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カプコン・杉浦一徳氏×セガゲームス・酒井智史氏によるプロデューサー対談。両氏が語るオンラインゲームの運営やポリシー,そして今後の展望
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印刷2015/12/29 00:20

インタビュー

カプコン・杉浦一徳氏×セガゲームス・酒井智史氏によるプロデューサー対談。両氏が語るオンラインゲームの運営やポリシー,そして今後の展望

ピエロでもいい。プレイヤーの前に出て直接コミュニケーションを図る


4Gamer:
 オンラインゲームとパッケージ販売のゲームではっきり異なる点として,プロデューサーをはじめとする運営側とプレイヤーとの距離が挙げられます。とくにPSO2やMHF-Gでは,オフラインイベントを通してプレイヤーと積極的に触れ合っていますが,こうしたポリシーはプロデューサーの立場になってから考えるようになったのでしょうか。

画像集 No.040のサムネイル画像 / カプコン・杉浦一徳氏×セガゲームス・酒井智史氏によるプロデューサー対談。両氏が語るオンラインゲームの運営やポリシー,そして今後の展望
酒井氏:
 僕はもともと,プレイヤーとの距離を縮めたい,という考え方でした。PSO時代はユーザーイベントにもよく参加していましたし,メディアへの顔出しも積極的にやっていたんです。それは,PSOを手がけたソニックチームの上司だった中 裕司さん(現プロペ 代表取締役社長)が,お客さんとの距離を縮めようとするタイプだったので,その影響が大きいですね。
 ただ,PSUでいろいろなトラブルがあり,表に出るのを止められていた時期がありまして……。その時期は自分でもモヤモヤしていたので,PSO2では再び積極的にお客さんの前に出ようと。正確には,その前の「ファンタシースターポータブル」からですけれども,スケープゴートでもピエロでもいいから,お客さんの中に入っていくというのは,ポリシーとして決めています。そうやってファンを増やしていくのは,オンラインゲームではとくに大事なことではないでしょうか。

4Gamer:
 そう考える理由を,もう少し説明してもらえますか。

酒井氏:
 オンラインゲームでは,運営の顔が見えないと,お客さんはすごく不安になると思うんです。やっぱり「どうしてこれをやったのか」「なぜそうなるのか」といった説明がないと納得いかないじゃないですか。それを,ちゃんと説明できる人が見える形でいたほうがいいですよね。
 もう一つ,人間は顔が見えない相手に対して,何を言ってもいいと思いがちです。たとえばテレビに出てくる人達に対して,“向こう側の人”という認識であれば,どこまでも厳しいことが言えます。しかし,その相手と実際に接して,それが生身の人だと感じるようになると,ちょっと親近感が沸いて,少しだけ優しくなれることってありますよね。

4Gamer:
 確かに,直接顔を合わせた人は,よほどのことがない限り,心理的に悪く言いにくくなるかもしれません。

酒井氏:
 そうやって少しずつでも,運営に対する親近感を覚えてもらえれば,同じ厳しい指摘であっても,言葉に棘が無くなったり,ニュアンスが和らいだり,前向きな代案を一緒に提案してもらえたりするんです。厳しい中に,励ましの一文が入っていたりすると,本当に心がやすらぎますね。これが顔を見えない運営に対してだと,本当に罵倒しかない状態になります。
 もちろん,オフラインイベントなどで対面で話してるときに罵倒してくる人なんていないわけですよ。その後で,掲示板やSNSにいろいろと書かれたりしますが(苦笑)。

杉浦氏:
 厳しいご指摘はいただきますけど,ネット上のテンションで面と向かってクレームを付けてくる人はいませんよね。

酒井氏:
 基本的にはゲームに対して愛があるからこそ,口にしたいことがあるわけです。全然,楽しんでいない,関心もないのであれば,厳しい意見も言われません。もっとゲームを楽しみたい,面白くしたいから,意見を寄せてくださるわけですから。

杉浦氏:
 そもそも自分の時間を使って,イベント会場に足を運んでくださる時点で愛がなければできませんよ。

酒井氏:
 ですから,どんな意見であれ,ゲームのことを考えてくれる人はありがたいと思っています。そんな中でも,「運営側の僕らも人間」というところは分かってほしい(笑)。

杉浦氏:
 そのとおり(笑)。

画像集 No.041のサムネイル画像 / カプコン・杉浦一徳氏×セガゲームス・酒井智史氏によるプロデューサー対談。両氏が語るオンラインゲームの運営やポリシー,そして今後の展望

