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AMD,「Catalyst 13.4」WHQLドライバと「Catalyst 13.5 Beta2」ドライバを同時公開。性能面の最適化が進む
1月中旬の「Catalyst 13.1」以来のWHQL版ドライバとなるCatalyst 13.4は,北米時間1月29日に発表された「Catalyst 13.2 Beta3」から,同3月20日の「Catalyst 13.3 Beta3」までのアップデートをすべて含み,追加の最適化や修正,そして「Radeon HD 7790」と「Radeon HD 7990」の新規対応を図ってきたリリースだ。一言でまとめるなら「“Catalyst 13.3 Beta+”のWHQL版」といったところか。
一方のCatalyst 13.5 Beta2は,Catalyst 13.3 Beta3の公開後にリリースされたRadeon HD 7790専用ドライバにおける修正内容に加え,さらなる最適化などがなされたものと位置づけられている。
「Display Driver」のバージョンはCatalyst 13.4が12.104.0.0000(1304161115-12.104-130328a-155980C-ATI),Catalyst 13.5 Beta2が12.102.3.0000(1304161625-12.102.3-130416a-155949E-ATI.3)で,驚くべきことにCatalyst 13.4のほうがバージョンは新しい。
ただ,ビルドの日付は前者が3月28日,後者が4月16日なので,Catalyst 13.5 Beta2は,Catalyst 13.3 Betaシリーズのどこかを基準に枝分かれさせ,独自に進化させてきたバージョンなのではなかろうかと思われる。
ともあれ,すぐに入手したい人は下に示したリンクを利用してほしい。
→32bit版Windows 8・7・Vista用Catalyst 13.4
→64bit版Windows 8・7・Vista用Catalyst 13.4
→Windows XP用Catalyst 13.4
→ノートPC向けの32bit版Windows 8・7・Vista用Catalyst 13.4
→ノートPC向けの64bit版Windows 8・7・Vista用Catalyst 13.4
→Windows 8向けCatalyst 13.4チップセットドライバ
→Windows 7向けCatalyst 13.4チップセットドライバ
→Windows Vista向けCatalyst 13.4チップセットドライバ
→Windows XP向けCatalyst 13.4チップセットドライバ
→Catalyst 13.5 Beta2
→4Gamer最新ドライバリンクページ
AMD Game Blogとリリースノートからアップデート内容をピックアップしてまとめ,本稿の最後にまとめてある。なので詳細はそちらをチェックしてほしいと思うが,Catalyst 13.2〜13.3のβドライバを導入してこなかった人にとって,Catalyst 13.4はかなりの規模で手が入ったリリースだと述べていいだろう。ドライバのインストール作業は自己責任となるが,導入する価値はあるはずだ。
またCatalyst 13.5 Beta2も,β版の導入に抵抗のない人にとっては,相応に価値のあるものになっているといえる。β版は現状渡しかつ無保証と位置づけられる一方,ゲーマーには導入が勧められてもいるので,惹かれるものがあるなら,試してみてはどうだろうか。
## 以下,AMD Game Blogの関連記事および英文リリースノートまとめ ##
●Catalyst 13.4およびCatalyst 13.5 Beta2の対象製品
- デスクトップPC向けRadeon HD 7900・7800・7700シリーズ
- デスクトップPC向けRadeon HD 6000シリーズ
- デスクトップPC向けATI Radeon HD 5000シリーズ
- ノートPC向けRadeon HD 7000M&6000Mシリーズ
- ノートPC向けATI Mobility Radeon HD 5000シリーズ
- Fusion APU A・E&Cシリーズ
●Catalyst 13.4における性能向上
(※対象製品はRadeon HD 7000シリーズ)
- 「Far Cry 3」「Crysis 3」「3DMark」に向けた最適化(Catalyst 13.2 Beta5,Catalyst 13.2 Beta4,Catalyst 13.2 Beta3で実現済み)
- 「The Elder Scrolls V: Skyrim」「Borderlands 2」「Guild Wars 2」「TOMB RAIDER」「HITMAN ABSOLUTION」に向けた「latency performance」の改善(Catalyst 13.3 Beta2,Catalyst 13.2 Beta3で実現済み)
- 「SimCity」に向けた最適化(Catalyst 13.3 Beta2で実現済み)
- 「Batman: Arkham City」で最大5%
