― 連載 ―

スカッとゴルフ パンヤ アリンの「恋はチップイン」
第1ホール:男がアリンに恋するとき
老若男女誰でも遊べるゴルフゲーム「パンヤ」に挑戦

パンヤは誰でも遊べるゴルフゲーム。見ての通りかなりライト向けの作りで,老若男女に関係なく幅広い層から人気がある

 先週まで「Guild Wars」の週刊連載(結構ハードだった)を執筆していた筆者のもとへ,4Gamer編集部のKawamura氏から「次はパンヤの連載をお願いします」との連絡が入った。
 筆者はヘビー級のRPGとRTSを得意とする,"硬派"なライターであり,例えば可愛い系のライトなMMORPGなどは意識して避けてきたところがある。Guild Warsの連載にしても,編集部の最初の要望は「とにかく綺麗な女の子がいっぱい写っている画面を,バンバン見せてくれればいいです」というものだったのだが,筆者にはそういうMMORPGの遊び方をした経験がないので,結局は文字ばかりの記事になってしまった。
 ところが「パンヤ」といったら,可愛い系の直球ど真ん中,しかもゴルフゲームではないか。ちょっとした自慢だが,ゴルフゲームはファミコンのゴルフ以来だ。

 そんなわけで,いったいどういうわけか今週から「スカッとゴルフ パンヤ」の新連載が始まる。とはいえパンヤは,正式サービスが稼働してから既に1年弱が経過。普通にシステムを紹介したりするのは,もうお腹いっぱいといった感じだろう(4Gamerの「こちら」に入門用記事がある)。なので本連載としては,堅苦しい説明はできるだけ抜きにして,ゲームの魅力を膨らませてお伝えできればと思っているのだが……本当に筆者でいいのだろうか。

 

タイトル名になっている「パンヤ」とは,ショット時の擬音のこと。ナイスショット時はこのように大きく表示され気持ちがいい

 とりあえず気を取り直して,連載初回なので簡単にゲームの概要をおさらいしよう。「スカっとゴルフ パンヤ」は,徹底的にライト寄りな誰もが楽しめるゴルフゲーム。"基本料金は無料+アイテム課金"が大きな特徴で,アップデートもこまめに行われており,4Gamer読者であれば何度か記事を目にしたという人も多いだろう。

 ゴルフゲームといってもいろいろあるが,パンヤはリアル指向ではなくライトなデザイン。断崖絶壁や軍艦の甲板といったユニークなコースを,可愛いキャラクターを操作して,さまざまなアイテムを駆使しながら回ってゆく。簡単操作で一度のプレイ時間も短く,ゴルフゲーム未経験者でもすんなり遊べるという,間口の広い内容だ。ゴルフゲームや可愛い系ゲームと縁のない筆者に白羽の矢が立ったのも,そういった理由かららしいが……。

 

パンヤの基本料金はなんと無料。この記事を見て興味を持った読者は,今すぐにでもダウンロードしてプレイしてみるとよい

ゴルフの枠に囚われないアイテムも魅力の一つ。画面エフェクトもド派手で,ゴルフ=堅苦しいという印象はまったく受けない

 

アイテムでボールに強烈なスピンを掛けて打った瞬間。とはいえ,こういったアイテムを使わずに普通にプレイすることも可能だ

コース上には,さまざまな仕掛けが用意されている。写真の風車は,ぐるぐる回る羽根の間を狙って通さなければならない

画面右下に表示される風向きには,常に注意しよう。場合によっては,OBやウォーターハザードといったことになりかねない

個性豊かな7人のキャラクターこそパンヤ最大の魅力

各キャラクターの豊富なアクションを見ているだけでも楽しい。これがパンヤの人気の原動力といえるだろう

 これまで頻繁に名前を見かけはしてきたものの,実際にパンヤで遊ぶのは今回が初めて。ゴルフゲームの記事執筆に向けて,さっそくゴルフ雑誌を買ったり,駅のホームで傘をスイングしたりして下準備しようかと思ったのだが,Kawamura氏が最初にすべき下準備として提言してきたのは,「キャラクター選択で悩みに悩み抜いてください」ということだった。

