レビュー
劇的な転換を果たした,シリーズの新たなフラグシップモデル
PCI Express Sound Blaster X-Fi Titanium HD
入出力周りを一新し,アナログ出力は2ch RCA化
サラウンド出力はデジタルビットストリームのみに
主なポイントは,Sound Blaster Live!シリーズ以降の拡張カード型Sound Blasterとして初めて,モノラルRCA端子×2によるアナログ入出力をサポートしている点と,D/Aコンバータが,従来のCirrus Logic(シーラスロジック)製から,Texas Instruments(テキサスインスツルメンツ)の「PCM1794」に変わっている点,そして,搭載するコンデンサの品質グレードが,いわゆるオーディオ製品に近づいている点が挙げられるが,そのほかについては,ぜひ先の記事をチェックしてもらえればと思う。
一方,従来のSound Blasterに見られた“ズラリと並ぶステレオミニピン端子による7.ch出力”は廃止され,サラウンド出力は,デジタルによるビットストリームのみのサポートに切り替えられた。
アナログ入出力はそれぞれモノラルRCA×2,さらにヘッドセット(など)の利用に向けてヘッドフォン出力とマイク入力のステレオミニピン端子を1系統ずつ用意するのが,X-Fi Titanium HDにおける外部インタフェースのすべて。では,デジタル入出力はどこにあるのかというと,入力用のRCA×2が,ミニピン形状で光デジタルに対応した端子も兼ねているのだ。
以上の仕様から推測できるのは2点。まずは,アナログ入出力段の設計が,よりハイファイオーディオを志向しているということである。もう一つは,5.1ch以上のサラウンドスピーカーとAVアンプ(≒AVレシーバー)やホームシアターシステムの普及率が上がり,ゲームなどPC側のサウンドデータをDolby Digital LiveやDTS Connect形式でリアルタイムエンコードしてビットストリーム出力するハードルが下がったという判断がなされたことだ。
その理由はさまざまに推測できるが,少なくとも,PCからのサウンド出力に少なからぬコストを投下できる人達に向けた製品において,アナログサラウンド出力対応はもはや重要でないと――EAXでアナログマルチチャネルサラウンドを推進してきた――あのCreative Technology(以下,Creative)が判断したという事実は注目に値しよう。
THXのブランドを前面に押し出すCreative
「THX TruStudio」対応が大きなウリに
THXの名を一度も見たことがないという人は少ないと思われるが,これは,映画館やオーディオ&ビジュアル機器,ビデオデータなどの品質監修やチェックを行い,条件をクリアした映画館や製品にロゴマークを与えるというビジネスを行っている企業と,そのブランドネームのこと。
X-Fi Titanium HDが採用するTHX TruStudioは,企業としてのTHXと,Creativeの米国法人であるCreative Labsの協業によって生まれたソフトウェアスイート(※複数のソフトウェアを一つにまとめたもの)だ。Creative製品や,マザーボードなどのサードパーティ製品で“THX基準”を満たすためのものとしてアピールされているので,「大規模な映画館や,主要AVアンプにおいて高確率で準拠しているあのTHXがあなたのPCにも!」的なイメージを狙っているのだろう。
THX TruStudioが有効になるのは,X-Fiシリーズ伝統の動作モード3形態,「ゲームモード」「エンターテインメントモード」「オーディオクリエイションモード」のうち,エンターテインメントモードのみ。ゲームモードの選択時に,マルチチャネルスピーカー技術やバーチャルサラウンド機能などを利用したい場合は,従来どおりCMSS-3Dを使うことになる。
X-Fi Titanium HDのTHX TruStudioで実現される機能は下記5項目だ。
