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PS3用マウス型コントローラ「AIMON PS」「FRAGnStein」レビュー。PCゲーマーはPS3で快適にFPSやTPSを遊べるのか
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印刷2011/01/22 00:00

レビュー

マウス型コントローラを使えば,PCゲーマーはPS3でFPSやTPSを快適に遊べるのか

Tuact AIMON PS
Bannco FRAGnStein

Text by 御月亜希


画像集#001のサムネイル/PS3用マウス型コントローラ「AIMON PS」「FRAGnStein」レビュー。PCゲーマーはPS3で快適にFPSやTPSを遊べるのか
AIMON PS
メーカー:Tuact
実勢価格:8000円前後
画像集#002のサムネイル/PS3用マウス型コントローラ「AIMON PS」「FRAGnStein」レビュー。PCゲーマーはPS3で快適にFPSやTPSを遊べるのか
FRAGnStein
メーカー:Bannco
実勢価格:9000円前後
 「PCのFPSやTPSは大好きだが,家庭用ゲーム機でしか出ていないタイトルは,コントローラで操作できる気がしないので敬遠している」
 ……そんな悲しい思いをしているPCゲーマーは筆者だけではないだろう。マウスの操作に慣れきっているのに,アナログスティックで敵を狙うことなどできるわけがない。サジと一緒にコントローラも投げたくなるというものだ。

 そういった人なら,誰しも一度は「家庭用ゲーム機でもマウスで操作できたらいいのに」と考えたことがあるのではないだろうか。実は日本国外には,そういったニーズに応えられそうな家庭用ゲーム機にマウスをつなげるコンバータや,マウス型のコントローラ製品がいくつか存在する。
 そのなかでも,国内市場で比較的入手しやすいのが,PlayStation 3(以下,PS3)用のマウス型コントローラたる「AIMON PS」「FRAGnStein」の2つだ。そう,“PS3用マウス”なので,期待どおり動いてくれるなら,マウス操作に慣れきったPCゲーマーでも,PS3用のFPSやTPSを快適にプレイできるかもしれないのである。

 一点注意してほしいのは,両製品がいずれもソニー・コンピュータエンタテインメントのライセンスを取得した製品ではないということ。つまり,使用は100%自己責任となる。また,国内代理店が存在するわけでもないので,輸入系のアイテムに強いゲームショップが入荷してくれるのを待つか,個人輸入するほかない。
 評価に当たって筆者はAIMON PSとFRAGnSteinを国内のショップから購入したが,リンクはあえて示さないので,以下の記事を読んで興味を持った場合は,各自検索してみてほしいと思う。

※注意
 本記事で紹介している「AIMON PS」「FRAGnStein」は,PS3およびソニー・コンピュータエンタテインメントのライセンス製品ではありません。製品を使用して,PS3本体などに不具合が発生しても,メーカー,4Gamer編集部および筆者は一切の責任を負いません。あらかじめご了承ください。


同型,同機能のAIMON PSとFRAGnStein
右手にマウス,左手に専用コントローラというスタイル


AIMON PS
画像集#003のサムネイル/PS3用マウス型コントローラ「AIMON PS」「FRAGnStein」レビュー。PCゲーマーはPS3で快適にFPSやTPSを遊べるのか
 さて,AIMON PSとFRAGnSteinはいずれも同型の右手用レーザーセンサー搭載ワイヤレスマウスと左手用ワイヤレスコントローラ,専用USBレシーバーのセットだ。筆者が手に入れた個体で確認した限り,両製品の違いはカラーとロゴのみで,後述する細かな操作性はさておき,機能面においても差はない。


