インタビュー
8年間,悲喜こもごもいろいろなことがありました。「ラグナロクオンライン」8周年特別企画,RO歴代関係者に集まってもらい座談会を開いてみました
モバイルやコンシューマなどマルチな展開も推進
そして来年にはRO2もついにお目見えに?
ROは8周年を迎えたわけですが,IRなどで今期も黒字と発表されていましたね。そういった点からも少しお話を聞いてみたいのですが……,ROはサービス開始時からずっと黒字なんですか?
飯野氏:
そこまで昔の話は正確に覚えていないのですが,たぶん,私が担当になってた2004年ぐらいからはずっと黒字だと思います。黒字という表現がいいのかどうか,分かりませんが。
Rocca氏:
年数を重ねていっても,基本的に売り上げは上がり調子になっているので,成長していっているとは思います。
4Gamer:
2006年末に課金アイテムが実装されましたが,プレイヤーからの反応はどうでしたか。ROは基本的に月額課金ですが,そこにアイテム課金を持ってくるのはどうなの? という意見があったと思うんです。
飯野氏:
確かにそういった意見は多かったですね。当時もお話ししたと思うのですが,プレイヤーさんの遊び方って多様化しているんですよ。早くレベルを上げたいという人もいれば,マイペースで上げたいって人もいます。賛否両論あるかと思いますが,そこに遊び方の幅を増やしたかったんです。やるべきなのかやるべきでないのか,結構悩みましたね。いまではやって良かったと思います。
4Gamer:
ちょうどこのころは,基本料金無料でアイテム課金という形態のオンラインゲームが出始めてきたころだと思うのですが,その影響もあったんでしょうか。
飯野氏:
オンラインゲームとしてのビジネスのスキームが変った転機だと思ってますので,影響はあったと思います。自分達も周りも,ずっと月額課金という形でのビジネススキームだけが続いていけば気づかなかったかもしれなかったからです。そこでプレイヤーさんがどういう風に遊んでるのか調べ,またこの時期はROサービス開始から4年が経っていたこともあり,ROの正しいサービスのスキームは何なんだろうと考えた上で決断したと思います。
4Gamer:
私も3次職への追い込みで結構使ったので課金アイテムを否定するつもりはないんですが,それでも微妙な引っかかりを感じることはあります。
飯野氏:
長く遊んでいるプレイヤーさんはすごく深いところを追求してきますのでそれにも応えなきゃいけない。でも,新しく入ってくるプレイヤーさんもないがしろにしちゃいけない。そのギャップをどう埋めるかが難しい問題ですね。
4Gamer:
サービスが長い分,そのギャップも深いですよね。
飯野氏:
そうなんですよ。いま新しいゲームを始めればそこまでの差は生まれないと思います。でも,新しく入ったプレイヤーさんを,人が多くいるワールドで早い段階からちゃんと遊ばせるにはどうすればいいんだ,そんなことをそのときは一番考えていたと思います。
4Gamer:
そういう方針でいくと,さらに経験値がたくさん入る,教範システムなどの実装もありえるということですか。
飯野氏:
それもどうするか,試行錯誤していかないといけないと思ってます。しかし,今まで時間をかけて遊んで頂いたということも考慮しなくてはなりません。長い歴史と今のバランスをどう取るかで,いつも悩んでいます。
Rocca氏:
課金の話ですと,先日韓国の方でROの基本プレイが無料化されました。これについてプレイヤーのみなさんから日本はどうなるんだと,ご質問を受けることが多いのですが,現在のところ,日本で無料化する予定はありません。韓国が無料化したから日本も無料化という流れはなくて,それぞれの国の運営チームが,プレイ状況を見て判断しています。そのため,未来にどうなっているかは分かりませんが,現時点では無料化は考えていないですね。
コンシューマゲームにも広がったROの世界
今後の展開は?