- THX TruStudio PC Surround:いわゆるバーチャルサラウンド機能。2chステレオスピーカーシステムやヘッドフォン,ヘッドセットでバーチャルサラウンド表現を可能にするものなので,CMSS-3DのTHX TruStudio版と考えておけばOKだ。詳細は後述
- THX TruStudio PC Crystalizer:ダイナミックレンジ補正を行う機能とされているが,実際にはトランジェント(※ピアノやシンバルなど,アタックの鋭い音)補正効果の方が大きい。要するに,鋭いアタックなどが強調されるわけだ。効果は高いが,かけ過ぎると不自然になる点と,ダイナミックレンジ補正機能とされているため,有効化すると音圧(≒音量)が結構上がる点は要注意。40〜50%くらいが適正値か
- THX TruStudio PC Speaker:2chステレオスピーカーシステムやヘッドフォン,ヘッドセットが苦手とする低域を補正し,ファットな低音を生み出すとされるもの。詳細は後述
- THX TruStudio PC Dialog Plus:ダイアログ(セリフ)を強調して,聞き取りやすくする機能。詳細は後述
- THX TruStudio PC Smart Volume:いわゆるAGC(Auto Gain Control)。数100msくらい時間をかけて音量をなだらかに揃えるという,テレビや携帯電話で必須の機能だ。効果はしっかりあるが,かけすぎると,音量の小さいところが極端に持ち上がってしまうので注意が必要だろう。適正量は40〜60%程度だと思われる
なお,少々余談気味に続けると,CreativeのWebサイトをチェックする限り,基本的には同社のOEM部門がTHX TruStudioのビジネスを管轄している模様。そんなOEM部門のページには「THX TruStudio Pro」という表現が躍っている一方,X-Fi Titanium HDやサードパーティ製品では「THX TruStudio PC」という表記が一般的だったりして,さてどうしたものかといったところだが,THXは「THX TruStudio」と呼んでいるので,本稿でもこれに倣うこととしている。
従来型Sound Blasterの音を払拭する
上品なPCサウンドを実現
製品の位置づけを把握したところで,さっそくテストに入ろう。今回は表に示した環境で検証を行っていく。
X-Fi Titanium HDのテストに用いたサウンドドライバは,製品版のCD-ROMに付属のもの(※原稿執筆時点でこれより新しいものは公開されていない)だが,Creativeらしいというかなんというか,エンターテインメントモードとゲームモードを頻繁に切り替えすぎると音が出なくなって,再度別のモードに切り替える必要があったり,ゲーム中,サウンド再生が一時止まって,その間ゲームの進行が完全に停止したりという不具合があった。いずれ直るとは思われるが,今すぐ購入しようと考えている場合は注意が必要だ。
テスト方法は基本的に筆者のヘッドセットレビューと同じだ。全体の出力波形をチェックしつつ,エンタテインメントモードで「iTunes」から2chステレオ音楽再生を行ったときの試聴と,マルチチャネル環境を設定した状態からゲームモードで「Call of Duty 4: Modern Warfare」(以下,CoD4)のリプレイを再生したときの試聴とで評価を行っていく。比較対象用意したのは,表のとおり,一世代前のモデルとなる「PCI Express Sound Blaster X-Fi Titanium」(以下,X-Fi Titanium)を用意した。
出力波形のテストには,表に示したスペックのPCにセットアップしたSony Creative Software製の波形編集ソフト「Sound Forge Pro 10」を利用。出力するオーディオ信号は,サイン波(※一番ピュアな波形)を20Hzから24kHzまで滑らかに変化させた(=スイープさせた)ものになる。カードから出力させず,ソフトウェア上で完結させたデータを「リファレンス」として,出力した波形がどれだけリファレンスと近い形状を示せるかチェックしていくわけだ。
