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[E3 2005#111]本格派都市建設シミュレーション「Heart of Empire:Rome」
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印刷2005/05/23 16:08

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[E3 2005#111]本格派都市建設シミュレーション「Heart of Empire:Rome」

 「Heart of Empire:Rome」は,今年のE3ではこれが唯一と言って良いほど,非常に珍しい存在となった都市建設シミュレーションゲームだ。決して大きく展示されていたわけではなく,むしろDeep Silver社のブース脇にひっそりと公開されていただけだったが,このジャンルのファンにとっては,数少ない希望の星と言えるだろう。
 このゲームを開発するDeep Red社は,1998年に設立して,「Monopoly Tycoon」「Risk II」「Vegas! Make it Big」などそれなりに知名度のあるソフトを輩出している。現在は,本作だけではなく,Atari社ブースに展示されていたシミュレーションゲーム「Tycoon City:New York」も制作中の,元気な開発チームである。

 Heart of Empire:Romeでプレイヤーは,ローマ帝国の都市を建設する14種類のミッションをこなしていく。完全3Dのグラフィックスながらも,昔の"シーザーシリーズ"に非常に似たゲーム性となっている。
 小さな町から始まり,ミッションを成功させることで,よりローマを大きくするための都市建設や管理を任されるようになり,終盤にはNPC人口が10万人という巨大都市を作り出すのである。こうしてプレイヤーはセネターや市民からの信頼を得て,果てはローマの帝王に選ばれることになるという。



 ローマばかりを再建するのは妙な話にも聞こえるが,実際には帝国の歴史の中で7度も都市全体に被害を及ぼす大火事に見舞われているらしい。デモではちょうどゲーム中に起こり得る災害の一つ,火事のシミュレーションをしており,消防署員達はバケツリレーで対抗するのではなく,周囲の建物を破壊して火の拡散を防いでいた。ローマでは,これが一般的な火事への対処法だったのだそうだ。
 もちろん,都市建設シミュレーションだけに,プレイヤーはこのほかさまざまなリソースを使って,市民を不満の少ない状態にしておく必要がある。住居や水道施設を建設し,さまざまな食料を運び入れて市場を活性化させ,教育機関から宗教施設,余興のためのシアターや格闘場なども設置していく。施設の種類だけでも100種はあるというから,一つ一つの施設の効果を調べながらプレイするだけで,十分に楽しめるだろう。

 Heart of Empire:Romeのグラフィックスは,完全3Dで美しく,建物にズームアップすると特定のパーツが動いているなど,そのディテールは凄まじいものがある。町中を動き回っている市民の背後にカメラを寄せ,自分の作った都市で彼らの日常生活を見て回るのも楽しいはずだ。庶民や貴族,奴隷などそれぞれ風貌が違うし,近距離では市民の会話や物売りの掛け声も聞こえてくるほどで,生き生きした古代都市の生活が伝わってくるのが面白い。



 Heart of Empire:Romeのリリースは,年内が予定されている。なんにせよ,Deep Silver社が用意していた画面素材は,NPC達が映っていないプレα版の写真ばかりなのが実に残念だ。(奥谷海人)

  • 関連タイトル:

    Heart of Empire: Rome

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