酒井氏:
 杉浦さんといえば,MHF-Gの全国ツアーは本当にスゴイと思いましたよ。3年以上かけて,47都道府県を全部回られたんですよね。

※2009年3月の福岡大会を皮切りに日本全国のネットカフェで開催された「VS.クエスト チャンピオントーナメント」のこと。2012年7月の栃木大会で47都道府県全制覇を達成。

関連記事:3年以上の歳月をかけ,ついに47都道府県を踏破! 「MHF」オフラインイベント「VS.クエスト チャンピオントーナメント in Summer 2012」栃木大会のレポートを掲載


杉浦氏:
 やりました! とにかくスケジュールが過密で,移動が大変でした。土曜日のイベント終了後,すぐに次の開催地まで移動して深夜24時過ぎにホテルにチェックイン。それで翌日の日曜日開催とか(苦笑)。とくに高知がキツくて……。

4Gamer:
 と,いいますと。

杉浦氏:
 私は飛行機が苦手なので,電車で高知に行ったのですが,電車の揺れでかなり酔ってしまいました。ほかにも山口ではイベント終了後,猛吹雪に遭って東京に帰れなくなり,あやうく野宿しかけたり……。本当にオフラインイベントは体力を使いますよね。

酒井氏:
 ええ。収支的な話をすると,ほとんど赤字,よくてトントンくらいなんですよ。
 それでも,足を運んでいただいた方のモチベーションが上がり,ゲームを盛り上げてくれる「いいお客さん」になってくださる可能性が高いから,やるんです。僕は,イベントを通じて「つなげてナンボかな」と思っています。それは,お客さん同士も然り,お客さんと我々運営も然り。

杉浦氏:
 データを見れば分かることですが,お客さんは毎日のように,ゲームから離れているんです。ただ,その数字だけ見ていると何の感情も浮かびません。「ああ,今日は何人やめちゃったな」としか思わない。
 しかし,オフラインイベントで実際にお客さんと顔を合わせていると,「こういう人をやめさせちゃったのか」と彼らの姿を思い浮かんで胸が痛みます。だからこそ,そうならないよう,続けてもらえるように頑張ろうと思えるんです。
 とくに若いスタッフには,関東で開催するオフラインイベントにはなるべく足を運んで,直接お客さんと接してほしいと話しています。そして,そういう感情を持ってほしいですね。

4Gamer:
 なるほど。そもそも,MHFでオフラインイベントを実施しようと考えた理由を教えてください。

画像集 No.042のサムネイル画像 / カプコン・杉浦一徳氏×セガゲームス・酒井智史氏によるプロデューサー対談。両氏が語るオンラインゲームの運営やポリシー,そして今後の展望
杉浦氏:
 サービスイン当初の,運営に対する風当たりの強さを何とかしたかったんです。何をアナウンスしても,すべて悪く受け取られるという状況があったので,「この関係性はマズイぞ」と。
 実際,オフラインイベントを始めてみたところ,酒井さんがおっしゃったとおり,面と向かって直接話すことで,我々の悩みや苦労にも耳を傾けてもらえるようになったり,お叱りの中にも励ましの言葉が入ったりと,いい雰囲気に変わっていきました。
 最近私が考えているのは,なぜスマホゲームはオフラインイベントをあまりやらないのだろうということです。一部のビッグタイトルだと,影響が大きすぎて大問題になったりもしていますが,そうでないタイトルであれば,もっとやるべきなんじゃないかと。私自身,MHXRではオフラインイベントをやりたいんですよ。

酒井氏:
 確かにスマホゲームの運営は,顔が見えないところが多いという印象がありますね。

杉浦氏:
 YouTubeやニコニコ動画の番組配信に注力しているのかもしれませんが,私からすると,それらはあくまでもプロモーションの一環です。やはりオフラインイベントで直接会えるからこそ,言えること,伝えられることがありますから。
 酒井さんもピエロと表現されていましたが,僕もイジられてナンボだと覚悟を決めています。ステージ上でお客さんのパイを顔面で受け止めたこともありましたし,滝にも打たれましたし(笑)。

酒井氏:
 そうそう,滝行は「やられた」と思いました(笑)。


杉浦氏:
 あれ,最初の案は「火の輪くぐり」だったんです。それは,さすがに変えてもらいましたけど,最近は「バンジージャンプ」の企画があるとかないとか……。
 滝行の様子は映像で公開されていますけど,本当はもっと辛かったんですよ! うまく編集してあるので,僕だけ途中でやめたように見えますけど,あれは本当に危なくて,現場では死にかけていたんです。あれはやっちゃダメ。とくに冬はダメ!

