インタビュー
2月12日に正式サービス開始! 「ペーパーマン」キャラボイス声優インタビュー,中村繪里子さん&藤田 咲さん編
藤田 咲さんインタビュー
●ティナとお友達になりたい
4Gamer:
収録,お疲れ様でした。
今回,藤田さんは,サバイバルゲーム専門誌の記者としてペーパーマンに参加している「ティナ」をはじめ,16歳の女の子を3パターン演じているんですよね。16歳の頃の藤田さんは,この中ではどのキャラクターに近い性格でしたか?
うーん……。私が16歳の頃は,回りに達観している子が多かったんですよ。もちろん無邪気な面もありますけど“グループ意識”を重視することもなく,個人同士でお互いを尊重できるような関係が自然に築けていました。そんな仲間に支えられて,のほほんと生きてきたので……どの子に近いかな……難しいですね。
4Gamer:
肩肘張ることもなく,常に自分らしくいられるような環境だったんですね。
藤田さん:
そうですね。だからこそ,些細なことでも本気になれたし,勉強もがんばれたし。例えば勉強が苦手な子も,「私は部活でがんばる!」みたいな感じで,自分に足りないものがあってもひがんだりねたんだりするんじゃなくて,ほかのもので補おうと思える人達だったんです。
なので,お子さんがいる方には,我が母校はオススメです(笑)。
4Gamer:
母校の先生方もそういう言葉を聞いたら,きっと大喜びするでしょうね。
三つのキャラクターに16歳の頃の藤田さんにぴったり設定の合うものはないという結論がいきなり出てしまったわけですが,では,この中で一番好きなキャラクターはどれですか?
藤田さん:
お友達になりたいのはティナですね。凄く可愛いのにしっかりしている部分とか,頼りたくなる部分もあるんで,きっと凄く親身に接してくれると思うんです。
ただ,演じるという意味では,ほかのパターンですね。自分では経験しないものを演じるのって,お芝居のだいご味だと思いますし。
4Gamer:
普通に生きていたら絶対に体験できないようなことでも,お芝居では表現できますし。
藤田さん:
そうなんです。ほかの人とはちょっと違った境遇で生きている人を演じるのって,面白いんですよ。自分がこの立場だったらこういう表現はしないのに,この子はこういう風に言うんだ……とか。
4Gamer:
まあ普通に生きていて「カモらせてもらったわ!」なんて言う機会はないですよね。
藤田さん:
あったら怖いですよね(笑)。
そうそう,ほかのパターンでは,ディレクターさんから「ティナとかぶらないように,分かりやすく」という指示をいただいたので,その部分に気を付けながら演じてみました。
4Gamer:
どのパターンも,なかなか複雑な設定ですよね。
藤田さん:
ギャップがいいんですよ! ギャップ萌えです!
やっぱり,個人的にもこういうギャップがあるキャラクターのほうが好きかもしれません。
4Gamer:
藤田さんはペーパーマン以前にも,ゲームのキャラクターの声を演じられていますよね。多くの場合,物語に沿って役割を演じるものだと思うんですが,ペーパーマンの場合は世界観やキャラクター設定はあっても,短いセリフばかりです。こういうときに,キャラクターごとにどうやって表現を変えていくんですか?
そうですねぇ……。
短いセリフの中で,どうやったらそのニュアンスを分かりやすく出せるかというのを,第一に考えています。
ティナの場合は,ヒロイン的でありつつ,どこか人なつっこい感じを出せたらいいなっていうのが,芯にありました。
4Gamer:
キャラクターの設定から性格を膨らませて形にしていく感じでしょうか。
藤田さん:
はい。どのパターンも,それぞれ抱えている背景が違うんですよね。その背景を大事にしながら,この子はこれまでどうやって生きてきたのかを考えました。
4Gamer:
ただ与えられたセリフを読み上げるというわけではないと。
藤田さん:
ええ。例えば,こっちのパターンは,つらい過去を隠すために明るく振る舞っているという設定なんですよ。そういうことを考えていくと,きっと16歳という年齢の割には大人びているのかなと。
もう一つのパターンは,平和な世界で暮らしてきた子なんですよね。現代の子にも,凄く大人っぽい見た目なのに,話してみると中身は年相応だったり,もっと子供っぽかったりする子もいますよね。そういうことを考えました。
●ストーリーのしっかりしたゲームが好き
4Gamer:
ところで藤田さんは,普段ゲームで遊ぶことはあるんですか?
藤田さん:
あります!
コンシューマゲームもしますし,ゲームセンターにあるような恐竜や異形の者を撃つようなゲームは,キャーキャー叫びながら遊んでます。
4Gamer:
おお,じゃあペーパーマンも遊んでみたらはまるかもしれませんね。
ゲームセンターにはよく遊びに行くんですか?