出力した波形は,RME製4chプリアンプ「Quad Pre」に入力し,レベルマッチングを行ってから,筆者が音楽制作においてメインに使っているAvid「Pro Tools|HD」用インタフェースで,業務用の「192 I/O」に入力。Pro Tools|HDのコントロールソフト「Pro Tools|HD Software 8.0.1」上にアサインされたWaves Audio製のソフトウェアアナライザ「PAZ Psychoacoustic Analyzer」で表示させるといった流れになる。
……というわけで,まずは周波数特性。RCA端子を採用した注目のアナログ出力周りを,リファレンスと比較してみよう。下に示したのは,WDM(=Microsoftサウンドマッパー)を用いた2chステレオ出力結果となる。
グラフ画像は,上段が周波数特性,下が位相特性だ。
周波数特性のグラフは,縦が音圧レベル(dB),横が周波数(Hz)となっており,人間の耳が聞き取れる範囲と言われる20Hz〜20kHzを中心に,周波数ごとの音圧レベルを波形として表示するようになっている。基本的には,波形がリファレンスに近い形状をしていればしているほど,オーディオ機器として優秀だと考えてほしい。
一方の位相は,誤解を恐れず簡単に説明すると,下段にあるグラフの下部中央にある半円から,オレンジ色の波形がまっすぐ真上に伸びていれば,正確なステレオ再生を行えている,という解釈でいい。
筆者のヘッドセットレビューにおけるマイクの検証時だと,「青い斜め線の枠内にあれば合格」になるが,サウンドカードの出力品質の場合は,一般に,まっすぐな状態からずれるほど,左右ステレオの音がずれて,オーディオ機器としての品質低下につながるという解釈になる。
以上を踏まえて見てみると,X-Fi Titanium HDの波形は,30/80/250/800Hz付近と1.8kHz付近でリファレンスから多少乖離している。ただ,全体として大きな破綻はない。
下に示したのは,同条件で計測したX-Fi Titaniumの波形だ。これと比べると,X-Fi Titanium HDの波形は,リファレンスからの乖離が相当に小さくなっていると述べていい。X-Fi Titaniumにおけるアナログミニピン出力の場合,70〜120Hz付近がリファレンスから乖離し,さらに250〜500Hzの波形が平べったくなってしまっているのも目につく。
で,実際の試聴結果はどうなのかという話だが,波形にそう劇的な違いがあるわけではないことからも想像できるとおり,違いもそれほど大きくはない。ただ,筆者が音楽制作用に用いているADAM製パワードモニタースピーカー「S3A」で慎重に聴き込んでみると,X-Fi Titanium HDは従来製品よりも音が上品になった印象を受ける。
Sound Blasterシリーズは伝統的に,割とギラッとした音質傾向が特徴なのだが,X-Fi Titanium HDはそれと比べて,高域のキツさが多少弱まって,中低域がやや強くなった,といったところか。
X-Fi Titanium HDの周波数特性はX-Fi Titaniumと比べて250〜500Hz付近の中低域が多少強いので,「高域が落ちた」というより,やや強めの中低域が高域をマスキングしているのだろう。
実際,高域のアタックは多少遅く感じられるが,ただ,これは高級オーディオ機器でもよく見られる現象。むしろ長時間のリスニングではこちらのほうがいいと感じる人も多いため,この特性は必ずしもマイナスではない。
安価なスピーカーで音を聞くと,高域がギラギラしてしまうのは,高域が強すぎるからではなく,低域〜中低域が弱くて,高域が相対的に前に出てきてしまうからだが,X-Fi Titanium HDの特性は,ちょうどその正反対のものになっているというわけである。
ただ,オーディオファン好みのハイファイオーディオ機器っぽくなっているかというとそうではなく,あくまで「素性のいいPCサウンド」になっているのは,音作りの方向性として面白い。
ヘッドフォン出力品質はまずまず良好な部類
CMSS-3DとTruStudio PCの違いはどこにある?
