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GeForce Driverの大規模アップデート「Release 256」世代が開幕。第1弾は「257.15 Beta」
北米時間2010年5月24日,NVIDIAは,「GeForce Driver」の大規模アップデートとなるRelease 256世代の第1弾,「GeForce/ION Driver 257.15 Beta」および「Verde Notebook Driver 257.15 Beta」をリリースした。
対応製品は,デスクトップPC向けとなるGeForce/ION Driver 257.15 BetaがGeForce 6以降のGPUとデスクトップPC向けグラフィックス機能統合型チップセット,IONプラットフォーム。ノートPC向けのVerde Notebook Driver 257.15 Betaが,GeForce 8M以降のGeForceと,DirectX 10以降に対応したQuadro NVSおよびQuadro FX,IONプラットフォームとなる。
24日にリリースされたのが予告どおりなら,デスクトップPC向けとノートPC向けが同時公開になったのも予告どおりとなるわけだが,NVIDIAによれば,WHQL認証済みバージョンは,6月初旬のリリースが予定されているとのこと。
Release 256のバージョンナンバーが257.15から始まったのは,いろいろ細かくアップデートする必要があったのだろうといったところだが,“Release 257”ではないのかという点については,「256.xx〜259.xxがRelease 256世代であり,先に言及したとおり,来月に予定されているRelease 256世代のアップデートで,3D Vision Surroundをサポートする」との見解が示されている。
すぐに入手したい人は,下に示したリンクをどうぞ。
→Windows XP用GeForce/ION Driver 257.15 Beta(113MB)
→32bit版Windows Vista&7用GeForce/ION Driver 257.15 Beta(122MB)
→64bit版Windows Vista&7用GeForce/ION Driver 257.15 Beta(151MB)
→32bit版Windows Vista&7用Verde Notebook Driver 257.15 Beta(112MB)
→64bit版Windows Vista&7用Verde Notebook Driver 257.15 Beta(143MB)
※25日13:30追記
リンクを更新しました。リリースノートの内容などは,追って更新予定です。また,日本時間25日13:30時点でVerde Notebook DriverのWindows XP用は公開されていません。公開されるかどうか問い合わせ中です。
※25日17:15追記
リリースノートの和訳も含め,本文をアップデートしました。
※25日12:45追記
今回のリリースに,Windows XP用のVerde Notebook Driverが含まれないことを,NVIDIAに確認が取れました。Windows Vista&7用は,Release 256以降,デスクトップPC向けと同じタイミングでリリースされる一方,Windows XP用は,従来同様,四半期に一度というリリースタイミングで今後もリリースされるとのことです。
このほかにも,Windows Vista&7環境におけるBlu-ray 3Dの新規サポートやGeForce DriverとVerde Notebook Driverでアップデート内容が(これも予告どおりだが)共通化されるなど,見所は多い。本稿の最後に,新要素やバグフィックス内容の和訳をまとめてみたので,興味のある人はぜひチェックしてもらえれば幸いだ。
なお,統合されているHD Audioドライバは1.0.9.1で,これはRelease 197世代と同じ。大規模アップデートを果たした最初のβ版ということで,思いがけない不具合に当たる可能性があることと,6月初旬にもWHQL版のリリースが予定されていることも踏まえるに,対象となるユーザーすべてに勧められるというバージョンではない。ただ,いろいろとアップデートが入っているのも間違いないので,その内容に気になる部分があるなら,自己責任で試してみるのも悪くはないだろう。
●GeForce/ION Driver 257.15 Betaにおける新要素
- Blu-ray 3Dの新規サポート【Windows Vista&7のみ】
- 「PhysX System Software」バージョン9.10.0222の統合
- GeForce GTX 400シリーズにおけるOpenGL 4.0サポートの追加
- CUDA Toolkit 3.1サポートの追加
- 3-way SLI構成のPCに向けたSLI AAの最大設定値引き上げ。GeForce 200シリーズ搭載時に最大でSLI 48x AA,GeForce GTX 400シリーズ搭載時に最大でSLI 96x AAをサポート【Windows Vista&7のみ】
- NVIDIAコントロールパネルのアンビエントオクルージョン関連メニューに,「Quality」モードを追加【Windows Vista&7のみ】
- NVIDIAコントロールパネルの「Adjust Desktop Color Settings」(デスクトップカラー設定の調整)ページを拡張
・ガンマ調整スライダーの適用範囲を,従来の0.5〜1.5から0.3〜2.8に広げた(※ただし,実際の設定できる範囲は,明るさやコントラスト設定状況に左右される) - NVIDIAコントロールパネルにSLI,PhysX,CUDA用の新しい設定メニューを追加
・SLI動作モードの選択肢を,実際のユースケースを想定したものに変更
・SLIおよびPhysX動作状況を視覚的に拡大できるビジュアルダイアグラムを採用
