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[TGS2005#24]Razerが布製マウスパッドをリリース
■Razer Copperheadでサイドボタンの配置が変わった理由
4Gamer編集部(以下,4Gamer):
初めまして,今日はよろしくお願いします。さて,まず伺いたいのは,なぜ今年,日本市場に正式参入したのかです。
これまで日本はコンシューマゲーム機のみの市場でしたが,最近は多くのチームやゲーマーがWCGやCPL(編注:WCGとCPLは,どちらも世界的に有名なゲーム大会)に参戦してくるようになりました。また日本では,ゲーマーのコミュニティがまさに今,広がりつつあるように感じています。Razerとしては,ぜひこのコミュニティをサポートしたいですね。
日本のみなさんは,60ドルのマウスを,100ドルも支払って輸入しなくてはなりませんでした。この問題がクリアになれば,Razerに興味を持っている人達は,実際に使ってくれるでしょう。だから私達は今,ここにいるのです。
4Gamer:
今回,アスクを販売代理店として選んだ理由は何ですか? アスクは日本人プロゲーマーのSIGUMA選手とスポンサー契約を結んでいますが,そのあたりが影響しているのですか?
Tan氏:
SIGUMA選手のことはもちろん知っていますが,直接の関係はありません。私達はある国の市場に参入しようとする場合,まずその国のゲームコミュニティと話をします。当社のスタッフは皆ゲーマーなので,ゲームをしながら直接聞いたり,あるいはあるコミュニティとチャットしながら聞いたり。そういった結果として,今回の参入があります。
4Gamer:
なるほど,ゲーマーの意見が強く反映されるというRazerらしいお話ですね。ちなみにこの"ゲーマーの意見"というのは,特定の誰かの意見が強く反映されていたりしますか? 例えば有名プロゲーマーFatal1ty(Johnathan Wendel)とか。
Tan氏:
確かにJohnathan Wendelとはスポンサー契約していたことがありますが,彼やそのほかの特定プロゲーマーの意見でマウスを作るということはありません。欧米とアジアという,大きなくくりで比べただけでも,平均的な手の大きさからして異なる。だからRazerは,新製品を作るとき,必ず世界中のゲーマーの声に耳を傾けます。
4Gamer:
「Razer Copperhead」(以下,Copperhead)と「Razer Diamondback」(以下,Diamondback)では,サイドボタンの配置がまったく異なります。これも,ゲーマーの意見の反映ですか?
Tan氏:
Diamondbackは,世界中のユーザーから高い評価を受けましたが,現実には「気に入らない」という声も多くありました。その意見をまとめると,握りにくい,ボタンの設計が悪いという2点に集約されましたね。だから,Copperheadの開発に当たっては,そういった意見を採り入れて,Diamondbackより若干背を高くして握りやすくし,また,ボタンの位置も変えたというわけです。
4Gamer:
私もDiamondbackを使っていますが,まさに「サイドボタンは使いにくい」と感じた一人です。Razerで調べた限りでは,どれくらいのユーザーが,Diamondbackのサイドボタンに不満を持っていたのでしょうか。
Tan氏:
そうですか,私はDiamondback好きなんですけどね(笑)。それはともかく,「とにかくボタンをどうにかしれくれ」と主張していただいたのは,全体の35%くらいですね。逆に「次のモデルでも絶対にこのボタン配置を死守してほしい」という人達は,全体の25%くらいでしょうか。
そこで今回は,Copperhead用に「Pro-Tools」を用意しました。これを使えば,サイドボタンをすべて取り外したり,ウェイトを調整したりできるようになります。自分好みにカスタマイズできるようにすればいい,というわけです。
4Gamer:
なるほど,マウスボタンをカスタマイズできるというのは,どこまでできるか次第で面白そうですね。ちなみに,Pro-Toolsはいつごろ出荷されるんですか?
Tan氏:
数週間以内には。どこまでカスタマイズできるかも含め,まだ開発中なんですよ。
■布製マウスパッドを2種類投入
4Gamer:
最近,市場を見渡していると,"また"布製マウスパッドが増えてきているように見えるんですね。実際,Razerに布製パッドの要望などは来ていますか?
Tan氏:
ご指摘のとおり,布製マウスパッドに対するニーズは高まっています。市場は金属と布で二分されている感じですよね。Razerは金属なら「Razer eXactMat」(以下,eXactMat)がある。じゃあ布はというと……。実はRazerは,布製マウスパッドをリリースします。
4Gamer:
おお! 海外のBBSなどでちょっとだけ情報が出ていたアレですか。
そういえば,公式に言ったのは初めてかな(笑)。製品名は「Mantis」(カマキリの意)。現在,マウスパッドで知られるEverglideと提携し,プロゲーマーのVoO(Sander Kaasjager)にも開発に加わってもらっています。10月上旬にリリース予定ですね。
4Gamer:
製品写真はありますか?
Tan氏:
手元にはないので,帰国したら写真を送りますよ。楽しみにしていてください。
4Gamer:
それはもちろん。ところで,eXactMatはリバーシブル仕様で,表面が粗い面と滑らかな面がありますが,Mantisではどうなります?
Tan氏:
2モデル用意する予定です。さすがにリバーシブルではありませんが,eXactMatと同じように,表面が粗めのものと,滑らかなものの2種類になるでしょう。
4Gamer:
そのほうが嬉しいですね。では最後に,Razerのマウスやマウスパッドを使うユーザーに対して,コメントがあればお願いします。
Tan氏:
「Play hard you can!」。日本からプロゲーマーがもっと育って,世界的に活躍できることを期待しています。人生は短いですよ(笑)。
時間が30分程度しかなかったので,駆け足でのインタビューとなったが,Pro-Toolsといい,布製マウスパッドといい,ユーザーの声をよく聞いている印象を強く受けた。伊達に「ゲーマーのためのメーカー」を自称してはいない,というのが正直な感想だ。両製品については,(送ってくれると約束してもらった製品写真も含め)追加情報が入り次第,続報をお届けしたいと思う。
なお,さすがに現時点で日本語対応こそしていないものの,Razerはいつでもユーザーからの率直な意見を求めているとのこと。こんな製品が欲しい,ここを改善してほしいという意見があれば,RazerのWebサイト(「こちら」)からメールを投げてみるといいだろう。(佐々山薫郁)
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