左がAIMON PS,右がFRAGnStein。FRAGnSteinのほうが黒っぽいカラーとなっている。筆者の入手した個体では,両製品の機能は基本的に同じだったが,ホイールの感触だけは差があった。スクロールしたときのノッチがAIMON PSは緩やかになっており,どれだけ動かしたかが若干わかりにくいのだ。個体差という可能性はあるが,筆者の手元にあるものに限定していえば,ホイールの出来はFRAGnSteinが上といえる
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画像集#030のサムネイル/PS3用マウス型コントローラ「AIMON PS」「FRAGnStein」レビュー。PCゲーマーはPS3で快適にFPSやTPSを遊べるのか
 同型で同機能なのに別々の製品として存在するのはどういうことなのか。実のところFRAGnSteinはAIMON PSよりも早期に販売されていた製品であり,日本国内での知名度もFRAGnSteinのほうが上。
 しかし,スイスのSplitFishが取り扱う別のマウス型コントローラ「FragFX」から,ソフトウェアコードを盗用しているとして問題になったことがあり,それ以降,FRAGnSteinの出荷が停止されてしまっているようなのだ。

 面白い(?)のは,2011年1月22日現在,FRAGnSteinの製品ページは,販売元のBannco公式サイトとともに閲覧できなくなっており,その代わり,AIMON PSを取り扱うTuactの公式サイトに,FRAGnSteinのドライバダウンロードページなどが移設されていること。実質的に,FRAGnSteinの名前と発売元を変えた現行製品が,AIMON PSなのだと考えていいだろう。
 今のところ,Banncoでの取り扱いが終了したとはいえ,FRAGnSteinもまだ市場には存在するため,日本国内においてはどちらも入手できてしまうというわけだ。もっとも,今後市場で手に入るのはAIMON PSのみとなっていくはずである。

画像集#008のサムネイル/PS3用マウス型コントローラ「AIMON PS」「FRAGnStein」レビュー。PCゲーマーはPS3で快適にFPSやTPSを遊べるのか
 以上,AIMON PSとFRAGnSteinは基本的に同じ製品であるということを踏まえたうえで,まずはワイヤレスマウスの仕様から確認していこう。
 サイズは両製品共に実測62(W)×117(D)×35(H)mm。重量は動作に必要な単3形電池1本を抜いた状態の実測値で,AIMON PSが127g,FRAGnSteinが126.5gだ。電池の重量を含めるとそれぞれ実測153g,152.5gとなる。重量に0.5gの差があるものの,この程度なら個体差という可能性も考えられ,ほぼ同じといっていいだろう。
 単三電池を使用するワイヤレスマウスだけあって,一般的なPC用マウスより少し小さい程度のサイズにしては,かなり重めの重量だ。

AIMON PSと4Gamerの比較用リファレンスである「G5 Laser Mouse」(型番:G-5T,以下 G5)を比べてみると,前者のほうが一回り小さい。PC用マウスのサイズに当てはめると,中型といえそうではあるが,それにしては35mmと背が低めになっているのも特徴か
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画像集#011のサムネイル/PS3用マウス型コントローラ「AIMON PS」「FRAGnStein」レビュー。PCゲーマーはPS3で快適にFPSやTPSを遊べるのか

PS3のコントローラに合わせて□,×,○,△がサイドボタンに描かれている。筐体前側にポツンと置かれているサイドボタンが[F]ボタンだ
画像集#012のサムネイル/PS3用マウス型コントローラ「AIMON PS」「FRAGnStein」レビュー。PCゲーマーはPS3で快適にFPSやTPSを遊べるのか
 ボタン構成は,左右メインとセンタークリック&チルト機能付きスクロールホイール,ホイール近くに1,左サイドに5となっている。一般的なPC用マウスから考えれば随分とボタンが多いが,これはホイール近くのボタンに[START],サイドボタンに[□/×/○/△]といったPS3で使うボタンを割り当てる仕様(詳細は後述するが,カスタマイズして割り当てを変更することは可能)となっているためだ。残る1つのサイドボタンは,PS3とは無関係な,マウスの設定変更に使用する[F]ボタンとなる。

