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「GeForce 471.11 Driver」がリリース。「F1 2021」への対応とGeForce Experienceの機能強化がポイント
Release 470世代のWHQL(Windows Hardware Quality Labs,ウィクル)通過版となるGeForce 471.11 Driverでは,最新タイトルへの対応のほか,GeForce Experienceの機能強化を実装したのが特徴だ。
対応する最新タイトルとして挙げられているのは,7月16日発売予定のレースゲーム「F1 2021」である。性能向上に関する記述はないので,NVIDIAが動作を確認しているという理解でいいだろう。
そのほかに,パズルゲーム「LEGO Builder's Journey」のPC版への対応も謳われている。同作のPC版は,レイトレーシングとAIを用いた超解像&アンチエイリアシング技術「DLSS」(Deep Learning Super Sampling)に対応しており,GeForce RTXシリーズで美しいグラフィックスが楽しめるそうだ。
また,「DOOM Eternal」が,6月29日に配信予定のアップデートでレイトレーシングとDLSSに対応することをうけて,GeForce 471.11 Driverで対応したそうだ。
そのほかに,「Escape From Tarkov」がアップデートによってNVIDIA独自の遅延低減技術「NVIDIA Reflex」に対応するとのこと。NVIDIAによると,最大38%の遅延低減が得られるとのことだ。
ゲームへの対応以外に,GeForce 471.11 DriverではGeForce Experienceに含まれる機能のいくつかが強化された。その中でも目玉は,Ansel対応タイトルに限定されていたHDR映像のスクリーンショットを,GeForce Experienceが対応する1000タイトル以上に拡大したというものだ。プレイ中,[Alt]+[F1]を押すとJXR形式で保存され,この形式のファイルはMicrosoft Storeの「HDR + WCG Image Viewer」でプレビューできるそうである。
GeForce Experienceではほかにも,以下の機能が強化された。
- リアルタイムポストエフェクト機能「FreeStyle」に,Depth(深度)の情報を使うことで画質が向上した「Sharpen Filter」を追加
- 一部のユーザーから不具合が報告されていた「FPS Counter」の修正
- 1クリックGPUチューニングにステータスメッセージを追加
それ以外に少し興味深いものとして,Linux上でWindowsのゲームがプレイできる「Proton」において,Windows向けVulkan API対応タイトルでDLSSが利用できるようになったことが挙げられる。
Protonは,オープンソースのWindowsエミュレータ「Wine」をベースに,Valveが開発しているソフトウェアで,現時点で15000タイトルほどのWindowsゲームがプレイできるそうだ。ProtonでDLSSが利用できるタイトルは「DOOM Eternal」「No Man’s Sky」「Wolfenstein: Youngblood」だそうだが,これらでDLSSを利用するには,Linux版Steamの設定で「Experimental」(実験的)を有効化する必要があるとのこと。
さらにNVIDIAは,今秋にはDirectXのタイトルに関しても,ProtonでDLSSが利用できるようにするという。Windowsしか利用していないほとんどのゲーマーにはあまり関係のない話ではあるが,Linux上でSteamを利用してゲームを楽しんでいるゲーマーはチェックしてみるといいのではなかろうか。
これまでのバージョンと同様に,GeForce 471.11 DriverのStandard版は,NVIDIA公式ダウンロードページの「ベータドライバ&過去のドライバ」から検索する必要がある。ドライバのアップデートが自己責任となる点は理解してもらったうえで,すぐにでも入手したい人は,以下に示したリンクかGeForce Experienceを利用してほしい。
→64bit版Windows 10用GeForce 471.11 Driver(720MB,DCH)
https://www.nvidia.co.jp/Download/driverResults.aspx/176638/jp
→64bit版Windows 10用GeForce 471.11 Driver(699.55MB,Standard)
https://www.nvidia.co.jp/download/driverResults.aspx/176602/jp
→ノートPC向けの64bit版Windows 10用GeForce 471.11 Driver(720MB,DCH)
https://www.nvidia.co.jp/Download/driverResults.aspx/176656/jp
→ノートPC向けの64bit版Windows 10用GeForce 471.11 Driver(699.55MB,Standard)
https://www.nvidia.co.jp/download/driverResults.aspx/176620/jp
→GeForce RTX 30/20シリーズ,およびGTX 16シリーズ向け64bit版Windows 7用GeForce 471.11 Driver(605.71MB)
https://www.nvidia.co.jp/Download/driverResults.aspx/176530/jp
→GeForce GTXシリーズ向け64bit版Windows 8.x・7用GeForce 471.11 Driver(605.71MB)
https://www.nvidia.co.jp/Download/driverResults.aspx/176566/jp
→ノートPC向けの64bit版Windows 8.x・7用GeForce 471.11 Driver(605.71MB)