- 「Borderlands 2」で最大10%
- 「Enemy Territory: Quake Wars」でMSAAを有効にしたとき最大14%
- 「HITMAN ABSOLUTION」で最大11%
- “Wolfenstein”のマルチプレイヤーで最大11%(※AMD Game Blogには「Return to Castle Wolfenstein」,リリースノートには「Wolfenstein」とあり,どちらのことを指すのかは判断できない)
- 「Sid Meier's Civilization V」で最大5%
●Catalyst 13.4における新要素
・OpenGLの拡張
- OpenGL 4.3エクステンション「GL_ARB_compute_shader」「GL_ARB_multi_draw_indirect」「GL_ARB_shader_storage_buffer_object」「GL_ARB_arrays_of_arrays」「GL_ARB_clear_buffer_object」「GL_ARB_ES3_compatibility」「GL_ARB_explicit_uniform_location」「GL_ARB_fragment_layer_viewport」「GL_ARB_invalidate_subdata」「GL_ARB_program_interface_query」「GL_ARB_shader_image_size」「GL_ARB_stencil_texturing」「GL_ARB_texture_buffer_range」「GL_ARB_texture_query_levels」「GL_ARB_texture_storage_multisample」の追加
●Catalyst 13.4で解決した問題
- Radeon HD 7790搭載環境で「TOMB RAIDER」を実行し,「TressFX Hair」を有効化すると画面表示がおかしくなる問題(※Catalyst 13.5 Betaで解決した問題にも同じ項目がある。違いは不明)
- DirectX 9.0cアプリケーションでテクスチャがちらつく問題
- シングルカード構成とCrossFire構成のどちらでも,「TOMB RAIDER」で「TressFX Hair」を有効化すると画面表示がおかしくなる問題(※Radeon HD 7790搭載環境でTressFX Hairを有効化したときと同じ問題なのかは明らかになっていない)
- 「Call of Duty: Black Ops 2」で,ゲーム内のオブジェクトやテクスチャの表示がおかしくなる問題
- 「Alan Wake」をDirectX 9モードで実行し,ゲーム側の設定からTridefベースの3D立体視を有効化すると画面表示がおかしくなる問題
- Catalyst Control Centerから強制的にアンチエイリアシングを有効化すると,「Battlefield: Bad Company 2」でテクスチャの表示がおかしくなる問題
- Windows 8環境でAdobe製写真編集ソフト「Photoshop CS6」を実行すると画面がちらつく問題
- Catalyst Control Centerから強制的にアンチエイリアシングを有効化すると,「Dishonored」で画面に横線が走って見える問題
- 「DiRT 3」でゲーム選択メニューをスクロールさせるとシステムがハングすることのある問題
- 「AMD PowerXpress」もしくは「AMD Enduro」をサポートしたシステムで「F1 2012」を実行すると,アプリケーションがクラッシュすることのある問題
●Catalyst 13.5 Betaにおける性能向上
(※対象製品はRadeon HD 7000シリーズ)
- 「Far Cry 3: Blood Dragon」に向けた広範囲における最適化(※性能向上率は示されていない)
- 「Far Cry 3」でアンチエイリアシングを有効化したとき最大4%
- 「Shogun 2: Total War」で8xアンチエイリアシングを適用したとき最大8%
- 「TOMB RAIDER」で最大6%
- 「BiosShock Infinite」で最大6%
- 「Borderlands 2」でFXAAを有効にしたとき最大17%
●Catalyst 13.5 Betaで解決した問題
- Radeon HD 7790搭載環境で「TOMB RAIDER」を実行し,「TressFX Hair」を有効化すると画面表示がおかしくなる問題(※Catalyst 13.4で解決した問題にも同じ項目がある。違いは不明)
●ノートPC向けCatalyst 13.4&Catalyst 13.5 Beta2の制限事項
- 本バージョンのリリース後に発表されたノートPCは非対応
- 東芝製ノートPC,ソニー製「VAIO」シリーズのノートPC,パナソニック製ノートPCは非対応(※従来同様,ドライバはPCメーカーから提供される)
- 関連タイトル:
AMD Software
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