藤田さん:
自分で遊ぶのも好きですけど,人が遊んでいるのを見るのも好きなんです。対戦格闘ゲームはよく見ていました。
4Gamer:
女の子では珍しいタイプですね。
藤田さん:
兄が二人いて,小さい頃からうしろでそういうのを見ていたっていうのが大きいんだと思います。
4Gamer:
でも「やらせて」って言うと,「お前はヘタだからダメ」って断られちゃうんですよね。
そうそうそうそう! そうです! そうなんです! しかも実際にやってみても,兄のほうが絶対強いからすぐに負けちゃって,張り合いがないみたいなんです(笑)。
4Gamer:
子供は接待プレイを知らないですからね。
藤田さん:
そうなんですよねぇ,常に本気ですから。
4Gamer:
でもそれでゲームが嫌いになるんじゃなくて,見るのが好きになったっていうのは,ちょっといい話だと思います。
じゃあ今も知らない人のうしろに立って,画面を凝視していたりするんですか?
藤田さん:
親友と遊びに行くときは,ゲームセンターで立ち見をするっていうコースもあるんですよ。もしもずっと見ていて構わないんだったら,ずっと見ていられると思いますね。別に研究しているわけではないんですけど(笑)。
4Gamer:
そういうのを見ていて,自分でやってみたいとは思わないんですか?
藤田さん:
下手なのを見られるのは恥ずかしいですし,なんか申し訳ないとすら思っちゃうんですよ。
4Gamer:
こういうお仕事をしているエンターテイナーとして,楽しませなければいけない! みたいなことでしょうか。
藤田さん:
あ,ひょっとしたらそうかもしれないですね!
家で練習してうまくなったら,それを披露しに行くとか,いずれやってみようかな。
4Gamer:
ガンシューティングや対戦格闘ゲーム以外のジャンルだと,どんなゲームがお好きですか?
藤田さん:
物語があって落ち着いて遊べるRPGは好きですね。
4Gamer:
基本的に,見る分には対戦格闘のような派手なアクションゲームが好きで,遊ぶ分には物語をしっかり楽しめるRPGなどがお好きということですか?
藤田さん:
あ! ホラーものや謎解きものも好きです!
ただ,自分でもやるんですけど,怖くなって途中で兄に代わってもらったりとか。でもゲームによっては,兄でもつまってしまって,ネットで大まかなストーリーを把握してクリアしたつもりになったこともあります。
4Gamer:
とにかくストーリー重視なんですね。
藤田さん:
やっぱりそうなりますね(笑)。
ホラーって,ストーリーがしっかりしている作品が多いんですよ。なぜこういう状況が起きているのかとか,人間の表面的な部分だけではない深い心情が描かれていたりして。ただ怖いシーンが続くだけのものは,普通に怖いんでちょっと苦手なんですけど,怖いことが起きている理由みたいなものが徐々に解き明かされていくような作品は好きです。
●ゲームやアニメの話題で盛り上がっていた女子校時代
4Gamer:
ゲームの話題で盛り上がれるようなお友達は,学生時代にいましたか?
藤田さん:
いっぱいいました!
高3のときのクラスは,今時っぽい女の子は3人ぐらいしかいなくて,残りはみんなアニメやゲームが好きっていう。
4Gamer:
ある種のエリートクラスですね(笑)。
そうなんですよ。教室のうしろにある掲示板に,流行ってる作品のパロディみたいな漫画を描いて貼ったりしてましたし。
あと,放送でアニソンが流れることがあったんですよ。そうすると,その作品が好きな人達が,それこそ王蟲みたいにドーッと集まって,わさわさわさわさしてるんです。何を言うでもなく,ただキャーキャー言いながら。で,曲が終わると何事もなかったかのように帰って行くという。
4Gamer:
急にスイッチがオフになっちゃうんですね。
藤田さん:
はい,終わったー。次,ご飯! みたいな。
4Gamer:
女子校って,一般的にそういう世界なんですかね……。
当時のお友達とのお付き合いは今でもあるんですか?
藤田さん:
ええ,もちろんあります!
4Gamer:
じゃあ,そういうお友達は,藤田さんのお仕事をマメにチェックしていそうですよね。
藤田さん:
メールをくれることはありますね。
4Gamer:
自分から「今度●●に出るから見てね!」みたいなことは言わないんですか?
藤田さん:
いやぁ,全然言わないですね。ただ,何も言ってないときに気づいてくれた子がメールをくれたときは,凄く嬉しかったです。
そういえば先日,CDを発売させていただいたんですけど,親友から「買ったわよ,何で言わないの?」って,ちょっと怒られちゃったんです。あれは恥ずかしかったです……。
4Gamer:
え,恥ずかしいものなんですか?
