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Vulkan 1.2に対応した「Radeon Software Adrenalin 2020 Edition 20.1.2」が登場
WHQL(Windows Hardware Quality Labs,ウィクル)未通過の「Optional」(随意選択)版となる本バージョンのトピックは大きく2つある。
ひとつは,グラフィックス向けAPI「Vulkan 1.2」へ対応したこと。Vulkan 1.2は,APIの標準化団体であるKhronos Groupが北米時間1月15日にリリースしたVulkanの最新バージョンだ(関連リンク)。Vulkan 1.2では,これまで拡張機能となっていた30を超える機能をコアAPIに統合するといった刷新が行われている。
もうひとつのトピックは新作ゲームへの対応で,Adrenalin 2020 20.1.2ではバンダイナムコゲームスが1月16日に発売する「ドラゴンボール Z KAKAROT」に対応したという。例によって最適化とは書かれていないので,動作に問題がないことをAMDが確認したドライバという理解でいいだろう。
そのほかに,重要な要素としては,「Adrenalin 2020 EditionでUnreal Engine 4を使うゲームタイトルの一部が起動しない」という,わりと致命的な不具合がAdrenalin 2020 20.1.2で修正されたそうだ。Unreal Engine 4ベースのゲームタイトルは非常に多いが,思い当たる症状を経験した人は,Adrenalin 2020 20.1.2に更新すると問題が解決する可能性があるだろう。
また,シングルディスプレイ構成のRadeon RX 5700シリーズ搭載PCがアイドル時に再起動してしまうという,ユーザーにとって極めて致命的な問題もAdrenalin 2020 20.1.2で修正されたようだ。
その一方で,「仁王」や「ライザのアトリエ」といった国産ゲームタイトルが起動に失敗するという新たな不具合も報告されていたりする。早急に修正されることを願いたい。
なお,気になる読者もいると思うが,Adrenalin 2020 20.1.2では64bit版Windows 7向けのドライバソフトも提供されている。ご存知のとおり,MicrosoftによるWindows 7のサポートは,1月14日をもって終了したが(※延長サポート契約を結んでいる企業向けは例外),Adrenalin 2020 20.1.2ではまだサポートされているわけだ。
今後のRadeon Softwareでどうなるかは不明だが,Adrenalin 2020 20.1.2がWindows 7向けの最終バージョンになる可能性もあり,今後登場する新機能や新しいGPUのサポートは,Windows 7向けには行われなくなるだろう。古いゲームのためにWindows 7環境を残しているゲーマーもいるだろうが,そろそろ対策を考えたほうがいいかもしれない。
AMDはゲーマーに対してOptional版ドライバの導入を推奨しているため,対象のGPUやAPUを使っているのであればAdrenalin 2020 20.1.2を導入してみるのもいいだろう。とはいえ,ドライバソフトの導入は自己責任となることはご注意のほどを。
→AMDのドライバダウンロードページ
https://www.amd.com/ja/support
→4Gamerの最新ドライバリンクページ
https://www.4gamer.net/games/999/G999902/FC20110422001/
いつもどおり,英文のリリースノートから,新機能を含めたポイントをまとめておこう。
●Adrenalin 2020 20.1.2の対応GPU
- Radeon RX 5000シリーズ
- Radeon VII
- Radeon RX Vegaシリーズ
- Radeon RX 600・500・400シリーズ
- Radeon Pro Duo
- Radeon R9 Furyシリーズ
- Radeon R9 300・200シリーズ
- Radeon R7 300・200シリーズ
- Radeon R5 300・200シリーズ
- Radeon HD 8500以上のRadeon HD 8000シリーズ
- Radeon HD 7700以上のRadeon HD 7000シリーズ
- Radeon RX 5000Mシリーズ
- Radeon R9 M300・M200シリーズ
- Radeon R7 M400・M300・M200シリーズ
- Radeon R5 M300・M200シリーズ
- Radeon HD 8500M以上のRadeon HD 8000Mシリーズ
- Radeon HD 7700M以上のRadeon HD 7000Mシリーズ
●Adrenalin 20.1.2の対応APU
- Ryzen 3000Gシリーズ
- Ryzen 2000Gシリーズ,Athlon 200GEシリーズ
- Ryzen PRO 2000Gシリーズ,Athlon PRO 200GEシリーズ
- A-Series APUs with Radeon Graphics
- Pro A-Series APUs with Radeon Graphics
- Ryzen Mobile Processors with Radeon Vega Graphics,