 これに加えて,デフォルトの設定では左メインが[R1],右メインが[R2],センタークリックが[R3]ボタンを担当。一般的なPS3用FPS/TPSでは[R1]ボタンで射撃を行うので,左クリックをすればPCゲームのように敵を撃てるというわけである。
 また,言うまでもないことかもしれないが,PS3の右アナログスティックで行う動作,つまりFPS/TPSにおける視点移動はマウスを動かすことで行える。

画像集#013のサムネイル/PS3用マウス型コントローラ「AIMON PS」「FRAGnStein」レビュー。PCゲーマーはPS3で快適にFPSやTPSを遊べるのか
画像集#014のサムネイル/PS3用マウス型コントローラ「AIMON PS」「FRAGnStein」レビュー。PCゲーマーはPS3で快適にFPSやTPSを遊べるのか
 マウスに搭載されたボタンの数では,PS3で使用するには足りていないが,そこで出番となるのが左手用のワイヤレスコントローラだ。
 ワイヤレスコントローラには,筐体上部にアナログスティックと6つのボタンが,筐体前方の側面に2つのボタンがそれぞれ用意されている。これらは順に,デフォルト設定でPS3における左アナログスティック,十字キー,[SELECT][PS]ボタン,[L1][L2]ボタンが割り当てられており,マウスと合わせることでPS3のボタンをすべてカバーできるのだ。

 サイズは実測39(W)×118(D)×54(H)mmとなっており,左手のみで握れる大きさ。イメージとしては,Wiiのヌンチャクコントローラのようなものだと考えると分かりやすいかもしれない。
 ワイヤレスコントローラの重量はAIMON PS,FRAGnSteinともに実測79.5g(電池を含めると105g)で,ゲームをプレイしていてもとくに気にはならない重さである。

画像集#016のサムネイル/PS3用マウス型コントローラ「AIMON PS」「FRAGnStein」レビュー。PCゲーマーはPS3で快適にFPSやTPSを遊べるのか
ゲーム中は基本的に,手のひら,薬指,小指で筐体を支え,親指をアナログスティック,人差し指と中指を筐体前方の側面にあるボタン2つに添えるスタイルでコントローラを持つことになる
画像集#015のサムネイル/PS3用マウス型コントローラ「AIMON PS」「FRAGnStein」レビュー。PCゲーマーはPS3で快適にFPSやTPSを遊べるのか
マウス,コントローラそれぞれに単3形電池1本が必要だ


使用前にファームウェアをアップデート
導入までの手順はなかなか面倒


 AIMON PSとFRAGnSteinはファームウェアによってその挙動が管理されている。PS3のシステムアップデートに合わせたコントローラ側の対応もファームウェアによって行われる仕様になっており,ファームウェアが最新でない場合,PS3に接続してもコントローラとして認識されないこともあるので,両製品の利用にあたっては,ファームウェアアップデートが必須だ。そして,ファームウェアアップデートはPCに接続した状態で行う仕組みになっているため,AIMON PSやFRAGnSteinを使うには,PS3のほかにPCも必要ということになる。
 
 アップデートのためにはまず,PCとの接続に必要なドライバーとファームウェアを,Tuactの公式サイトでダウンロードする。AIMON PSにはファームウェア単独のダウンロードページは用意されていないが,カスタマイズ用のソフトウェアに同梱されているのでそちらをダウンロードすれば問題ない。ダウンロード後の手順は下記のとおり。

  1. ドライバーをPCにインストール
  2. USBデバイスを,デバイスの側面にあるボタンを押しながらPCに接続する
  3. AIMON PSならカスタマイズ用ソフトウェア内のファームウェアアップデートの項目を選択,FRAGnSteinならアップデート用のファイルを使用し,アップデートを行う

