伝説的なラリースト，コリン・マクレー氏がヘリコプター事故で死去

　スコットランド出身の伝説的なラリースト，Colin McRae（コリン・マクレー）氏が，自己所有のヘリコプターを操縦中に自宅のあるラナーク近郊に墜落するという事故に遭い，39歳の若さでその生涯を終えた。
　マクレー氏は，我々ゲーマーにとってもCodemastersの看板ソフトColin McRaeシリーズで，知名度は高い。6月には「Colin McRae: DiRT」がPC，Xbox 360，PLAYSTATION 3でリリースされており，発売第一週で50万本の売り上げを記録するなど，人気を博している。

　マクレー氏は，1987年に世界ラリー選手権（WRC）に初参戦。1991年にはスバル・プロドライブチームに見出され参加したイギリス選手権を制覇。1993年にはスバル・レガシィを駆って自身ならびにスバルにとってのWRC初勝利を収めている。1995年にはイギリス人としてだけではなく，WRC史上最年少でドライバーズチャンピオンを獲得したほか，1997年の3年間までに全10勝を上げてスバルのマニファクチャラーズタイトル3回連続の受賞に貢献した。2002年までの通算25勝はWRC歴代3位となる偉業を達成している。
　リスクを犯しても挑戦することを目標に掲げ，しばしばスピードの出しすぎで衝突事故を起こしていたことからMcCrash（壊し屋マクレー）と呼ばれることもあった。

　CodemastersのColin MacRaeシリーズは1998年に第1作が登場。DiRTは第6作にあたる。「Colin McRae Rally 04」以降は，WRCとの契約は切れていたが，シリーズの人気が継続したのはマクレー氏自身の人気も一役買っていたのは間違いないだろう。

　事故が起きたのは2007年9月16日の午後4時ごろ（現地時間）。近くの町まで5歳の長男ジョニー君を含める4人で遊びに行った帰りのことだったという。マクレー氏の公式サイトには，父ジム・マクレー（Jim McRae）氏の「コリンとジョニーらが，こんなに悲劇的な形で短い命を終えたことが信じられません」というコメントと共に，葬儀は家族やごく身近な友人のみで静かに行われることが書かれているほか，Codemastersは特設ページを開設している。
　ラリー界，そしてゲーム界にとって大きな財産だったコリン・マクレー氏，そして今回の事故で亡くなった方々のご冥福をお祈りしたい。