中心的な権力争いが,一般生物に多大な犠牲(Sacrifice)を強いているという図式――つまり独裁者が己の欲望のために,一般民衆に多大な被害を与えるという,いわば現実世界の縮図がこのゲーム最大の特徴となっているといえよう。そこまで深読みするかどうかはともかく,なんだかそんな気分にさせられる。


"単なるRTS"にとどまらないシステム
クリックすると拡大します クリックすると拡大します  本作は,シングルプレイのほかにインターネット/LANでのマルチプレイができる。シングルプレイは,物語をたどってゆくキャンペーンモードと,一つのマップだけの攻略を目指すシナリオモードが選択できるようになっている。キャンペーンモードは,自分が信仰する神の種類や途中でのストーリー分岐によって,それぞれ違ったゲーム展開に発展するようになっているので,一度クリアした後でも繰り返し楽しめるだろう。また,キャラクターにはRPGゲームのように経験値が設定されているので,敵を倒すことでレベルアップするようになっている。レベルが上がることで体力やマナが上昇するだけでなく,召喚できるクリーチャーや使用できる魔法が増えてゆくというメリットがある。
 大変美しいグラフィックス,派手な戦闘・魔法シーン,自拠点を防衛しながら敵の拠点を攻める戦略性,ストーリー分岐など,盛りだくさんの内容を誇る最新RTS,それがこのScarificeなのだ。このキャラクターが嫌いでなければ黙って購入しても損はないと断言できる。
 今回はβ版プレビューということで,概要メインになってしまった。今後の記事展開に期待してほしい。国内では,ズーが2001年1月を目標に日本語版を発売する。期待して待て!
■発売元:ズー
■価格: 価格未定(2001年1月発売予定)
■問い合わせ先:ズー
  TEL 0268-38-1561
■動作環境:Windows 95/98/Me/2000,PentiumII/300MHz以上,メモリ64MB以上,空きHDD容量500MB以上
■ムービー(22.27MB):forGamer.net内
Copyright 2000 Shiny Entertainment, Inc. All rights reserved.