USB端子とは反対側の側面にボタンがある。このボタンにはUSB接続時やマウス&コントローラとのペアリング時に点灯するLEDが搭載されており,一見ボタンだと分かりにくい
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 ここで注意が必要なのがUSBデバイスの接続方法だ。USBデバイスには,USB端子とは反対側の筐体側面にボタンが1つ搭載されている。これを押しながらPCのUSBポートに差し込み,数秒後に指を離すことで,USBデバイスがファームウェアアップデートが可能なモードで接続される仕組みになっているのだ。

 ちなみにボタンを押さずに接続した場合,PCでAIMON PSやFRAGnSteinを利用できたりする。PCで使いたい人がいるかどうかはともかく,前出のカスタマイズ用ソフトウェアから機能を割り当てると,PC用マウス&左手用簡易キーパッドとして利用可能だ。

筐体側面にあるボタンを,接続後もしばらく押しっぱなしにすることでアップデートが可能となる。目安としては約3秒以上だろうか。ちなみに,約2秒で指を離すと,マウスパッドの状態がAIMON PSやFRAGnSteinに適しているか測定するモードとなり,測定値はカスタマイズ用のソフトウェア上で確認可能だ。また,ファームウェアの種類はいくつかあり,PS3用の「バトルフィールド:バッドカンパニー2」や「コール オブ デューティ ブラックオプス」などに合わせたものも存在する。特定のタイトルに合わせるつもりがなければ,AIMON PSなら「STD」,FRAGnSteinなら「Standard」を選択しておけばいいだろう
画像集#018のサムネイル/PS3用マウス型コントローラ「AIMON PS」「FRAGnStein」レビュー。PCゲーマーはPS3で快適にFPSやTPSを遊べるのか 画像集#019のサムネイル/PS3用マウス型コントローラ「AIMON PS」「FRAGnStein」レビュー。PCゲーマーはPS3で快適にFPSやTPSを遊べるのか

 ファームウェアをアップデートしたら,プレイするゲームに合わせたマウスの設定に入る。ただ,一口に「マウスの設定」といっても,実際には,

  1. カスタマイズ用ソフトを用いた,PC上での基本設定
  2. PS3に差した状態で行う,挙動の詳細設定
  3. PS3タイトル側に用意されたオプション設定

の3つを行わなければならず,なかなか手間がかかる。

 ファームウェアアップデートでUSBデバイスがPCに接続されているはずなので,まずは,PCが必要となるカスタマイズ用ソフトウェアから手を付けていこう。上述したアップデートモードの状態でUSBデバイスをPCに接続すれば,カスタマイズ用のソフトウェアを利用できる。AIMON PSとFRAGnSteinでソフトウェアは異なるが,基本的にどちらも機能は同じだ。

 これらのソフトウェアでは,ボタン割り当て,ボタン感度,連射機能の速度などを変更できるので,プレイするゲームや好みによって設定すればいいだろう。ただし,1月22日時点ではAIMON PSのソフトウェアは表示に不具合があり,ボタンが見える位置を押しても何も反応がなく,その下のほうの何もない部分をクリックするとボタンが押せたりする。どうやら,全体的に表示がズレてしまっているようで,ボタン割り当てはなんとか変更できるものの,そのほかの設定においてはどの数値が選択されているか分からないので,かなり不便だ。
 幸い,マウス感度などのプレイに大きく関わる重要な項目は,このソフトウェアではなく,ゲーム中に設定することとなるので,無視してしまってもあまり困らないが,早めに修正してもらいたいところである。

左がAIMON PS用,右がFRAGnStein用のソフトウェア。前者はなんだか表示がおかしなことになっている
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電源ボタン部のLEDが点灯すれば,USBデバイスとのペアリングに成功している
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 PCでの作業が完了したら,次はPS3上でマウスの感度などを設定していきたい。USBデバイスをPS3に接続し,その後マウスとコントローラにそれぞれ搭載された電源ボタンを押せば,電源ボタン部のLEDが点灯して,PS3上で利用可能な状態となる。
 点灯していて,ファームウェアのアップデートを済ませているのに動かないという場合は,「PS3起動後は最初にコントローラの[PS]ボタンを押す」という,PS3の仕様を思い出してほしい(※筆者は初回,見事に忘れており,けっこう慌てた)。デフォルト設定では,左手用コントローラの電源ボタンが[PS]ボタンだ。