4Gamer:
ROと言えば,2008年にDS版「ラグナロクオンラインDS」(以下,RODS)が登場しましたね。今後の予定はどうなのでしょうか。
RODSは,弊社としてPC以外にROブランドのゲームを出した初めてのパターンでしたが,実はPC版ROをモデルとするのか,ROの世界観をつかったまったく別の作品にするのかという二つの選択がありました。当時,有力なハードとしてDSがあり,タッチペンでの操作はPCの操作と親和感があったので,PCをモデルにしたDS版のゲームとなりました。発売後には,プレイヤーさんからもいろいろな評価を頂きましたね。
その時の経験を糧に,どういう方向性になるかはまだわかりませんが,ROプレイヤーのみなさんを良い意味で裏切るようなものを模索していきたいと考えています。また,それとは別にストーリー部分,PCはアップデートごとにエピソードという形で一つ一つ完結していくタイプが主となっていますが,コンシューマならではの物語を提供して楽しんでもらえればと思っています。
ROというIP上で外伝的なものを,ということでしょうか。
畠山氏:
そうですね。PC版のROは8年も運営していて,崩せないところもあると思うんですよね。そういったところを良い意味で崩して,プレイヤーさんに提供できるのがコンシューマやモバイルだと思うので,積極的にやっていきたいと思っています。
4Gamer:
では,これからもいろいろ出していくということですね。
畠山氏:
もちろんです。新規のプレイヤーさんもどんどん獲得していかないと,と思ってますので,もっと大きなものを作っていきたいと思います。良い意味でROは柔軟性が高く,ワンソースマルチユースっていう戦略に適しているのかもしれません。
荻原氏:
あと,2Dのドット絵は飽きづらいというのもあるかもしれませんね。
4Gamer:
とすると,次回作もドット絵のROということになるのでしょうか?
畠山氏:
どうでしょうね(笑)。まあ,いろいろ仕込んでいるので期待してください。
飯野氏:
コンシューマやモバイルなど,さまざまな展開をしていきたいというのが会社の方針でもありますので,発表はできない段階のものも多々あるのですが,増やせるだけ増やしたいなと思っています。
モバイルと言えば,ROMSはそろそろ運営開始から1年が経ちますよね?
横内氏:
もうちょっとで1年ですね。
荻原氏:
2010年の2月にプレオープンという形で始まったので,もう2,3か月で1年という感じになりますね。
4Gamer:
プレイヤーからの反応はいかがでしたか。
荻原氏:
立ち上げ当初は正直どうなるかと思いました。モバイルでMMOというのは初めての取り組みだったので,PCならある程度勝手が分かっているのですが,そもそも携帯電話で3Dとか2Dとかがちゃんと描画できるのか,3G通信でどれくらいのパケットを使うのか,みなさんがちゃんとプレイできるのか……とにかく手探りだったので,結構サーバートラブルに見舞われたりしました。
4Gamer:
携帯電話とはいえMMOですから,たくさんの人がいないとゲームになりませんよね。
荻原氏:
負荷によるサーバートラブルの対応がなかなかできずに,ご迷惑をかけてしまったなと思っています。おかげさまでトラブルも落ち着きまして,いまでは15万人のユーザー様にお楽しみ頂いております。以前,インタビューを受けたとき弊社の渡辺が「ROのブランドを傷つけないように頑張っていきます」と発言していましたが,良い結果に繋がったのではないかと思っています。
4Gamer:
モバイルですと,アカウント単位ではなくダイレクト数が出てしまいますよね。
荻原氏:
はい。携帯電話のSIM単位のアカウントになってしまうので,プレイヤー数が如実に表れてしまいますね。ただ,思いの外,PCなど既存のROユーザーさんではない,新しいプレイヤーさんに楽しんでいただいている現状があるので,ROブランドの新規プレイヤー獲得の一部として走れているのではないかと考えています。
4Gamer:
新規プレイヤーがかなり多いんですか?
横内氏:
分かりやすい例で言いますと,PCのROで3次職が実装されたときに,PC版のプレイヤーとモバイルのプレイヤーが被っていたなら,それ以降の接続数が落ちるのではないかと危惧していました。そして,ちょうどPCのROが三次職を実装する次の日,我々は2次職の実装だったんですよ。
4Gamer:
2-1次職ですね?
横内氏:
ええ。ですからちょっと心配していたのですが,数字はまったく落ち込みがありませんでした。それを見て,ああ,新規の層をちゃんと開拓できているんだな。これはある意味,成功しているところなんだなと実感しました。
4Gamer:
PCとモバイルで,棲み分けがちゃんとできていたと。
荻原氏:
PCであれモバイルであれ,ボリュームのあるゲームになっているので,遊ぶ環境はモバイルといえど充電器を挿して家でゆっくり,電波のいいところでという方が多いようです。
そう考えるとPCのROとプレイフィールドが被ってくるわけです。常にPCでROを遊んでいるプレイヤーさんが,3次職が実装されたのに,その時間を減らしてモバイルの方を遊ぶかっていったら,当然3次職を遊ぶよというお客さんが多いと思います。ですが,実装にそういう影響があまりなかったということは,あまり層が被ってないのかなと分析しています。
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