「テイルズウィーバー」2015年夏のアップデートが発表された「ネニャフル学院祭2015」をレポート

　2015年5月23日，ネクソンがサービス中のMMORPG「テイルズウィーバー」のオフラインイベント「ネニャフル学院祭2015」が，東京のビッグサイトTFTホールにて開催された。

　このイベントには，抽選で選ばれた約300名のテイルズウィーバーファンが集い，普段一緒に遊んでいるプレイヤー達が交流を深めたり，また協力してサーバー対抗クイズ大会などを楽しんだりしていた。また，近々実施されるアップデートやコラボレーションタイトルの発表，韓国の開発チームを招いたトークショウなども行われた。本稿では，発表されたアップデートの内容を中心にレポートしていこう。

司会進行を務めたのは，左から声優の磯村知美さん，テイルズウィーバー運営チームの野口大輔氏，声優の村井理沙子さん

新スキルの導入など，キャラクターのバランス調整が実施

「ノーゲーム・ノーライフ」とのタイアップイベントも発表

　オフラインイベント開始早々，テイルズウィーバー運営チームの野口氏より最新情報が公開された。
　最初に発表されたのは，キャラクターのバランス調整についてだ。5月27日より4か月にわたり，各キャラクターのスキルの変更や追加などを行っていくのだという。
　直近となる5月27日に対象となるキャラクターは，ジョシュア，シベリン，ランジエ，ベンヤ，クロエの5人だ。


　シベリンは一部スキルの効果範囲を広げ，狩りの効率アップを目指す。単体攻撃スキルのヒット数もアップし，火力が大幅に向上するとのことだ。
　ベンヤはハンマー系スキルの攻撃属性が魔法攻撃に変更されるほか，スキル攻撃力をほかのキャラクターにあわせて調整。また補助系スキルのクールタイムも減少されるという。
　ジョシュアは強化系スキルの範囲が広がるだけでなく，放出系スキルのモーションを変更し攻撃速度も向上するという。
　ランジエも物理系スキルの効果範囲が拡大。魔法系スキルのモーションの調整も行われ，攻撃速度が上昇する。
　そしてクロエは一部のスキルのヒット数がアップし，ダメージがアップ。さらに多くのプレイヤーから要望があった「マナウォール」のエフェクトの変更が行われ，視認しやすくなるとのことだ。


　続いて2回目以降に調整が行われる対象キャラクターも公開された。
　6月24日に実施される2回目は，イサック，ティチエル，マキシミンの3キャラクターが対象で，主にキャラクターのスキルダメージがアップする調整になるという。野口氏はここでティチエルをピックアップして「神聖系スキルのスキル取得制限を解除します。攻撃スキルを取得していても，神聖系スキルが使えるようになります」と明かした。

　7月22日に行われる3回目のキャラクターは，イソレット，ボリス，ルシアン，イスピンの4人。全体的にスキルの攻撃力やヒット数がアップするうえ，新スキルが追加されるという。ただ，ボリスには新スキルは追加されないようで，開場は少しどよめいていた。野口氏は「今回ボリスにはスキルが追加されなかったが，今後実装する可能性はあります」と付け加えた。そして開発チームより届いたという，新スキルの映像も公開された。

イスピンの新スキル「グランドクロス」は，単一攻撃スキルでヒット数が多く，ボス戦などで活用できると野口氏は話していた

イソレットの新スキル「グロリア」もイスピンの「グランドクロス」と同様に，高火力の単一攻撃スキル。磯村さんや村井さんは，鳥のエフェクトが綺麗と感想を述べていた

最後に公開されたルシアンの新スキル「ヴォーテックス」。ほかの2人と同様の単一攻撃スキルだが，その威力の高さからか会場からは驚きの声が上がった

　これらの新スキルについて野口氏は，今後の調整で変更が入るかもしれないので，詳細については後日の発表を待ってほしいと語っていた。

　そして8月26日に予定されている4回目のバランス調整キャラクターは，アナベル，ナヤトレイ，ミラの3人。全体的にスキルの攻撃力やヒット数がアップする調整になるらしい。アナベルについては，召喚獣にモンスターカードやゲージスキル，アーティファクトの効果が適用さえるように仕様が変更されるという。なお，5月27日より3次スキルは「ゲージスキル」という名称に統一される。
　キャラクターのバランス変更については以上だが，5月27日には対象となったキャラクター限定のイベントが実施されるとのこと。対象のキャラクターを育てているプレイヤーは楽しみに待っていてほしいとのことだ。