 マウス感度などの設定は,プレイするゲームを起動してから行う。公式サイトのマニュアルによれば,ゲーム中にマウス左側面の[F]ボタンを押しながら,チルトホイールを上下に動かすと「Dead Zone」が,左右に動かすと「Mouse Speed」が調整できるという。Tuactは両設定に関してほとんど説明していないのだが,文字どおり受け取るなら,前者は,マウスの動きがわずかな場合,その入力を無効にする“遊び”関連の設定。後者は,マウス感度の設定だ。

[F]ボタンを単体で押した場合は,Dead Zoneの設定が高いほど速く視点が回転する。今どの程度の設定にしたのかという目安になるだろう。[F]ボタンは筐体前側に配置されているため,ゲームプレイ中とっさに押すのは難しい
画像集#026のサムネイル/PS3用マウス型コントローラ「AIMON PS」「FRAGnStein」レビュー。PCゲーマーはPS3で快適にFPSやTPSを遊べるのか
 Dead Zoneの調整は機能が分かりにくく,なかなか厄介。遊びの変更というと,動作を無効化する範囲そのものが調整できそうだが,AIMON PSとFRAGnSteinにはDead Zone設定に関わらず遊びが存在する。ではDead Zoneの調整で何ができるのかというと,「遊びの範囲以上にマウスが動いたとき,どの程度スティックが傾いていることにするか」を変更できるのだと考えられる。
 PS3のアナログスティックを使って視点を移動させる場合,スティックの傾け具合でその速さが決まる。一方AIMON PSとFRAGnSteinの場合は,マウスを動かす速さで視点移動の速さも決まるわけだが,どうやら動き出しの速さを最初から「スティックをある程度傾けた状態」として設定しておくことで,動き始めから一気に視点を移動させようという機能のようだ。

 ただし,この設定値を大きくする(=スクロールホイールを上方向に回転させる)と,たしかにマウスを大きく動かしたときには視点の移動速度を向上させられるのだが,ゆっくり動かしたときには「突然カクッと視点が移動する」ことになってしまう。しかも,Dead Zone設定を高めれば高めるほど,いわゆる「PCゲームにおけるマウス操作の挙動」からかけ離れていくので,PCゲーマーの使用を前提にするなら,最低設定を推奨したい。

 一方のMouse Speedは,マウスを動かしたときにどれだけ視点が移動するかを調整するものなので,自分の好みに合わせて変更すればいいだろう。

 最後にゲーム側のオプションについてだが,AIMON PSとFRAGnSteinに備えられたMouse Speed設定とは別に,ゲーム側に感度設定が用意されていることがある。両製品を使う場合でもゲーム側のオプション設定の影響を受けるので,こちらもうまく調整して自分に合った環境を用意したい。

 以上,ざっと説明してきたが,実際の手順としては,「PC上でしか行えないボタン設定などを済ませ,とりあえずゲーム側の感度設定を最大にしてから,マウス側の詳細設定も済ませる」のが,一番手っ取り早いように思う。マウス感度に不満があったら,そこでゲーム側のオプション設定を少し弄って,再度,マウス側の微調整も行うのがよさそうだ。