https://www.nvidia.co.jp/Download/driverResults.aspx/176584/jp
→4Gamerの最新ドライバリンクページ
https://www.4gamer.net/games/999/G999902/FC20110422001/
●GeForce 471.11 Driverの対応製品
- デスクトップPC向けGeForce RTX 30シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce RTX 20シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GTX 16シリーズ
- NVIDIA TITAN RTX
- NVIDIA TITAN V
- NVIDIA TITAN X,Zシリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GTX 10シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GTX TITANシリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GTX 900〜600シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GT 600シリーズ
- ノートPC向けGeForce RTX 30シリーズ(※Windows 10のみ)
- ノートPC向けGeForce RTX 20シリーズ(※Windows 10のみ)
- ノートPC向けGeForce GTX 16シリーズ
- ノートPC向けGeForce GTX 10シリーズ
- ノートPC向けGeForce 900M〜800Mシリーズ
- ノートPC向けGeForce MX 400シリーズ(※Windows 10のみ)
- ノートPC向けGeForce MX 300シリーズ(※Windows 10のみ)
- ノートPC向けGeForce MX 200〜110シリーズ
- マイニング向けCMP 40HX/30HX
●GeForce 471.11 Driverが統合するソフト(比較対象はGeForce 466.77 Driver)
- GeForce Experience:3.23.0.74(←3.22.0.32)
- HD Audio Driver:1.3.38.60
- PhysX System Software:9.19.0218
- Vulkan RT:記載なし
- NVIDIA RTX Desktop Manager:201.94(←201.66)
- CUDA:11.4(←11.3)
- NVIDIA Control Panel(DCH):8.1.961.0
- NVIDIA Control Panel(Standard):記載なし
●GeForce 471.11 Driverにおけるゲームへの最適化
- 記載なし
●GeForce 471.11 Driverの新要素
- 「F1 2021」「LEGO Builder's Journey」に対応
- 「DOOM Eternal」「Escape From Tarkov」のアップデートに対応
- GeForce Experienceの機能を強化(上記参照)
- GeForce Experienceの最適化に4タイトルを追加
- G-SYNC Compatible Displaysに4機種を追加(詳細は公式ページを参照)
- Linux上のProtonにおいてVulkanを用いるタイトルのDLSSに対応
- CUDA 11.4に対応
●GeForce 471.11 Driverで解決した問題
- 「World of Warcraft: Shadowlands」における特定の場所で,画面にランダムなちらつきが生じることのあった問題
- GeForce GTX 980Mを搭載するPCで,Windows起動時に黒い画面で固まることのあった問題(※GeForce 457.51 Driverでは報告されていない)
- GeForce RTX 3090において「NVIDIA Surround」有効化時にベゼル補正を無効にすると,同機能が無効になることのあった問題
- 「Crossfire」のアップデート後に,FreeStyleが機能しないことのあった問題
- 一部のHDMI接続ディスプレイでHDRモードがちらつくことのあった問題
- GPUモニタリングツールをバックグラウンドで実行した状態でSteam VRタイトルを起動すると,カクつきや遅延が生じることのあった問題
- Ampere世代のGPUにおいてHDRを有効化した状態で「Freestyle」の「Sharpen filter」を使用すると,ゲームの表示色が破綻することのあった問題
- HDMI 2.1の可変リフレッシュレート(Adaptive Sync)に対応するディスプレイをマルチディスプレイで接続しているとき,それぞれのディスプレイでディスプレイ設定を共有した状態でゲームを起動すると,画面が点滅したりディスプレイ信号が失われることのあった問題
- 拡張ディスプレイがHDMI 2.1で接続された状態で電源がオフになっていると,DisplayPortに接続したディスプレイがスリープから復帰しないことのあった問題
●GeForce 471.11 Driverにおける既知の不具合
- 「Batman Arkham Knight」で「turbulence smoke」を有効化すると,ゲームがクラッシュすることがある
- YouTubeで動画再生中に下方向へスクロールすると,再生がカクつくことがある
- カラーモードを8bitに設定すると10bit設定時に比べてDPCレイテンシ※が増大することがある(※DPCはDeferred Procedure Callの略でWindowsにおける割り込み処理の遅延び出しのこと。この遅延が大きくなりすぎるとカクつくなどの症状が出る可能性がある)
- 関連タイトル:
GeForce Driver
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