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Radeon Softwareが「Adrenalin 21.9.1」でWindows 11に対応
本バージョンはWHQL(Windows Hardware Quality Labs,ウィクル)未通過の「Optional」(随意選択)版で,おもに3つのトピックが盛り込まれたドライバだ。
まず,本バージョンでWindows 11に正式対応した。これまでのRadeon SoftwareもWindows 11で利用できていたので,何かが大きく変わったというわけではないが,Adrenalin 21.9.1からWindows 11正式対応となったことで,安定性や性能の向上が期待できるものと思われる。
次に,Radeon RX 6000シリーズで導入された「Smart
AMDの主力GPUは,すでにRadeon RX 6000シリーズへ移行しているだけに,今更という気もするが,Radeon RX 5000シリーズでSAMが使えるようになったことで,同シリーズのユーザーであれば,若干の性能向上が期待できる。SAMを利用するためのPC側の条件は,Radeon RX 6000シリーズと変わらないので,試してみるといいだろう。
そして最後のトピックは,Ryzen 5000シリーズとRadeon RX 6000シリーズを搭載するPCで,新しい自動オーバークロック機能が利用できるようになったそうだ。残念ながら筆者の手元に該当するPCがないので確認はできていないが,AMDの公式Blogポストによると,Radeon Softwareのチューニングタブに新設された自動オーバークロックによって,GPUとCPUの動作クロックが向上して性能が上がるのだという。さらにCPU用のオーバークロック設定もあるなど,チューニング機能を強化したそうだ。
Ryzen 5000シリーズとRadeon RX 6000シリーズの組み合わせでのみ使えるというピンポイントな機能強化ながら,AMDは動画を公開して同機能をアピールしている。対応するPCを持っているゲーマーは試してみてもいいだろう。
そのほかにAdrenalin 21.9.1では,Bethesda Softworksのステルスアクション「DEATHLOOP」と,開発中のCoDシリーズ最新作「Call of Duty: Vanguard」で9月17日に開始予定のオープンβ版への対応が行われているそうだ。双方とも性能の向上は謳われていないので,AMDが動作を確認したという理解でいいだろう。
AMDは,ゲーマーに対してOptional版ドライバの導入を推奨しているので,対象のGPUやAPUを使っているのであれば,Adrenalin 21.9.1を導入してみるといいだろう。
→AMDのドライバダウンロードページ
https://www.amd.com/ja/support
→4Gamerの最新ドライバリンクページ
https://www.4gamer.net/games/999/G999902/FC20110422001/
英文のリリースノートから,新機能を含めたポイントをまとめておこう。
●Adrenalin 21.9.1の対応GPU
- Radeon RX 6000シリーズ
- Radeon RX 5000シリーズ
- Radeon VII
- Radeon RX Vegaシリーズ
- Radeon RX 600・500・400シリーズ
- Radeon Pro Duo
- Radeon RX 6000Mシリーズ
- Radeon RX 5000Mシリーズ
- Radeon 600シリーズ(OEM向け)
●Adrenalin 21.9.1の対応APU
- Ryzen 5000Gシリーズ,Ryzen PRO 5000シリーズ
- Ryzen 4000Gシリーズ,Ryzen PRO 4000シリーズ
- Ryzen 3000シリーズ,Ryzen PRO 3000シリーズ
- Ryzen 2000シリーズ,Ryzen PRO 2000シリーズ
- Athlon PRO 200GEシリーズ
- Ryzen Mobile Processors with Radeon Vega Graphics,
Athlon Mobile Pro ces sors with Radeon Vega Graphics - Ryzen PRO Mobile Processors with Radeon Vega Graphics,
Athlon PRO Mobile Proces sors with Radeon Vega Graphics
●Adrenalin 21.9.1が統合するコンポーネント(※比較対象はAdrenalin 21.8.2)
- Display Driver Version:21.30.17.01-210910a-371621E
-Rad eon Soft ware (← 21 .20 .25 .01 -210 824a -371 001E -Rad eon Soft ware) - Radeon Settings:2021.0910.1512.27366(←2021.0824.1855.34051)
- 2D Driver:8.1.1.1634
- Direct3D:9.14.10.01510(←9.14.10.01505)
- OpenGL:29.20.11000.14761(←29.20.11000.14742)
- OpenCL:記載なし
- Audio Driver:10.0.1.21(←10.0.1.20)
- Vulkan Driver:2.0.198(←2.0.193)
- Vulkan API:1.2.188(←1.2.182)
●Adrenalin 21.9.1おける最適化
- 記載なし
●Adrenalin 21.9.1における新要素
- Windows 11に対応
- Radeon RX 5000シリーズでSmart Access Memoryに対応
- Ryzen 5000シリーズ+Radeon RX 6000シリーズ向けの新しいチューニング機能
- 「DEATHLOOP」「Call of Duty: Vanguard」(β版)に対応
- 以下のVulkan拡張に対応
・VK_KHR_zero_initialize_workgroup_memory:シェーダのワークグループメモリを「0」で初期化する拡張
・VK_KHR_shader_integer_dot_product:SPIR-VのSPV_KHR_integer_dot_productに対応する拡張
・VK_EXT_shader_atomic_float2:バッファ/ワークグループメモリで16bit浮動小数点のアトミック操作を可能にする拡張
・VK_EXT_load_store_op_none:レンダリング後に未定義,あるいは変更されないコンテンツを指定する拡張
●Adrenalin 21.9.1で解決した問題
- Radeon RX 6800 XTなど一部のAMD製GPUで「PAYDAY 2」をプレイすると,視覚的なゴミ(アーティファクト)が表示されることのあった問題
- Radeon RX Vegaシリーズに解像度やリフレッシュレートが大きく異なる2台のディスプレイを接続すると,チラツキが発生することのあった問題
- Radeon RX 5500 XTにおいて解像度1920×1080ドット,リフレッシュレート60Hzなど特定の値に設定すると,アイドル時に予想よりメモリクロックが上昇し消費電力が大きくなることのあった問題
- Radeon RX 480など一部のAMD製GPUで「Assassin’s Creed Odyssey」をプレイ中に,メニューを素早く操作したり,キャラクタで素早く周りを見回したりするとドライバーのタイムアウトやブルースクリーンが発生することのあった問題
●Adrenalin 21.9.1における既知の問題
- 「Open Broadcaster Software」で録画を終了したあとでアプリケーションを終了させても,バックグラウンドで録画し続けることがある
- Radeon RX 500シリーズなど一部のAMD製グラフィックス製品で,ゲームとストリーミングの動画再生を同時に実行しているときにドライバのタイムアウトが発生することがある
- 複数のディスプレイを拡張モードで接続して,「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」などのDirectX 11タイトルをプレイすると,Radeon Softwareがクラッシュしたり応答がなくなることがある
- Radeon RX 6700 XTなど一部のAMD製GPUで「Horizon Zero Dawn」を長時間プレイすると,処理に時間がかかったりゲームのクラッシュが発生したりすることがある
- 一部のゲームやPCで「Enhanced Sync」を有効にすると,画面が黒くなることがある。Enhanced Syncを無効にすれば,この問題を一時的に回避できる
- Radeon Softwareの「Performance Metric」やログ機能が,異常に高いメモリクロックを断続的に報告することがある
- 「AMD Link」のストリーミングにおいて,インターネットを介して接続したときにHEVCコーデックを使用すると,断続的に映像フレームが壊れることがある。この問題はAVCコーデックを用いることで回避できる
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