いざ,戦場へ。PC用マウスのような動作は期待できないが,コントローラよりはいいかも


ゲームプレイにおいてもAIMON PSとFRAGnSteinに差は感じられない。しかし,今後ファームウェアのアップデートによって,マウスの挙動などに差が生じる可能性はある。今後のサポートという点では,現行製品であるAIMON PSのほうが安心できるかもしれない
画像集#023のサムネイル/PS3用マウス型コントローラ「AIMON PS」「FRAGnStein」レビュー。PCゲーマーはPS3で快適にFPSやTPSを遊べるのか
 マウスの設定が済んだら,実戦投入である。
 実際に使ってみると,PCゲーマーとしては,コントローラで操作するよりも「マウスで視点を動かし,クリックで射撃」という操作のほうがやはりしっくりくる。敵に照準を合わせて撃つという観点では,AIMON PSやFRAGnSteinのほうが明らかに快適だ。PCゲームと比べると,動作に若干のもたつきは感られるものの,それでもアナログスティックよりはストレスなくプレイできる。

 PCゲーマーなら,左手に専用コントローラを持つのは不便ではないかと思うかもしれないが,こちらは意外と問題なく操作できてしまう。確かに,キーボードとはまったく違う形状ではあるのだが,「左手で移動を行う」という基本的な操作はPCゲームと変わらないので,キーで移動できないとつらい,というほどではない。

 しかし,大きな欠点も存在する。AIMON PSとFRAGnSteinには,上述したように細かな動作を無効化する遊びがあり,そのせいで敵の頭を目掛けて狙いを微調整といったことができないのだ。とくにスナイパーライフルなどの高倍率スコープを覗いて狙うといったシチュエーションでは,マウスを動かして狙っているつもりが視点はまったく動いていないという現象が発生しやすい。残念ながら,細かな動作を行うのはかなり厳しい印象だ。

 また,ボタン配置の関係上,サイドボタンでさまざまな操作を行わなければならないというのも,PCゲーマーとしてはマイナスポイント。[□/×/○/△]ボタンがサイドボタンにあるということは,PCゲームで例えるならば[E]キーや[R]キー,「Space]キーなどをまとめてマウスで操作しなければならないようなもので,どうしても不便に感じてしまう。

[F]ボタンと[L1]ボタンを同時に押すと,通常[L1]に割り当てられている「押してる間はアイアンサイトやスコープなどを覗いて狙いを定める」という動作を,「一度押すと狙っている状態になり,もう一度押すと解除される」というように変更できる。ほかにも,[F]+センタークリックを押せば,チルトホイールの左右で素早く視点を動かせるモードを有効にできたりする
画像集#024のサムネイル/PS3用マウス型コントローラ「AIMON PS」「FRAGnStein」レビュー。PCゲーマーはPS3で快適にFPSやTPSを遊べるのか


マウスで視点を動かせるという点ではアリ
使うのならシングルプレイ限定で


今回はPS3用製品であるAIMON PSとFRAGnSteinを紹介したが,TuactはXbox 360用のマウス型コントローラ「AIMON XB」も取り扱っている。Xbox 360でマウスが使いたいという人は,Tuactの公式ページを確認しよう
画像集#027のサムネイル/PS3用マウス型コントローラ「AIMON PS」「FRAGnStein」レビュー。PCゲーマーはPS3で快適にFPSやTPSを遊べるのか
 AIMON PSとFRAGnSteinは,「PS3のゲームをPCと同じ感覚で遊べるか」といわれると,さすがにそこまでの再現はできていない。PCゲームに慣れているからこそ,どうしても操作に違和感を感じてしまうのは事実だ。
 しかし,マウスを動かして敵を狙い,クリック1つで敵を撃てるというのは,それだけで魅力的でもある。そこさえクリアになっていれば,PS3のFPS/TPSを楽しめるというPCゲーマーには,十分に勧められる製品といえよう。

 ただし,有効な製品である以上,オンラインプレイでは使わないほうがよい,ということは心に留めておいてほしい。なぜなら,PS3のマルチプレイFPS/TPSや,オンラインランキングが用意されているタイトルでは,AIMON PSのような製品が使われることを,チート行為と認識するプレイヤーが少なからず存在するからだ。こういった製品は,あくまで「今まで敬遠していたPS3のオフラインFPS/TPSを快適に遊ぶためのデバイス」として利用していくべきだろう。
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