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印刷2006/09/11 17:31

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[AGC 2006#08]MMORPG専用ミドルウェア「BigWorld」は,充実したサポートでシェアを拡大中

 「HeroEngine」「Metaverse」など,MMOゲームの開発に特化したミドルウェアが徐々に増えている。中でもオーストラリアのMicro Forteが開発している「BigWorld Technologies」(以下,BigWorld)は,以前からGDCやE3などに出展されてきたミドルウェアだ。
 BigWorldは当初,Xbox用のMMORPG「Citizen Zero」として開発されてきた(関連記事)。しかし,Xboxのオンライン化が当初予想されていたほどには進まなかったこともあり,その開発計画は頓挫してしまったようだ。同社は,2003年から2004年頃まではPC向けのMMORPGやアクションゲームなどの開発を行い,その後はミドルウェアの開発に活路を見出し,現在に至っている。

 BigWorldは,開発に要するコストや時間を節約するためのミドルウェア・ソリューションの一つで,3Dゲームエンジンを核とする「BigWorld Client」,1台のサーバーで100万人規模のプレイヤーを処理できる「BigWorld Server」,そしてコンテンツ作成ツールで構成されたトータルパッケージとして提供される。コンテンツ作成ツールには,地形やオブジェクトの配置を行う「BigBang World Editor」や,パーティクル効果を編集する「Particle System Editor」が含まれている。
 PCのみならず,Cellサーバーを含むクロスプラットフォーム対応を念頭に置いて開発されているようだ。

 すでに多数のライセンシーを抱えており,「Dark and Light」を開発中のFarlan Entertainmentや,「Stargate Worlds」のCheyenne Mountain Entertainment,そしてタイトルは未発表ながら,FlyOver EntertainmentやSecret Lair Studiosなど,MMORPG業界では名の知れた開発者達が設立した新興会社などが名を連ねている。

 アジア圏でも採用例が多い点はBigWorldの強みといえる。例えば,NetEaseの「Tien Xia 2」(原題 天下2)や,TianCheng Interactiveの新作「TianCheng MMOG」(仮称)はBigWorldをベースとするMMORPGで,画面写真を見る限りでは,中国産MMORPGの中で抜きん出た印象を持った。そのほかに,非公開のライセンシーなどを含めると,10種以上のプロジェクトが進行中とのことだ。

(写真・左)「Dark and Light」,(写真・右)「TianCheng MMOG」(仮称)


 英語を苦手とする人が比較的多いマーケットでも着実に採用実績が増えているのは,サポート体制が充実しているためだという。Micro Forte本社で養成した中国人技術者をライセンシーに派遣し,現地のスタッフを対象とする講習会などを開くこともあるのだとか。
 日本語を話せるスタッフもいるとのことで,おそらく将来的な日本市場への進出を見越し,コンシューマ機への対応を進めているのであろう。(ライター:奥谷海人)

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