【Mac】アップル，Intelプロセッサ搭載Mac miniを発表

　アップルコンピュータは3月1日（日本時間），2月28日（米国時間）に米本社が行った発表を受け，IntelのCoreプロセッサを採用した低価格デスクトップ「Mac mini」の発売を開始した。

　今回発表されたのは，「1.5GHz」と「1.66GHz」の2モデル。価格はそれぞれ，7万4800円（税込），9万9800円（税込）となっている。

Mac mini（1.5GHzモデル）
・CPU：Core Solo/1.5GHz
・メインメモリ：512MB（PC2-5300 DDR2 SDRAM）
・HDD：60GB（Serial ATA）
・光学ドライブ：コンボドライブ（DVD-ROM/CD-R/RW）
・グラフィックスチップ：Intel GMA950
・ネットワーク：AirMac Extremeワイヤレスネットワーク（IEEE 802.11g準拠），10/100/1000BASE-T，Bluetooth 2.0＋EDR
・USB 2.0ポート×4
・サウンド入力ポート×1
・サウンド出力ポート×1
・DVI出力ポート×1
・Front Row対応（Apple Remoteコントローラ付属）
・7万4800円（税込）

Mac mini（1.66GHzモデル）
・CPU：Core Duo/1.66GHz
・メインメモリ：512MB（PC2-5300 DDR2 SDRAM）
・HDD：60GB（Serial ATA）
・光学ドライブ：SuperDrive（DVD+R DL/DVD±RW/CD-RW）
・グラフィックスチップ：Intel GMA950
・ネットワーク：AirMac Extremeワイヤレスネットワーク（IEEE 802.11g準拠），10/100/1000BASE-T，Bluetooth 2.0＋EDR
・USB 2.0ポート×4
・サウンド入力ポート×1
・サウンド出力ポート×1
・DVI出力ポート×1
・Front Row対応（Apple Remoteコントローラ付属）
・9万9800円（税込）

　両モデルでは，CPUとHDD容量，光学ドライブが異なる。2万5000円という価格差を考えると，上位モデルのほうがお買い得感はあるだろう。
　従来との大きな差は，もちろんIntel製のCPUが採用されたことにあるが，音楽や写真，DVDの再生などをリモコンで行える「Front Row」に対応した点もポイントだ。付属するDVI-VGAアダプタを使用すれば，アナログVGA入力を搭載したHDTVと組み合わせ，Macを使ったマルチメディアコンテンツの再生が，これまで以上に快適に楽しめそうだ。
　ちなみにBTOオプションで，メモリは最大2GB，HDDは最大120GBのものを選択することも可能。
　OSは，Mac OS X v10.4“Tiger”。写真の整理/加工，ムービー編集，DVD作成，作曲，Web制作などを行える統合パッケージ「iLife '06」も付属する。

　Mac Miniは，その名のとおり約W165×H50.8×D165mmという小型のケースが採用された，省スペースで低価格なデスクトップシリーズ。ちなみに重量は，従来モデルが約1.32kgだったのに対し，約1.31kgと若干軽量化されている。iMacのようにディスプレイ一体型ではなく，またキーボードやマウスも付属しないという，Macintoshシリーズとしては思い切った構成が特徴だ。
　ディスプレイ（DVI接続）やキーボード，マウスなどはWindowsマシンのものを流用可能なので，2005年1月に最初のモデルが発表されたときには，WindowsからMacintoshへの移行や併用を考えている人をターゲットにしたプロモーションでも話題を呼んでいた。

　アップルは，この1年で全MacintoshシリーズのラインナップでIntel製のCPUを採用することを表明しているが，今回の発表により，「Intelプラットフォームへの移行開始以来60日以内で全製品の50％の移行を完了させた」（ワールドワイドプロダクトマーケティング担当シニアバイスプレジデント フィリップ・シラー氏）とのこと。エントリー向けノート型である「iBook」の後継機と，ハイエンドデスクトップモデル「PowerMac G5」の後継機が，いつごろの発表になるのか，非常に気になるところだ。



　なお本日はMac miniのほかに，iPod用の周辺機器「iPod Hi-Fi」も発表され，発売がスタートしている。
　こちらは，80mmコーン×2と130mmウーハーが採用された，iPod用2.1chスピーカーユニット。本体上部にUniversal Dockを備え，本体下部にDockコネクタを持つiPod全機種（nanoを含む）と接続し，音楽を楽しめる（オーディオ入力ポートを使用すればiPod shuffleなどでも使用可能）。電源は，付属のACアダプタのほか，単1形乾電池（6本）にも対応しており，どちらを使用していてもiPodの充電は可能だ。
　サイズはW431.8×H167.6×D175.3mm，重量6.6kg（乾電池非装着時）。価格は4万2800円（税込）。

　当初，「新しいiPodが発表されるのでは」という噂もあったのだが，今回は周辺機器の発表にとどまったため，落胆している人もいるだろう。だが，サードパーティが数多くのiPod用スピーカーをリリースしている中，この分野にアップル自らが乗り込むというのは，今後のiPod関連市場を占ううえで，興味深い展開ではある。次の一手に注目したい。（TeT）