ヘッドフォン出力のテストは,基本的にゲームプレイを前提としたDirectSound出力で行う。その結果が下のグラフだが,低域のピークが45Hzへと移動し,そこを頂点に,落ち込みが大きくなっているのは少々気になった。また,125〜800Hzの範囲が全体的に少々高めになっているのも目を引くところだ。
さて,試聴ではゲームモードのCMSS-3D,そしてエンターテインメントモードのTHX TruStudio(※正確にはTHX TruStudio PC Surround)を聞き比べてみたが,試聴したときに最もはっきりと分かる両者の違いは,初期反射量,平たくいえば残響量。THX TruStudioのほうが明らかに多いのである。
THX TruSurroundの「Surround」で設定できる項目は,このバーチャルサラウンド感スライダーだけ。残響が多めに付加されるのを除くと,サラウンド定位の方法自体にCMSS-3Dから大きく変わった印象はないので,この一点,初期反射に振った最適化こそが,音楽やビデオ用ということなのだと思われる。
このほか,ゲーム用途でも意味がありそうなTHX TruStudio PC SpeakerとTHX TruStudio PC Dialogue Plusについては,下に簡単なインプレッションをまとめた。音響補正効果として一定以上の効果があるのは間違いないが,これらを組み合わせて“いい音”にできるかはエンドユーザー次第であり,ちょっと丸投げすぎな感は否めないか。コツは,各機能の設定値を控えめにすることなので,いろいろ設定を追い込んでみたい場合は参考にしてほしい。
音楽やビデオに特化したTHX TruStudioを大々的にブチ上げておきながら,ゲームモードではCMSS-3Dを残してきたのは,Creativeもゲーム向きなのはCMSS-3Dだと判断したからだろう。
ともあれ,ゲームプレイでバーチャルサラウンド機能を利用したい場合は,Creativeの推奨するように,従来同様,ゲームモードに切り替えてのCMSS-3D利用をお勧めする。バーチャルサラウンド感の設定をきちんと調整すればTHX TruStudioでもゲームに使えなくもないが,それでもやはり大きな初期反射はゲームプレイにおいて相当に邪魔だ。手間をかけて設定を追い込む必要はないと思われる。
デジタル出力はあくまでも
出力先の品質に依存
出力系の最後は光デジタル出力だ。下に示したグラフは,左がゲームモードのDirectSound出力,右がエンターテインメントモードのWDM出力時となる。前者で30〜125Hzの重低域〜低域でリファレンス波形から若干の乖離が生じ,60Hz付近に谷が出ているのが少々気になるとか,後者では600Hz以下でいくつか小さな乖離が見られるものの,全体としてはどちらもリファレンスに近い波形でまとまっていると述べてよさそうだ。
X-Fi Titanium HDの光デジタル出力(DirectSound) |
X-Fi Titanium HDの光デジタル出力(WDM) |
光デジタル出力にあたっては,パイオニア製の中級AVアンプ「VSA-AX4AVi」に入力し,その後プリアウトからMackie Design製ミキサー「Onyx 1220」に接続。そこから前出のS3A×2に出力して2chサウンドの試聴を行ったほか,S3Aをフロント2chとして,Dynaudio Acoustic製モニタースピーカー「BM6A」をリア2ch+センター,同じくDynaudio Acoustic製「BM-10S」をサブウーファとして組み合わせた5.1chマルチチャネル構成でゲームサウンドの試聴も行っている。
なお,X-Fi Titanium HDの光デジタル出力は,Dolby Digital LiveとDTS Connectをサポートしているが,今回,光デジタルを介したマルチチャネルビットストリーム出力においてはDolby Digital Liveのほうを利用しているので,この点はあらかじめお断りしておきたい。
その音質傾向は,一言でまとめるなら良好。ただこれは単純に,VSA-AX4AViの出力特性に依存するところが大きい。音のキャラクターは間違いなく本AVアンプによるもので,X-Fi Titanium HDの光デジタル出力は,その邪魔にならない程度,つまり十分な品質を有している,という理解で大丈夫だ。
最後に,ここまでコメントを省略し続けてきたが,ご覧のとおり,位相特性に問題はまったくない。ただし,Sound Blasterの場合,ボリュームを上げすぎると位相がズレやすくなるため,アナログ,デジタル出力のいずれにおいてもデフォルト値である66%を超えた設定はしないのがベター。50%くらいだと確実に安全だ。