藤田さん:
アニメとかゲームだったらまだ,「この作品はステキだから!」なんて宣伝もできるんですけど,私のCDとなると……。
4Gamer:
ああ,「私の歌を聴いて!」って,一緒にカラオケに行って曲探しに没頭している友達にだって,なかなか言えないですもんね。「私の歌はともかく,曲はいいから」っていう宣伝も微妙ですし。
藤田さん:
そうなんですよ(笑)。言いづらいんです。
●“絆”の大切さを伝える仕事をしていきたい
4Gamer:
では藤田さんが,何をきっかけに声優というお仕事を志したのか教えてください。
とあるアニメ作品がきっかけなんです。小学生の子供達が違う世界に飛ばされて,その中で絆が生まれて敵に立ち向かっていく過程に凄く共感したんですよ。絆っていいものだなって。
4Gamer:
絆……ですか。
藤田さん:
はい。人間が成長していく過程で,絆ってもの凄く大事なものだと思うんです。そういうのって,できれば子供のうちに気付いたほうがいいと思うんですよ。
そういうことを子供達に伝えられるようなお仕事をしたい,そういう作品に出たい,そう考えて声のお仕事に興味を持ったんです。
4Gamer:
そういうお仕事は,これまできちんと形にできていますか?
藤田さん:
ありがたいことに,これまで関わってきた作品も,そういうメッセージをストレートに表現できるものが多くて,やりたかったことをやれているんですよ。それが凄く幸せだなって。
アニメにしても,見せ方や表現の仕方は今風になっているかもしれないですけど,根底に仲間の絆とか,個人の葛藤とか,そういうものはきちんと描かれていますし。一緒に演じてきた役者さんも,キャラクターの心情を凄く大切にしている方が多くて,志を同じくしてくれる方が集まるんですよ。そういう作品って。
4Gamer:
それこそ,ペーパーマンはオンラインゲームですから,遊んでいるうちにほかのプレイヤーとの絆が生まれるかもしれません。
藤田さん:
もしそうなってくれたら,私がやりたかったことが形になりますね!
最近,顔も本名も知らない人とネットで親しくなるのって,普通のことになってきたじゃないですか。外見なんかは関係なく,中身でお話しできたり,同じものを好きになれたりするんですよね。そういうのって,凄くいいなって思うんですよ。そのうえで,一緒に一つのもので遊べるんだから,オンラインゲームってステキですよねぇ。
オンラインゲームにのめり込んだりするんですか?
藤田さん:
キャラクターの可愛い衣装が欲しい! とかそういうのに凝り出したら,際限なくお金を使っちゃいそうで怖いんですよね(笑)。凝り出すと,本当に凝っちゃう性格なんで。
●いろんな人とペーパーマンで絆を作ってほしい
4Gamer:
何かに凄く凝った経験があるんですか?
藤田さん:
そうですねぇ,食べ物の話でもいいですか?
4Gamer:
どうぞ(笑)。
藤田さん:
子供の頃は1個30円の「梅しば」が大好きで,毎日1個買って帰るのが日課だったんですけど,ある時,ついにたまらなくなって大きな瓶に入ったやつを買って,そればっかり食べていたりだとか……。あと,もみ海苔も好きで,何もつけないでそのままずっと食べていたり。
4Gamer:
渋いチョイスですねぇ。
藤田さん:
南高梅の梅干しとか,水飴にはまっていた時期もありましたね。かなり偏食なんで,一度気に入ると本当にそればっかり食べちゃうんです。
4Gamer:
でも,梅しばともみ海苔と南高梅と水飴だけじゃ人間は生きていけないですよね。
藤田さん:
あ,だから納豆はずっと食べてます。
納豆を食べてないと,何かが物足りない気がして,夜中にコンビニまで行って納豆を買って食べたりとか。
4Gamer:
大豆製品つながりで,お豆腐なんかはいかがですか?
藤田さん:
お豆腐も好きです。ただ,京都なんかで,いいお水で作ったできたてのお豆腐を食べたりすると,スーパーで売られているようなパックのお豆腐では物足りなく感じるんですよね。だからそういうのよりは……納豆のほうが。
4Gamer:
納豆だったらパックでも。
藤田さん:
そうなんですよ。くめ納豆というメーカーが好きで,そこの納豆はしょっちゅう食べてます。
4Gamer:
納豆は美味しいですよねぇ。
それでは最後に,ペーパーマンのプレイヤーに向けて,藤田さんが演じたキャラクターの,どんなセリフをどんな風に聞いてほしいか教えてください。
ペーパーマンって,紙のキャラクターが凄く斬新だと思うんです。でも,ただ可愛いだけじゃないですし,可愛らしさ以外のところも感じてもらえるよう,一生懸命声をあてたので,いろいろなシチュエーションで試してみていただけたらいいなと思います。
せっかくのオンラインゲームなので,いろんな人と一緒に遊んで,絆を作っていただけると嬉しいです。私も遊んでみます!
4Gamer:
ファンに撃たれちゃったりするかもしれませんね。
藤田さん:
それは……切ないなぁ(笑)。
4Gamer:
これからも,納豆のようにねばり強いお仕事を……。
藤田さん:
ありがとうございます! ねばり強くがんばっていきたいと思います!
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