 プレイヤーの分身となるキャラクターの数々。パンヤでは(2005年9月6日現在)7人の中から,好きなキャラクターを選んでプレイするのだが,最初は選択肢がない。男性なら"ケン",女性なら"エリカ"だけが与えられる。
 そこで必要になるのが,「CP」(クッキーポイント)と「PP」(パンポイント)と呼ばれる,2種類のポイント。両方ともゲーム内の通貨だが,CPは現金と引き替えに一定レートで購入できる。PPは,ゲームをすることで少しづつ貯まってゆく。そしてCPかPPどちらかのポイントを消費して,新キャラクターやアイテムなどを購入するのだ。

 お金を使いたくない人はプレイしてPPを貯めればよく,お金を使える人はCPを購入して,すぐ新キャラクターや新衣装でプレイできる。このへんを選べるのは,とてもありがたい。そしてこういったビジネスが成り立つのも,キャラクターにたっぷりと魅力があるからこそなのだろう。

 

"クー"は,海賊の一人娘という設定。常に大砲を持ち歩く怪力娘。アリンが登場するまではダントツの人気だったらしい

初期状態では"ケン"または"エリカ"の2人のみ選択可能。CPまたはPPを用いることで,ほかのキャラも使えるようになる

換金レートは何種類かあるが,基本的には1000円で100CP。つまり新キャラクター1体のお値段は1000円前後ということ

 本連載を開始するにあたって,筆者は最初「別にケンでいいや」と思っていたのだが,記事掲載時のスクリーンショットが映えるかどうかという理由において,編集部的には男性陣のキャラクターは最初から眼中にないらしい。それでは,ということで「エリカ」でゲーム登録し,とりあえずプレイしてみること小一時間。筆者はKawamura氏に「エリカ萌え」と報告した。
 なんせキャラクターのデザインやモーションが絶妙に心をくすぐり,感情移入せずにいられないのだ。例えばバーディやボギーを出したときなど,ゲーム中に見せるアクションの喜怒哀楽がはっきりしていて,プレイヤーの感情に直結してくる。ゲーム中で女の子と感情を共有するなんて,筆者にはあまりなかった経験である。

 

筆者が選んだアリンちゃんは,魔法学校を首席で卒業したという設定。余裕のパッティング時はこのような茶目っ気も見せる

 ところが,実はKawamura氏から軍資金として150CPを渡されていたのだ。筆者はすでにエリカが気に入ってしまったのに,「これで好きなキャラを買ってください!」としつこく言うので,渋々ほかのキャラクターにも目を向けることに。
 とはいえ,150CPでは1人分しか購入できないため,どれを選ぶかは非常に悩ましい。そして筆者がさまざまな自問自答を繰り返しつつ最終的に候補として絞ったのは,お姉さん風の「セシリア」と可愛い系の「アリン」の2人。「アリンは最近追加された新キャラなんですよ」「今はアリンが人気高いですよ」などとアドバイスを受けたこともあり,ようやくアリンちゃんに決定した。

 

CPやPPでキャラクター用の着せ替えアイテムも購入できる。これらは頻繁に追加されており,楽しみは尽きない

キャディはプレイヤーに随時助言をし,キャラクターの能力をアップしてくれるのだ。何より見た目が楽しい

さまざまなアイテムをCPやPPで購入でき,これらの活用法が面白い。しかし,その手に持っているのはバ……

ライター対編集者のパンヤ対決! 果たして緒戦の結果やいかに

Kawamura氏はセシリアで登場。スリット入りのスカート+ハイヒールという,ゴルフにはまるでそぐわない格好がたまらない

 以前は単にキャラクターが可愛いだけのゴルフゲームだろうとタカをくくっていたのだが,いざ遊んでみると予想以上に面白く,短時間で大ハマリである。キャラクターの魅力が加わるだけで,ゴルフゲームってこんなに面白くなるものだったのか。しばらくの間プレイを重ね,筆者のゲーム内ランクが一番下の"ルーキーF"から"ルーキーE"に上がるころには,もう身も心もアリンちゃんに染まっていた。筆者はもう彼女なしでは生きていけないに違いなく,この想いを今すぐ確認してみなければならない。

 

 そしていよいよ,Kawamura氏と直接パンヤ対決することになった。Kawamura氏の使用キャラはセシリア。最終的にセシリアとアリンで悩んでいたときに,やたら筆者にアリンを勧めてきたのは,自分がセシリアを使いたかったからだと分かり愕然。セシリア用の着せ替えアクセサリーの中に"女教師メガネ"があることを知った瞬間は,キャラ選択を誤ったのかと後悔したりもしたが,今はアリンへの想いをゴルフクラブに込め,力いっぱいKawamura氏の頭に,いやボールに叩き込むのみだ。

