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動画向けAI超解像機能「RTX VSR」を実装した「GeForce 531.18 Driver」が登場
RTX VSRとは,AI処理を用いて動画に対してDLSS的な超解像処理を行う機能だ(関連記事)。
RTX VSRで動画の超解像処理が可能なのは,「Google Chrome」と「Microsoft Edge」での動画再生だ。RTX VSRを利用するには,これらのWebブラウザの最新版が必要であるという。
NVIDIAがRTX VSRで使用しているAI処理は,ゲームからライブ映像まで多彩な映像を学習しているとのこと。それにより,さまざまなジャンルの動画に対して,超解像処理が行えるという。一般的な超解像技術に比べてボケ感が改善され,また超解像処理にともなう映像のジャギーやゴミ(アーティファクト)を減らしていると,NVIDIAはアピールしている。
GeForce RTX 40シリーズおよび30シリーズならば,すべてのGPUでレベル1の超解像処理が快適に行えるとのこと。また,GeForce RTX 4070/3070以上のGPUなら,ほとんどのコンテンツでレベル4を利用できると,NVIDIAは述べている。レベル4は相応に処理が重いのだろう。
なお,GeForce RTX 20シリーズには言及がなく,手元にGPUがないため対応できるかどうかも未確認だ。
一方,ゲームへの対応であるが,GeForce 531.18 Driverは,RPG要素もあるFPS「Atomic Heart」と,3月7日にクローズドβテストがスタートする新作チーム戦FPS「THE FINALS」のβ版に対応した。
NVIDIAによると,Atomic Heartは,GeForce RTX 40世代で利用できる超解像技術「DLSS 3」に対応しているそうだ。DLSS 3を利用することで,GeForce RTX 4090なら4K解像度において90%,GeForce RTX 4080なら80%,GeForce RTX 4070 Tiのユーザーは2560×1440ドットにおいて60%ものフレームレート向上が得られるという。
一方のTHE FINALSは,DLSSやNVIDIA独自の内部遅延低減技術「Reflex」,GeForce RTXシリーズのレイトレーシングアクセラレータを用いた大域照明技術「RTXGI」に対応しているという。GeForce RTXユーザーは,ほかのGPUに比べて大幅に画質を向上できると,NVIDIAは強調している。
そのほかにもGeForce 531.18 Driverでは,Adobe製ソフトウェアでの不具合修正が行われている。ドライバのアップデートが自己責任となる点は理解してもらったうえで,すぐにでも入手したい人は,以下に示したリンクかGeForce Experienceを利用してほしい。
→Windows 11・64bit版Windows 10用GeForce 531.18 Driver(855.68MB)
https://www.nvidia.co.jp/download/driverResults.aspx/199993/jp
→ノートPC向けのWindows 11・64bit版Windows 10用GeForce 531.18 Driver(855.68MB)
https://www.nvidia.co.jp/download/driverResults.aspx/200025/jp
●GeForce 531.18 Driverの対応製品
- デスクトップPC向けGeForce RTX 40シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce RTX 30シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce RTX 20シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GTX 16シリーズ
- NVIDIA TITAN RTX
- NVIDIA TITAN V
- NVIDIA TITAN Xp
- NVIDIA TITAN Xシリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GTX 10シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GTX TITAN X
- デスクトップPC向けGeForce GTX 900〜700シリーズ
- ノートPC向けGeForce RTX 40シリーズ
- ノートPC向けGeForce RTX 30シリーズ
- ノートPC向けGeForce RTX 20シリーズ
- ノートPC向けGeForce GTX 16シリーズ
- ノートPC向けGeForce GTX 10シリーズ
- ノートPC向けGeForce 900M〜800Mシリーズ
- ノートPC向けGeForce MX 500シリーズ
- ノートPC向けGeForce MX 400シリーズ
- ノートPC向けGeForce MX 300シリーズ
- ノートPC向けGeForce MX 200〜110シリーズ
●GeForce 531.18 Driverが統合するソフト(※比較対象はGeForce 528.49 Driver)
- GeForce Experience:3.27.0.112(←3.26.0.160)
- HD Audio Driver:1.3.40.14(←1.3.39.16)
- PhysX System Software:9.21.0713
- NVIDIA RTX Desktop Manager:記載なし
- CUDA:12.1(←12.0)
- NVIDIA Control Panel(DCH):8.1.963.0
●GeForce 531.18 Driverの新要素
- 「Atomic Heart」「THE FINALS(クローズドベータ版)」に対応
- RTX VSRを実装
- GeForce Experienceの最適化に7タイトルを追加
- CUDA 12.1に対応
●GeForce 531.18 Driverで解決した問題
- Steam版「Forza Horizon 4」を15〜30分ほどプレイすると,ゲームが固まることのあった問題
- 「Call of Duty: Modern Warfare 2」がときどき不安定になることのあった問題
- 「Dead Space」で無効化されていたResizable BARのプロファイルを有効化
- Adobe製映像編集ソフト「After Effects」,および「Media Encoder」において,ProRes RAW形式のファイル利用時に生じていた問題
- Adobe製動画編集ソフト「Premiere Pro」が不安定になることのあった問題
●GeForce 531.18 Driverにおける既知の不具合
- ディスプレイのネイティブではない解像度でゲームをプレイしているとき,ゲーム内でHDR設定を切り替えると,ゲームが不安定になることがある
- DSRやDLDSRを有効化していると,ディスプレイがスリープから復帰したときに画面が一時的にちらつくことがある
- 「Halo Wars 2」において,ゲーム内にある木の葉が普通より大きくなり,また常にちらつくことがある
- GeForce RTX 4090を使用して「Watch Dogs 2」をプレイ中に空を見上げると,表示が点滅することがある
- Windowsにおけるシステム遅延計測ツール「LatencyMon」で,DPC Latencyが増加しているようにみえることがある。DPCとは,Deferred Procedure Callの略で,Windowsにおけるタスクと割り込み処理の優先度を調整する仕組みのひとつ。DPCの遅延が大きくなると,リアルタイム処理に支障をきたして,たとえば音が途切れたり,フレームがカクついたりという問題が起きる
- 関連タイトル:
GeForce Driver
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