・SLI構成されているGPUをPhysXアクセラレータとして利用する機能追加(※ということだと思われる。原文は「Added the ability to dedicate a GPU for PhysX.」)
・SLIフォーカスディスプレイが「Set Up Multiple Display」メニューからプライマリディスプレイとして見えるよう修正 - NVIDIAコントロールパネルの「Manage 3D Settings」(3D設定の管理)内選択項目の整理
- NVIDIAコントロールパネルに「Deep color for 3D applications」メニューを追加
・OpenGLアプリケーションで,Windowsデスクトップよりも多くの色数を表現できるようになる(※対応ディスプレイが必須)
●GeForce/ION Driver 257.15 Betaにおけるパフォーマンス向上(Windows Vista&7)
(※対象はGeForce GTX 400シリーズ。リリースハイライトによれば,下記の値は「GeForce GTX 480搭載環境で計測した,とくに効果の大きな例」とのこと)
- 「Aliens vs. Predator」で,1920×1200ドット,アンチエイリアシング(以下,AA),異方性フィルタリング(以下,AF)とも無効,テッセレーション有効時に最大14%
- 「Batman: Arkham Asylum」で,1920×1200ドット,4x AA&16x AF有効,PhysXアクセラレーション設定「High」時に最大4%
- 「Battleforge」で,1920×1200ドット,4x AA&16x AF有効,ゲーム内設定「Very High」時に最大5%
- 「Call of Duty: Modern Warfare 2」で,1920×1200ドット,4x AA&16x AF有効時に最大5%
- 「Crysis Warhead」で,1920×1200ドット,4x AA&16x AF有効,「Enthusiast」設定選択時に最大4%
- 「Enemy Territory: Quake Wars」で,1920×1200ドット,AA&AF無効時に最大24%
- 「Far Cry 2」で,2560×1600ドット,8x AA&16x AF有効時に最大9%
- 「Just Cause 2」で,2560×1600ドット,AA&AF無効時に「Concrete Jungle」(※ベンチマークモードを指すと思われる)で最大25%
- 「Metro 2033」で,1920×1200ドット,AA無効かつ16x AF有効,テッセレーション有効時に最大7%。また,SLI環境では,1920×1200ドット,4x AA&16x AF,テッセレーション有効時に最大40%
- 「S.T.A.L.K.E.R.: Call of Pripyat」で,1920×1200ドット,AA&AF無効時に「Day」(※ベンチマークモードの「Day」シークエンスを指すと思われる)で最大8%
- 「Stone Giant」で,SLI環境の2560×1600ドット,テッセレーション&Depth of Field有効時に最大110%
- 「The Chronicles of Riddick: Assault on Dark Athena」で,2560×1600ドット,AA&AF無効時に最大6%
- OpenGLモードにて実行した「Tropics Benchmark」で,2560×1600ドット,AA&AF無効時に最大9%
- 「3DMark Vantage」の「Performance」および「Extreme」プリセットで最大5%
- Transparency AA適用時に最大19%(※19%というスコアは,「Crysis」の1920×1200ドット,4x Transparency AA適用時に計測したものとのこと)
●Verde Notebook Driver 257.15 Betaにおける新要素(Windows Vista&7)
- Optimusテクノロジ対応ノートPCのサポート追加
- Blu-ray 3Dの新規サポート
- 「PhysX System Software」バージョン9.10.0222の統合
- GeForce GTX 400シリーズにおけるOpenGL 4.0サポートの追加
- CUDA Toolkit 3.1サポートの追加
- NVIDIAコントロールパネルにSLI,PhysX,CUDA用の新しい設定メニューを追加
●GeForce/ION Driver 257.15 Betaで解決した問題(Windows XP)
- GeForce GTX 400シリーズ搭載環境で,NVIDIAコントロールパネルからアンチエイリアシングを強制的に有効化しつつ「StarCraft II: Wings of Liberty」を実行すると,ゲームのマップを呼び出したあとでブルースクリーンになってクラッシュする問題
- GeForce 200シリーズ搭載環境で,オーバークロック設定を行っていると,「System Information」(システム情報)を開いたときに,NVIDIAコントロールパネルがクラッシュする問題
●GeForce/ION Driver&Verde Notebook Driver 257.15 Betaで解決した問題(32bit版Windows Vista&7)
- Windows 7環境で3D Vision Driverをセットアップするとき,画面にWindows Vistaと表示される問題
- 「Gothic」「Gothic II」を実行すると,画面表示がおかしくなったり,ゲームがクラッシュしたりする問題
- NVIDIAコントロールパネルからアンチエイリアシングの設定を「Enhanced」もしくは「Override」に設定すると,「Half-Life 2: Episode Two」で画面が異常に暗くなる問題
- GeForce GTX 400シリーズ搭載環境で「Aliens vs. Predator」を実行し,ウインドウモードへ切り替えてからフルスクリーンモードへ戻ると,フレームレートが時折4fpsにまで低下する問題
