［GC 2006＃07］期待の骨太RPG「Neverwinter Nights 2」はどう進化した？

　2002年に発売され，数々の賞を獲得したRPG「Neverwinter Nights」（以下，NWN）。その続編「Neverwinter Nights 2」が，GC 2006のATARIブースでプレイアブル出展されていた。
　NWNは，テーブルトークRPG「Dungeons & Dragons」の世界をBiowareがゲーム化したタイトルだったが，新作Neverwinter Nights 2は，Obsidian Softwareによって開発が進められている。開発をしている会社が異なっている（まぁ開発者は一部共通しているが）以上，NWNらしさがどの程度残っているかが気になる人もいるだろう。ここでは，前作との違いにスポットを当て紹介しよう。

　まず，ベースとなるルールが，D&Dの第3版から3.5版へと変更され，舞台がFaerunとなっている。これに伴いFaerun生まれという設定の種族 Planetouchedが使用できるようになっていた。
　Planetouchedは，さらにAasimarとTieflingというサブレイスに分かれている。Aasimarは天使と人間の間に生まれた種族という設定。基本的に善の種族で，パラディンになることが多い。一方Tieflingは人間と魔族との間に生まれた種族で，頭に小さな角が生えているという外見的な特徴がある。

　キャラクターが信仰している神を設定できるようになったのも，大きな変更点の一つといえるだろう。開発中のため選択可能な神の数は決まっていないということだったが，今回展示されていたバージョンでは31種類用意されていた。
　さらに，キャラクターのバックグラウンドも設定できるようになっていた。“トラブルメーカー”など現段階で8種類選択でき，バックグラウンドによってキャラクターの初期能力値が変動するようになっている。また，設定しないという選択肢も用意されており，そのあたりはプレイヤーに任せられているといった感じだ。

丁寧に説明をしてくれたAtariのBenedikt Leurs氏

　前作で傭兵は一人しか雇えなかったが，本作では最大で3人雇えるようになっている。また，直接傭兵を動かすことも可能だ。前作では傭兵におおまかな行動を指示することができたが，完全にはコントロールできなかったので，今作でプレイヤーは，より戦術的に戦闘を進められるようになったといえる。
　筆者も実際にプレイしてみたが，プレイヤーが考えるべき幅が確実に広がっている分，戦闘中の操作が忙しく感じた。とはいえ，戦闘の状況に合わせ行動を直接指示できるので，「なんで回復してくれないの！」などいうことがなく，変なイライラを感じなくて済むので気持ち良い。もっとも，まったくの初心者はある程度AIに任せたいだろうから，上級者向きの変更といえるかもしれない。

　NWNといえば，そのストーリーの奥深さもウリの一つだった。その伝統はNeverwinter Nights 2にも受け継がれ，さらに進化している。単純にストーリーのボリュームが増えたということもあるが，さらに，プレイヤーの行動によって仲間になるNPCが変化するといった要素が加えられている。ストーリーのベースはぶれないが，細かい部分で展開が変わるので，2度目，3度目のプレイも楽しめそうだ。



　前作でもそうだったように，本作でも序盤はチュートリアルを兼ねたストーリー展開になっており，操作方法などの基本を学びながらゲームを進められる。全体的に上級者向けになった印象が強いが，初心者救済処置も取られているようだ。
　前作と本作の間で，ストーリー的なつながりはないので，前作を未プレイの人でも問題なく楽しめる。本格的な骨太RPGを求めている人は，NWNのプレイ経験に関係なく注目しておいて損はないだろう。

　ちなみに資料には，欧州での発売日が10月19日と記載されていたが，ブース担当者のBenedikt Leurs氏は「あくまでも目標だ」と強調し，発売は2006年の秋だと言っていた。以前は9月に発売されると発表されており，その後10月へ延期された経緯があるだけに，これ以上の延期は避けてもらいたいところ。資料に記載されているように，10月中に発売されるといいのだが。（noguchi）