Serious Sam:The Second Encounter

Text by 朝倉 哲也
21st Jan.2002

 昨年発売されるや,主人公キャラクターの能天気さ加減,無数に湧いてくる敵クリーチャーを倒す爽快感などで一躍世界中の人気をさらった「Serious Sam:The First Encounter」(以後Sam1)の続編,「Serious Sam:The Secound Encounter」(以後,Sam2)が,ピーアンドエーより2002年2月8日に発売される。前作から約8か月という,異例の早さでの続編発売ということから,当初はSam1の追加パックとして発売されるのではないか,などという噂も乱れ飛んだようだが,Sam2はSam1がなくとも動作する"続編"として登場することとなった。

撃ちまくり度はさらにパワーアップ

 繰り返しになるがSam1は,これでもかというほど湧いてくるクリーチャーをひたすら撃ちまくっていくという"爽快感"がウリ。昨今のリアル志向FPSに不満を抱いていたゲーマーに,この部分が大きくアピールしたといえる。
 もちろんSam2においても,"ただひたすらに撃ちまくる"という特徴は継承されている。ここぞというポイント(たいていは,屋外の開けた場所だ)においては,撃っても撃っても撃っても撃っても……敵が出てくるのだ。Sam1でも「なんじゃこりゃぁ」というほど次々と出現したクリーチャーだが,Sam2ではそれに輪をかけた量の大群が現れる。とくに最後の二つのマップでは,本当にものすごい数が出現するので覚悟しよう。数えたことはないのだが,全FPSゲームの中でもクリーチャーの出現数がダントツで多い印象だ。撃ちまくりの快感を,それこそイヤというほど味わってほしい。

チェーンソーで襲いかかってくる,初登場のクリーチャー"Cucurbito the Pumpkin" 「あ"ーーーーー」でおなじみ"Beheaded kamikaze"。本作でもマップの彼方から叫びながら走ってくる 三人称視点で見たSamの雄姿。デフォルトではHキーで切り替えることができるので試してみよう 円筒形の部屋での戦闘シーン。中をぐるぐる回ることができるのは新感覚

バラエティ豊かになったマップ

 Sam2ではマップが全部で12あり,全マップが大きく三つのセクションに分かれている。最初の二つのセクションはインカ文明,アステカ文明などの遺跡が舞台となっており,歴史の教科書で見たようなインカやアステカの遺跡に美麗な壁画が精細に描き込まれているところなどは,見とれてしまうほど美しい。最後のセクションは中世ヨーロッパを模しているようで,中世風の城や教会のマップなどが登場する。古代エジプトのマップしかなかったSam1と比べると,はるかにバラエティ豊かになっている。また,溶岩流が渦巻く洞窟や雪が降っているマップや,天井から落ちてくる柱をよけつつ進むマップ,谷間を送風機の力でジャンプして渡っていくマップなどといった趣向も凝らされている
 また,マップのところどころにぽつんと置かれた電話ボックスとか,開発者たちの顔テクスチャを貼ったキャラクター,突然出現するサンタクロースなど,ゲーム全般にちりばめられた「お遊び」も健在だ。
 なお,とんでもなく広い屋外マップも健在で,Sam2で追加された新武器のスナイパーライフによる,超遠距離射撃を十分に堪能できるつくりになっている

実は部品が飛び散っていたということがよく分かるショットだ 満天の星空の下,熾烈な戦いが繰り広げられる "Kleer Skelton"のどアップ。チェーンソーでばらばらにしてやろう 夕暮れの中,背景のイスラム風の建物が美しい
とあるところで登場する中ボス。両腕から光線を発射してくる 前作でもおなじみ,開発者の顔テクスチャを貼った謎のキャラ マルチプレイではおなじみのサンタクロース。とあるところのスイッチを入れるとシングルプレイでも登場する 雪の降るマップはSamシリーズ初登場。雪をよく見ると結晶の形をしているのがわかるだろう

多少小粒になったか

 ゲームをクリアして最初に抱いた感想が,「少々小粒になったかなぁ」。グラフィックスもキレイになっており,個性的な新クリーチャー/新武器の追加,バラエティ豊かなマップなど,ただの続編ではないのは十分に理解できるのだが,今一つ物足りなさを感じてしまったことも事実だ。
 で,その原因をつらつらと考えてみたのだが,「敵の出現が単調な気がする」ということに思い当たった。狭いマップではとくに気にならないのだが,広いマップで無数に出てくるようなところでは顕著だ。一つの種類のクリーチャーがワーッと100匹ほど続くと次の種類が出てくる,という感じ。
 まあ実際はそこまではっきりとは分かれてはいないものの,あきらかに種類別にまとまって出現するようになったようだ。そのため敵によって武器を使い分けることが楽になり,結果としてすんなりとクリアできるという次第。事実,ゲームの難易度を一番やさしい「Tourist」にしておけば,操作を間違えて谷に落ちたり,落ちてくる柱につぶされたりということ以外,ボスキャラとの戦いにおいてさえクリーチャーの攻撃で死ぬことはまずないだろう。逆にいえば,アクションゲームに不慣れな人でもやりやすいということになるので,「FPSをやってみたいけど,どれもこれもどう見たって難しいしなぁ」という人にはいいかもしれない。
 そういう若干気になる部分があるものの,前作をプレイした人にはもちろん,ゲームに"カタルシス"を求めるゲーマーには,やはりお勧めしておきたい作品といえるだろう。相変わらずマルチの協力プレイも熱い。

 さて,最後に余談を一つ。はたしてSerious Samに3作めはあるのか? ……その答えは,エンディングを見てもらえれば分かるだろう。さあ,ゲームをクリアするためにも,撃って撃って撃ちまくろう!

これもSamシリーズ初登場の溶岩洞窟でのワンシーン かなりの敵が登場するマップの一つ。まさに無数に湧いてくるので覚悟しよう カボチャ頭のクリーチャーをなぎ倒す。天空からさす光が美しい 中世ヨーロッパを模したマップでの戦い。エンディングは近い!
爆発の感じが前作より格段に派手になっている 初登場の火炎放射器は,かなり使い勝手の良い武器だ。「燃えろぉ燃えろぉ」と叫びつつマウスをクリックしよう(笑)。グラフィックスも見事

本邦初公開,これがSam2の全マップだ!

これも本作で初登場のスナイパーライフル。かなりの威力があるのだが連射がまったくできない

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■発売元:ピーアンドエー
■価格: 5800円(2002年2月8日発売予定)
■問い合わせ先:ピーアンドエー TEL 042-525-9503
■動作環境:Windows 9x/ME/2000/XP,Pentium II/400MHz以上,メモリ128MB以上(256MB以上推奨),空きHDD容量600MB以上
■英語版デモ(110MB):http://www.4gamer.net/patch/demo/data/serious2.html

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