- Samsung製ディスプレイ「2233RZ」を接続すると,「Flat Panel Scaling」のオプションが表示されない問題
- GeForce G 102M搭載環境で,ノートPCのスリープ/休止状態トリガとしてディスプレイの開閉を割り当てていると,復帰後,間欠的にディスプレイへ何も表示されなくなる問題
- GeForce 9800 GX2搭載環境で,「Sid Meier's Railroads!」を実行し,ゲーム中にゲーム側オプションからアンチエイリアシングの設定を変更すると,(ゲーム内で)レーダーの表示がおかしくなる問題
- GeForce 9800 GTXを,高解像度テレビ+DVIディスプレイという構成で接続していると,576iおよび480i出力設定を行えない問題
- GeForce 8800シリーズのGPUをDVIディスプレイと接続していると,デフォルトのカスタム解像度を作成できない問題
- GeForce 8Mシリーズ搭載環境で,デスクトップ解像度を「HD signal format」に設定できない問題(※「HD signal format」が何を指すのかは不明。文意から察するに1280×720&1920×1080ドットのことではないかと思われるが……。原文は「GeForce 8M Series: The desktop cannot be resized for HD signal format.」)
- nForce 980a&780aマザーボード上でGeForce GTX 280の3-way SLIを構成すると,ディスプレイを回転させたときにブルースクリーンが発生してクラッシュする問題
- GeForce 9400M搭載システムでHybrid SLIを構成しているとき,「Hybrid Save power」モードに切り替えてすぐにスリープ/休止状態に入ると,高解像度テレビの解像度設定内容が保持されない問題
- GeForce 7600 GSのSLI構成時に,「BioShock」を実行すると,オープニングビデオシーンに横縞が入る問題
●GeForce/ION&Verde Notebook Driver 257.15 Betaで解決した問題(64bit版Windows Vista&7)
- GeForce 400シリーズ搭載環境で,1920×1080ドットあるいは1280×730ドットのディスプレイを2台接続してDualViewもしくはクローンモード表示を行うと,プライマリディスプレイを切り替えられない問題(※「730ドット」というのは720ドットのタイプミスだと思われるが,詳細は不明。原文は「GeForce 400 Series: With Dualview or Clone mode enabled and the display Resolution set to 1920x1080 or 1280x730, the primary display cannot be switched.」)
- GeForce 200シリーズ搭載環境で,NVIDIAコントロールパネルからアンチエイリアシングを有効化すると,「BioShock 2」で水の表示がおかしくなる問題
- GeForce 200シリーズ搭載環境で,グラフィックスドライバのインストール後,NVIDIAコントロールパネルの「Adjust Image Settings with Preview」ページを開くと,アニメーションするNVIDIAロゴが表示されず,別のページへ移ろうとすると画面がちらつき,かつAeroが有効にならない問題(※ドライバのインストール後,再起動すれば問題ないとされている)
- GeForce 200シリーズ搭載環境で,NVIDIAコントロールパネルの「Manage Custom Resolutions」ページからカスタム解像度設定値を入力しても,設定値が有効にならない問題
- GeForce GTX 295と2台のディスプレイを接続し,DualViewもしくはクローンモードで運用していると,「Adjust Desktop Color Settings」ページにおけるセカンダリディスプレイの設定値が「0%」になる問題
- GeForce GT 230搭載環境で,デスクトップテーマを「Windows Basic」に変更すると,システムパフォーマンスが低下する問題
- GeForce 9800 GTXを,高解像度テレビ+DVIディスプレイという構成で接続していると,576iおよび480i出力設定を行えない問題
- GeForce 8800 GT/GTXをDVIディスプレイと接続していると,デフォルトのカスタム解像度を作成できない問題
- GPUを問わないSLI構成時に,DVI−HDMI変換を介して1080pあるいは720p接続を行うと,色深度が8bpp(※256色)になる問題
- GeForce 400シリーズのSLI構成時に,「Heaven Benchmark 2.0」を2560×1600ドットで実行すると,画面に何も表示されなくなって,システムがハングアップする問題
- GeForce 400シリーズのSLI構成時に,1920×1080あるいは1280×720ドット解像度のディスプレイ2台と接続していると,SLI動作が有効になったとき,シングルディスプレイ動作になる問題
- GeForce GTX 200シリーズ,もしくはGeForce 9600 GSのSLI構成時に,DualViewモードでマルチディスプレイ接続していると,SLIフォーカスディスプレイを変更できない問題
- GeForce 8シリーズのSLI構成時に,SLIインジケータを可視化した状態で「Napoleon: Total War」を実行すると,SLI AAの設定内容が正しく表示されない問題
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GeForce Driver
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