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コーエーネット,家庭用ゲームレンタル事業「RentaNet」を発表
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RentaNetは,POS管理システムとサーバー,商品のバーコード管理システム,キャッシャーを包括したシステムで,ゲーム小売店などに向けて供給するもの。
上記システムにより,ゲームメーカー,小売店はゲームソフトのレンタルによって収益を上げられ,プレイヤーは高い利便性とリーズナブルな料金でゲームを遊べるという。
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現状,ゲームの新品販売は,メーカーからコーエーネットのような卸業,そして小売店で密接に絡み合うことで成立している。が,中古販売は小売店と消費者間のみでの取り引きに終わっているため,中古販売による利益を,開発元であるゲームメーカーが手にすることはできない。
ゲームメーカーにとって中古販売は,新製品の寿命(長いものでも8週間程度が限界)を短くするうえに,中古販売による利益を得られないという点で,まさに目の上のたんこぶといったところ。こういった事情もあり,ゲームソフトの中古販売を阻止するべく,著作権法を盾にした訴訟が過去にいくつか提起されていることを覚えている人もいるだろう。結果的に2002年の最高裁により,ゲームソフトの中古販売は著作権法に違反しないとの判断が下されているのだが,コーエーは,その当事者でもあった。
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また,プレイヤーにとっても,より低価格にゲームを遊ぶうえで,中古販売の存在は大いに役立っているはずだ。
こうした利害の対立は,法整備や流通システムの抜本的改革などが(いくつかの試みはなされながらも)行われないままに進行し,なし崩し的に常態化してしまっているのが現状といえるだろう。
知的財産権を重視する流れができつつある昨今,このような状態を脱し,ゲームメーカー,小売店,そしてプレイヤーすべてにメリットがあるシステムとして,コーエーネットはRentaNetを立ち上げることになったようだ。
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なお,コーエーネットとしては,前述の販売に関するシステムを小売店に対して販売するとともに,小売店から月々のシステム利用料を徴収するという形で,収益を上げたいとのこと。
さて,ここで一番気になるのは,プレイヤーがいったいどれぐらいの対価を支払うことで,ゲームを遊べるのかという点だろう。
コーエーネットの名誉会長である襟川恵子氏は,あくまでもサービス開始前である現段階の想定として,以下のようなレンタル料金を検討していると語った。
●発売後1〜3か月程度経過したタイトル「New」
・4泊5日……2700〜2800円程度
・1か月……5000円強(新品価格の8割程度)
●発売後3〜1か月程度経過したタイトル
・4泊5日……880〜900円程度
・1か月……3700〜3800円程度
●発売後1年以上経過したタイトル「クラシック」
・4泊5日……500円以下
ただし,販売店ごとの会員割引やポイント制度によって,このあたりは細かく変化する余地があるとのことだ。
なおRentaNetで想定している販売店は,従来のゲーム販売店のみならず,ゲームメーカー系のゲームセンターなども含まれる。こういったさまざまな店舗に対し,RentaNetのシステムを供給したいという構えだ。
新作タイトルに関しては,プレイヤーにとって価格的なメリットがそれほどあるようには思えないが,これはやはり,新作タイトルは新製品として販売したいという意志の現れだろう。ただ,遊び忘れていたけれども中古を買うほどではない……が,ちょっと遊んでみたい旧作タイトルに,気楽に触れられるようになるのは,プレイヤーにとっても嬉しいところではないだろうか。
といっても,ここでネックになるのは,いったいどの程度のラインナップが用意されるのかという点。現時点では具体的な参加メーカーや,レンタル対象タイトルは明らかにされていないが,サービス開始時点で各社と協議のうえ,100タイトル前後の新旧ゲームソフトを取り扱いたいとしている。ただし,PCゲームソフトのレンタルに関しては,現在のところ予定されていない。
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PCゲームに続き,コンシューマゲームもオンライン対応が,レトロゲーム配信も含め,いわば必然化している現在。RentaNetの動きは,時代の流れに逆行しているように見えなくもない。とはいえ,PCゲーム市場より,はるかに母数の多いコンシューマゲーム市場において,RentaNetはどのようにかじ取りを行っていくのだろうか。非常に興味深い試みと言えるだろう。
ちなみにコーエーは1986年,ゲームソフトのレンタルを差し止める仮処分を大阪地裁に申請し,これが認められたという歴史もある。そんなコーエーのグループ会社が,20年の時を経てレンタル事業に乗り出すというのは,時代の移り変わりを痛感させられずにはいられない。(Text by TeT / Photo by kiki)
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