　続いて夏の大型アップデート情報が公開された。
　2014年11月に実装されたチャプター4から約半年を経て，エピソード3 チャプター5の実装が決定した。詳しい日取りは後日公開となる予定だ。
　また2015年5月27日にはダンジョン「夜明けの塔」の改善も予定されており，物理型のキャラクターでも挑戦しやすくなる。この調整に合わせて，夜明けの塔のデスペナルティが0になるイベントが予定されているという。同じくダンジョン「精霊の神殿」の拡張も2015年6月24日に実施され，ルミエラとともに戦う「ボス連続討伐ミッション」が追加される予定だ。

プレイヤーから要望の多かった，生産素材の個数調整やTOM出品制限解除などの細かな調整の実施も発表された

　さらに野口氏は，夏の大型アップデート情報として新エリアの開放を行うと発表した。
　スライドを見ながら現在開放されていない3エリアを紹介し，そのなかから「必滅の地」が2015年8月26日に開放されると説明。今回開放されるのは，「必滅の地」の南部にかつて存在した古の国「ガナポリー魔法帝国」の首都である「アルカディア」跡地周辺で，テイルズウィーバー史上，もっとも広大な狩りフィールドになるという。アルカディア周辺は時空が湾曲していて，特定の条件を満たすとワープゾーンが出現し，未知のフィールドへ行けるようになるという。そこに何があるかは，プレイヤー自身で確かめてほしいと野口氏は話していた。


　加えて，「封印された宮殿」と「試験の塔」の2つのダンジョンが実装されるという。
　封印された宮殿は，帝国の魔法使いが禁忌の魔術を研究していたが，異界の魔物に占領され宮殿ごと封印されたという設定だ。最大8人で挑むことができる突破型のダンジョンで，どんどん形態が変化していくボスの弱点を探りながら戦っていく必要がある。


　もう1つの試験の塔は，古代ガナポリーの魔法使いが修練のために建築したといわれる塔で，100層にも及ぶチャレンジ型ダンジョンになっている。各層の守護者を倒すことで先に進めるようになるが，ソロでしか挑戦できないコンテンツだという。どよめくファンから「途中で戻れるのか」という質問に野口氏は「分からないですねぇ」と答えるのみだった。


　このアップデートで実装される武器なども公開された。新実装となるレベル275武器は，アニマシリーズの上位武器で，必滅の地で取得できるアイテムで作成できるようになるという。さらに従来の強化とは別の新たな武器強化システムも実装が予定されている。これまでの強化が無駄にはならず，そこに上乗せされる形になるのだという。強化に成功すると，ダメージの増加とともに武器に派手なエフェクトが付加されるようになる。
　また，最終段階まで強化に成功すると武器が「覚醒」する。覚醒によりどんな効果がもたらされるかは，プレイヤーの目で確認してほしいとのことだ。ちなみに，強化に失敗しても武器は破壊されず，強化値が下がるだけで済むそうだ。


　盛りだくさんな夏の大型アップデート情報の最後に，野口氏から「ノーゲーム・ノーライフ」とのタイアップ情報が発表された。ゲーム内イベントが実施されるほか，ノーゲーム・ノーライフのキャラクターに変化できる変身マントや，タイアップアイテムなどが実装される。このとのタイアップは，6月10日にスタートする予定だ。

イベントI「ラブ・オア・テイルズ」はサーバーのプレイヤー達が力を合わせるイベントになるようだ。イベントIIの「知識比べ」は，テイルズウィーバーには珍しいタイピングシステムを利用するとのこと。イベントIIIの「アノマラド王国じゃんけん大会」は各町にひとりいる代表者を捜し出して，じゃんけん勝負を挑むイベントだ