Athlon Mobile Pro ces sors with Radeon Vega Graphics - Ryzen PRO Mobile Processors with Radeon Vega Graphics,
Athlon PRO Mobile Proces sors with Radeon Vega Graphics - ノートPC向けFX-Series APUs with Radeon Graphics,
A-Series APUs with Radeon Graphics - ノートPC向けA-Series PRO APUs with Radeon Graphics
- Sempron Series APUs with Radeon R3 Graphics
- E2-3000シリーズ以降のE-Series APUs with Radeon R2 Graphics
- A4-5000番台のAMD A4-Series APU for Desktop
- A4-5000番台のAMD A4-Series APU for Laptop
- E2-3000シリーズ以降のE-Series APUs with Radeon R2 Graphics
●Adrenalin 2020 20.1.2が統合するコンポーネント(※比較対象はAdrenalin 2020 19.1.1)
- Display Driver Package:19.50.11.10-200113a-350865E
-Rad eon Soft ware Adre nalin 2020 (←19. 50. 11. 05- 200 109a -350 652E -Rad eon Soft ware Adre nalin 2020) - Radeon Settings:2020.0113.1626.29577(←2020.0109.0945.17558)
- 2D Driver:8.1.1.1634
- Direct3D:9.14.10.01432
- OpenGL:26.20.11000.13586
- OpenCL:記載なし
- Mantle:記載なし
- Mantle API:記載なし
- Audio Driver:10.0.1.12
- Vulkan Driver:2.0.127(←2.0.122)
- Vulkan API:1.2.131(←1.1.129)
●Adrenalin 2020 20.1.2における最適化
- 記載なし
●Adrenalin 2020 20.1.2における新要素
- Vulkan 1.2に準拠
- 「ドラゴンボール Z KAKAROT」に対応
●Adrenalin 2020 20.1.2で解決した問題
- Adrenalin 2020 Editionを導入した環境で,「KovaaK 2.0: The Meta」「TETRIS EFFECT」「Snooker 19」などUnreal Engine 4ベースの一部ゲームタイトルが起動に失敗することのあった問題
- Radeon RX 5700シリーズをシングルディスプレイ構成で使用すると,アイドル時に断続的に再起動することのあった問題
●Adrenalin 2020 20.1.2における既知の問題
- 「Radeon Anti-Lag」のビープ音が有効,無効に関わらず,ホットキーに設定したキーを順に押すと鳴ってしまうことがある。
- 「Radeon Software Overlay」のホットキー通知が,Webブラウザで動画再生中や一部の動画再生アプリケーション起動中に表示されることがある
- 一部のWindows 7搭載PCでは,「Integer Scaling」(整数スケーリング)の設定が表示されないか,利用できない
- Radeon Softwareインストール時に工場出荷時設定へのリセットを設定しても,以前設定したゲームプロファイルが残ってしまう場合がある。この問題により,グローバルグラフィックの設定とプロファイルごとの設定が一致しなくなることがある
- 一部の言語で,ユーザーインタフェースのメッセージ表示などにオーバーフローが発生することがある
- Radeon Softwareを開いたときに,ウインドウサイズに一貫性がなかったり,前回開いたときのウインドウサイズにならないことがある
- 「Image Sharpening」を有効にした状態で,一部のVulkan対応タイトル実行時にタスク切り換えを行うと,ゲームがクラッシュすることがある
- 解像度がディスプレイ本来の解像度より低く設定されているとき,Integer Scalingを有効にすると,一部のビデオコンテンツの表示にちらつきが生じることがある
- Radeon RX 5700シリーズの一部で,ゲーム中やデスクトップ表示中に断続的に画面が黒くなることがある。バックグラウンドで実行しているWebブラウザやチャットアプリ「Discord」のハードウェアアクセラレーションを無効にすることで,この問題を一時的に回避できる
- 「仁王」(Nioh)「Dead or Alive 6」「ドラゴンクエストビルダーズ2」(Dragon Quest Builders 2)「ライザのアトリエ 〜常闇の女王と秘密の隠れ家〜 」(Atelier Ryza)など一部のゲームがクラッシュしたり,起動に失敗することがある
- 関連タイトル:
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