 

他愛もないチャットをしながらの対戦はやはり面白い。ちなみにこの時点で,すでに双方とも仕事であることは忘れている

2人とも初心者であるためか,このようになかなかの接戦。コースの大半をパーで回っている点は暖かい目で見守っていただきたい

 

 今回の対戦に選んだコースは,眩しい太陽と涼しい波が美しい島の"ブルーラグーン"。パンヤはときとしてゴルフから逸脱するゲーム内容となってしまうが,オーソドックスなこのコースであれば,普通にゴルフとして楽しめる。またお互い初心者ということもあって,最初の対決の場としても相応しいだろう。

 

 セシリアで登場したKawamura氏は,やはりパンヤのプレイ経験がほとんどないという。パンヤでは対戦相手がショットするとき,どの方向を狙っているのかをリアルタイムで確認できるが,それを見るに,確かに慣れていないようだ。例えば風向きやグリーンの傾斜といった,環境に応じた打ち分けがまるでできていない。しかし筆者は,素人丸出しのKawamura氏を見ても,あえて一切アドバイスを行わずにいた。なぜなら,今回の敗者は着せ替え用のアイテムを,勝者に自腹のCPでプレゼントするという恐ろしいペナルティが待っていたからだ。笑いを堪えつつKawamura氏のプレイをじっと見守る。やはり対戦ゲームは,いつの時代も最高である。

 

 しかしそれでも,お互いルーキーレベルであるため,なかなかの接戦が続く。勝負の分かれ目となったのは第5番ホール。ブルーラグーンの第5ホールといったら,たぶんパンヤの世界では「ああ,初心者が最初にひっかかるところね」といった扱いではないかと思われるが,Kawamura氏が痛恨のウォーターハザードを3連打。ここで一気に引き離し,というよりは勝手に自滅してくれたおかげで,最終18ホールまで4打差をキープ。担当ライターとして辛うじて面目を保った次第である。新しい衣装をゲットしたアリンちゃんを見て,筆者の愛情がより強まるのを感じられた。

 

これが今回勝負を分けた第5番ホール。風向きをよく見ると,この状態では決してグリーンに届かないのが普通は分かるだろう

Kawamura氏がウォーターハザードを連発するも,ぐっと堪えて無言(爆笑)で見守る筆者。勝負の世界は非情なのだ

 

▼今回のスコア▼

都合上,名前を消しているが,上が筆者で下がKawamura氏。いずれにしろ,両者ともみっともないスコアだ

 

▼今回の結果▼
プレイヤー 練習時間 自腹を切った金額 勝敗
川崎 約6時間50分 0円 1勝
kawamura 約30分 1120円 1敗

 

 と,実際にプレイしてみると意外なほどアツくなれる「スカッとゴルフ パンヤ」。これから数回にわたって,本誌ならではの切り口でパンヤの魅力をお伝えしていけたらと思っている。それにしても,いったい筆者はどこへ向かおうとしているのだろう。

 

四角い中にある黒い点が,グリーンの傾斜を示している。写真ではかなり右寄りに打たないと,ずれてしまう

筆者の作戦が功を奏したこともあり,緒戦はこのような結果に。ルーキーEとルーキーFの腕の差を軽く見せつけた

ゲーム内に搭載されている「プレゼント機能」でアリンの新たな衣装をゲット! 次はいったい何を買ってもらおう

■■川崎 政一郎(ライター/記者)■■
PCゲーム各誌にて,主に正統派RPGやRTS系タイトルを中心に活躍するフリーライター。老若男女,誰でも楽しめるゴルフゲームということで今回の連載に抜擢される。いったいなぜこのようなことになってしまったのか,自分でもよく分かっていないようだ。川崎氏が今後どのように変貌を遂げていくか,みんなで見守ろう。
タイトル スカッとゴルフ パンヤ
開発元 Ntreev soft 発売元 ゲームポット
発売日 2005/05/27 価格 無料(アイテム課金),フロンティアグルーヴ販売のパッケージ版は2100円(税込)
 
動作環境 OS:Windows 2000/XP CPU:Pentium III以上(Pentium 4以上推奨),メインメモリ:256MB以上(512MB以上推奨),グラフィックスチップ:GeForce 2 MX以上(GeForce 3 Ti以上推奨),グラフィックスメモリ:16MB以上(64MB以上推奨),HDD空き容量500MB以上(700MB以上推奨),DirectX 8.1以降(9.0c以上推奨)

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