ミニピンのマイク入力は「とくに問題なし」
RCA端子の採用でライン入力品質は向上
ここからは入力特性の検証である。
まずは肝心要,マイク入力に用いるミニピン端子からだ。DirectSound入力時のテスト結果は下のグラフに示したとおりだが,ぱっと見たところ,乖離はほとんどない。小規模な乖離が複数あるため,全体的に相似形といえないのはやや気になるものの,音質を大きくスポイルする要素が見当たらないのも確かだ。
重低域にやや目立った乖離があるのではと思うかもしれないが,ヘッドセットと組み合わせる場合,ほとんどのヘッドセットのマイクはこのあたりを拾わないので,神経質になる必要はない。むしろ,中低域〜高域に大きな破綻がないため,周波数特性としては十分である。
続いて下に二つ並べたのは,一般的なボイスチャットを想定したWDM入力(左)と,それをX-Fi Titaniumでもテストした結果(右)だ。X-Fi Titanium HDは,80Hz〜3kHzでやや乱れるが,DirectSound入力時と同様,大きな乖離はない。また,X-Fi Titaniumとの違いも大きくなく,総じて「X-Fi Titaniumと同様に,問題ない品質」とまとめることができそうだ。
X-Fi Titanium HDのアナログミニピンマイク入力(WDM) |
X-Fi Titaniumのアナログミニピンマイク入力(WDM) |
最後に,ゲーム用途で使うことはまずない――というか,光デジタル出力と排他なので,デジタル出力を選択した場合は物理的に利用不可能――と思われるので簡単になるが,X-Fi Titanium HDとX-Fi Titaniumで,WDMのアナログ入力時における波形を比較しておこう。結果は下に示したとおりで,RCAを採用したX-Fi Titanium HDでは,ミニピンを採用したX-Fi Titaniumから,周波数特性の大幅な改善が見て取れる。
低域のピークが45Hz付近に移動しているとか,相対的に80Hz付近が落ち込んで見えるとか,中低域〜中高域がやや乖離気味であるとか,ツッコミどころがないわけではないものの,乖離の幅は小さく,大きなピークや落ち込みは見られない。X-Fi Titanium HDの特性は,総じて優秀と述べていいのではないかと思う。
X-Fi Titanium HDのアナログミニピンライン入力(WDM) |
X-Fi Titaniumのアナログミニピンライン入力(WDM) |
ハイファイ化を実現し,万能選手になったSound Blaster
オーディオ的ではないが,この方向性はアリだ
定評あるCMSS-3Dが利用可能で,かつ,アナログ出力品質,そしてデジタルビットストリーム出力前提のマルチチャネルサラウンドサウンド対応などに始まる機能面を総合評価するに,X-Fi Titanium HDが示したこの方向性は間違いなくアリだろう。ドライバ周りは本当になんとかしてほしいが。
……Sound Blasterの音が上品になり,柔らかくなったという点からは,「PCサウンドの世界も,スペックだけで語る時代はようやく終わりつつある」可能性が感じられる。24bit/192kHzとか,S/N比120dB超とか,定量的なスペックだけで「高音質」と謳われ,実際聞いてみると聞くに堪えないという製品が多いなか,定量的なスペックとマーケティングキーワードにひたすら磨きをかけてきた代表格ともいえるCreativeが,驚くべき方針転換を(少なくともX-Fi Tianium HDにおいて)図ってきたことは,おそらく「事件」である。
Creativeが,「Cretiveの考える“いい音”」を追求しようとしていることが感じられたのは今回が初めてであり,この点は本当に素晴らしいと思う。
一つだけ断っておくと,路線転換したばかりということもあって,X-Fi Titanium HDの2chアナログ出力品質は,「サウンドカードでNo.1か,そこを狙えるレベル」には達していない。何というか,オーディオ機器とPCサウンドデバイスの中間的な音なのだ。あと3年早くこの路線に舵を切っていれば,現在の状況は違ったものになったと思われるに,残念でならない。
とはいえ,まだ「遅きに失した」タイミングでもない。Creative,そしてSound Blaster X-Fiが,この路線で飛躍を果たすことに期待したいところだ。
- 関連タイトル:
Sound Blaster
- この記事のURL:
キーワード
(C)2010 Creative Technology Ltd. All rights reserved.