プレトリアン ガリア戦記 登場勢力紹介

エジプト軍

物量作戦で敵を追い込む,アグレッシブな勢力

 ピラミッドにスフィンクス,そして砂漠と,「エジプトのイメージは?」と聞かれると,なにやら荒涼な雰囲気を連想してしまう人が多いのではないだろうか。エジプトという単語を聞くと,即座に映画「アラビアのロレンス」のテーマ曲が脳内に流れる筆者なぞは,日本=お城に忍者という連想と同じレベルで,エジプト=砂漠にピラミッド! と,腹の底から叫びたくなるところだ。
 しかしながら「エジプトはナイルの賜物」といったギリシャの歴史家ヘロドトスの言葉もあるように,少なくとも都市が形勢され人口の集中したナイル川周辺の地域は,非常に肥沃な土地であったといわれている。定期的に起こるナイル川の氾濫のおかげで土地が肥え,農作物が豊かに実り……とは,歴史の教科書にある説明通り。エジプトでは,豊かな食料源を背景にして,華やかな文化が花開いていったのである。

 プレトリアンで描かれるエジプトは,プトレマイオス朝と呼ばれる時代のエジプトだ。プトレマイオス朝は,紀元前305年にアレキサンダー大王の部下であるプレトマイオス1世によって樹立された,エジプトの王朝の中でも最もその名を知られる王朝の一つである。 絶世の美女と謳われ,カエサルやアントニウスといった権力者達を虜にしたあのクレオパトラも,プトレマイオス朝時代の人物。彼女がカエサルに会うために一計を案じ,敷物にくるまって宮廷に入り込んだという逸話はあまりに有名だ。
 色仕掛けで世界を手に入れようとした野心家,と評されることの多いクレオパトラ。とはいえ,カエサルに初めて会った当時はなんと18歳の若さだというから,まったく渋谷の女子高生もビックリのバイタリティだ。最後は毒蛇に胸を咬ませて自害してしまうなど,波瀾万丈という言葉がピッタリの人物である。劇や映画の題材になるのも頷けるというものだ。

 さてちょっと前置きが長くなってしまったが,ゲームの話へと話題を移そう。
 プレトリアンにおけるエジプトの特徴を一言で表すと,質より量,というコトになる。コストの低いユニットを使っての怒濤の物量戦術が,エジプトの持ち味なのだ。
 主力となるのは,白兵戦ユニットである「兵士」「警備兵」。どちらもほかの勢力の同タイプのユニットに比べて半分程度のコストと時間で召集でき,エジプト"物量作戦"の中心を担ってくれる。しかし,安かろう悪かろうという言葉があるように,その戦闘力には大きな問題がある。要するに"とても弱い"のである。
 ほかの勢力の同種ユニットとの一対一で負けるのは当たり前。上位ユニットが相手となると,三対一でも負けてしまうほどだ。展開できるユニット数に上限が設けられていることを考えると,質に劣るエジプトは後半戦での不利は必至だろう。初期配置ユニットの多さを含めた序盤の展開力を駆使して,早期に有利な体勢を築き上げていく……それがエジプトの基本戦略となる。

安いユニットを盾にして,上位射撃系ユニットを生かせ!

 エジプトの白兵戦ユニットは,数こそ大量に揃えられるが,その戦闘力は驚くほど低く,数的に優勢だからといって油断していると,あっという間に全滅の憂き目にあう。そこでエジプトでは,「兵士」や「警備兵」の能力の低さを紛らわすため「射手」を多用するようにしたい。安い白兵戦ユニットで乱戦状態を作り出し,後方から弓矢で援護射撃を行うのだ。当然,盾となる白兵戦ユニットは壊滅してしまうことになるが,少なくとも前衛が全滅するまで,後方の「射手」は攻撃し放題。安い白兵戦ユニットはいくらでも補充が利くし,敵のユニットと相打ちになればそれこそ本望というものだ。いざとなれば,戦闘中の地域に火矢を放ち,味方ごと敵を焼き払ってしまうという戦法すら採れる。って,こう書くと酷い王様みたいだが……
 ちなみに火矢は,「射手」を選択した状態で「攻撃(A)」を押し,その後で撃ち込みたい地域をクリックすると放つことができる。一応,知識として覚えておくとよいだろう。
 またエジプトのいくつかのユニットが,「信仰」というアビリティを備えている点にも注目したい。「信仰」を使用すると,ユニットは瞑想状態に入り,スタミナを急激に回復できるのだ。スタミナを消費する特殊なアビリティを併用していないところは残念だが,素早く乱戦状態に持ち込むため,いつでも走り回れるだけのスタミナを温存しておきたい。

 エジプトの上位ユニットは,毒矢を放つ「ヌビア弓兵」や移動しながらの射撃が可能な「パルティア騎兵隊」など,特殊な能力を持つ射手ユニットと,高い白兵戦能力を持つ「戦車」の3種類。
 「ヌビア弓兵」の毒矢は,一度攻撃した敵のヒットポイントを随時減少させるというもの。また未確認だが,ヒットポイントの有無に関わらず,直接兵士が倒れていく(毒で)効果もあるように思える。純粋に攻撃力の高い射手ユニットとして使えるので,乱戦時の後方支援で重宝するだろう
 「パルティア騎兵隊」も,うまく使えば非常に強いユニットだ。強いというより,うまく使えれば"格好いい"という表現が適切かもしれない。敵の突撃をさらりとかわしながら,流鏑馬のごとく敵に矢を浴びせかける姿は,いかにも"精鋭"といったおもむきである。 上位白兵戦ユニットである「戦車」は,ローマの「近衛兵」やガリアの「狂戦士」と同タイプのユニット。騎兵系ユニットではあるが,乱戦に強く並み居る敵をバッタバッタとなぎ倒してくれる。高いヒットポイントを有するばかりか,「ゲルマン騎兵」の突き刺しも効かないなど,どんな状況でも安心して投入できる点は大きな強みといえるだろう。

エジプト軍の注目ユニット

戦車
 古代の戦いにおいて,主力であったといわれる「戦車」。エジプトのみならず,古代中国などでも主力だったと考えられており,当時は戦車の数で兵力を計っていたといわれる。
 資料によれば,平地においては,戦車1台が歩兵80人の戦力に相当したというが,確かに武装した戦車が猛スピードで突っ込んできたら……その迫力は想像に難くない。
 ただ時代が進むにつれ,戦車に対抗する戦術が確立し,戦車の活躍の場はなくなっていったようだ。

 

パルティア騎兵隊
 パルティアとは,カスピ海東南の草原地帯にあった王国。騎馬戦術に長けた北方イラン系遊牧民によって構成され,主力であった騎兵部隊の機動力は,ローマ軍を苦しめたと伝えられる。ゲーム中でもその機動力は十二分に表現されており,ヒット&アウェイなどの非常にいやらしい戦術が可能だ。

 

 

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Praetorians (C) Pyro Studios S.L. 2003. Published by Eidos Interactive Limited 2003. Praetorians is a trademark of Pyro Studios 99 S.L. Eidos, Eidos Interactive and the Eidos Interactive logo are trademarks of the Eidos Group of companies. All Rights Reserved.