最後に全体スケジュールを公開した野口氏は，今回発表したアップデートでこのスケジュールに明記されていないものもあるが，この期間のどこかに入りますと説明を付け加えた

テイルズウィーバー開発の裏側が語られたトークセッション

　アップデート情報に続いて，テイルズウィーバーの開発チームを招いてのトークショウが行われた。登壇したのはテイルズウィーバーを開発しているNEXON GTで企画チームリーダーを務めるイ・スンボ氏，サウンド担当のパク・ジフン氏，アートディレクターのキム・セフン氏の3名だ。

左からイ・スンボ氏，パク・ジフン氏，キム・セフン氏

　イ氏はキャラクターやイベント，システムなどの設計を行っている企画のチームリーダーだ。最近のアップデートでは星の戦場「傭兵訓練所」の企画や実装を行っている。野口氏や村井さんが傭兵訓練所のコツをイ氏に尋ねると「敵のキャラの動きを見て，爆弾をどこに置くか予想するのがコツなんですが，私もよく負けてしまいます。逆にコツを教えてほしいぐらいです」と笑いながら答えた。


　サウンドやSEを担当しているパク氏は，「u plus me」の原曲を作曲したことについて「アニメーションの演出に合わせて曲を作るのは大変でしたが，とても良い経験になりました」と苦労話を語っていた。


　デザインやグラフィックスのすべてを管理しているキム氏は，コンテンツに必要なイメージを，完成まで問題なく進行できるように編集，監督しているという。スライドの写真は武器のイメージが合っているかチェックをしているところで，村井さんが「キャラごとに武器が違いますが，何かコンセプトがあるんですか？」と聞くと「武器のアップデートは新規ダンジョンとセットで行われるので，ダンジョンと同じコンセプトでデザインします。代表的なものがシオカンヘイムアップデートで実装されたブリニクル武器ですね」と返答していた。ちなみに，キム氏は古参の開発スタッフで，ゼリッピをデザインしたのもキム氏なのだという。


スタッフの紹介がすんだところで，社会科見学として韓国のNEXON GTがスライドで公開された。

できたばかりの新しいビルで，昨年に引っ越したばかりなのだという。多くのスタッフは電車で最寄りの駅まで来て，このラッピングされたバスで会社まで行くのだとか。もちろん，バスは会社が専用で運用しているものだという

社内には売店どころか美容室もあるらしい。開発が忙しいので，社内で解決できるようにとの配慮なのだそうだ

モンスターや背景グラフィックスの開発風景。テイルズウィーバーでは，モンスターは3Dで作成しているが，背景は3Dで製作した後に2Dにしているのだという

クライアントチームでは，安定性と性能を高めるために2人以上でクロスチェックをしているらしい。サーバーチームも毎週3時間以上コードレビューを行い，技術を高めるていると説明

先ほど発表された「必滅の地」のグラフィックス作業を行っているスタッフ。キム氏が色紙になにか書いている様子が撮られているが……？

おかずが食べ放題の食堂や，リラックスして歓談ができるラウンジ。ゲームや卓球ができるスペースなど，福利厚生施設も充実。しかしパク氏は「おかずは食べ放題なんですが，メイン料理が1つしかないので残念です」と改善要望もポロリ

開発が佳境になると，栄養ドリンクで英気を養ったり，会社に泊まることもあるようだ。シャワー室が完備されていることや前述の売店や食堂，美容室など社内施設が充実していることもあり，「家に帰る必要性を感じない」というスタッフもいるそうだ

　社会科見学を終えたあとは，パク氏の生演奏によるスペシャルライブが行われた。演奏された曲は，このイベント用に3曲をリミックスしたスペシャルメドレーで，約10分の演奏に聞き惚れたファンからは，大きな拍手が送られた。

イベントの第2部では，サーバー対抗クイズ大会が催された。各サーバーの参加者達は，スタッフの考えた難問奇問に四苦八苦

優勝を飾ったのはエルフィンタサーバー。順位によって当たる確率がアップするスロットでも，見事に「あたり」を引き当てていた。観客席で手を挙げているのは，スロットで「はずれ」を引いたゼリアサーバーの皆さん。ある意味で，美味しいポジションと言えるかもしれない

最後は恒例の抽選会。テイルズウィーバーグッズのほか，社会科見学のスライドでチラリと映ったキム氏直筆のイラスト色紙などがプレゼントされた

「テイルズウィーバー」公式サイト