(一同笑)

杉浦氏:
 とはいえ,話題になって,笑ってもらえるうちが華ですよ。そういう意味ではありがたいのですが,子どもが大きくなったときに,そんな私の姿を見てどう評価するのかと考えることはあります。

酒井氏:
 分かるなぁ(笑)。

杉浦氏:
 「お父さん,ちゃんと仕事しないで変なことばかりやってる」と誤解されるかも,と考え始めてからはちょっと弱気になりつつあります。しかし上司の小野が,率先して変なことをやっていますからね。おかげでカプコンのプロデューサーは体を張ったり,何か芸を持っていたりしないといけない,という噂が耳に入ってきますよ(笑)。

4Gamer:
 一方,酒井さんは「アークスフェスティバル2015」のステージでダンスを披露されていましたね。

関連記事:2016年,「PSO2」に変革が訪れる。新章「Reborn:EPISODE4」やPS4版の発表などが行われた「アークスフェスティバル2015」レポート


杉浦氏:
 あれはどれくらい練習されたんですか。

酒井氏:
 僕は,丸1日ですね。部屋で汗だくになるまで練習したら,次の日,動けなくなって階段の昇り降りが大変で……。


杉浦氏:
 私は,そのダンスを見たときに「やられた」と思いましたよ。滝行は言ってしまえば一発芸なので。その点,ダンスは努力の度合いが違いますから「負けた」と。こちらもちゃんと練習して見せるものを用意せねば……なんて,競う分野がちょっと違う気がしますけど(笑)。

酒井氏:
 「一体,何をやっているんだろう? これは本当にゲームプロデューサーの仕事なのかな?」と考えることもありましたよ。子どもが大きくなったときに,踊っている僕を見てどう思うのか……だんだんドキドキしてきました(笑)。


意図をうまく伝えるためには,プレイヤーの気持ちになって考えることを忘れずに


4Gamer:
 話題を変えまして,オンラインゲームのプロデューサーとして難しさを感じることを教えていただけますか。

酒井氏:
 我々とお客さんとの認識の違いから,うまく意図が伝わりづらいところですね。こちらの考えや裏でやっていることの意図をうまく伝えるのは難しいです。たとえば,週末に起きた不具合を,どうして月曜日に修正するのか,とか。

杉浦氏:
 ああ,確かに。月曜日にアップデートをかけると,その直前の土日は休んでると思われがちですね。

酒井氏:
 実際には,金曜に問題が発生したら,その修正アップデートの作業を土日に徹夜覚悟で行っているんですよ。それで,月曜にようやくアップデートを実施しているというわけです。
 仮に土日のうちに準備が整ったとしても,社内外の関係部署が動いており,ちゃんと体制が作れる月曜まで待っているのですが,「土日にしっかり休んでるんじゃねえよ」と言われてしまったり……。

4Gamer:
 不具合の程度にもよりますが,修正自体にも時間が掛かりますよね。

画像集 No.043のサムネイル画像 / カプコン・杉浦一徳氏×セガゲームス・酒井智史氏によるプロデューサー対談。両氏が語るオンラインゲームの運営やポリシー,そして今後の展望
酒井氏:
 ええ。アップデートを実施するには,まずはゲームをきちんと作る。そこから,さらにチェックをかけて,ようやくアップデートというのが基本の流れになるんですが,当然ながらお客さんがそれを理解されているわけではありません。
 さらに問題が発生したときには,データを調査して検証し,原因を特定できてから,やっと修正に入ります。そもそも問題の原因が通信環境にあるのか,サーバーにあるのか,お客さんのPC環境にあるのか。先ほど話したように,いろいろな可能性を探るので,どうしても時間がかかるのですが,そこもなかなか理解していただけません。
 ただ,それらは我々の問題なので,理解していただけないのは当然です。パッケージのゲームにはない悩みということで,難しいと感じていますね。

杉浦氏:
 自社だけでなく,関係会社を含めた問題もあったりしますね。

酒井氏:
 問題の発生箇所が,自分達の守備範囲ではないときのほうが苦労が大きいです。最近,PSO2では「ワンタイムパスワード」の障害が発生したのですが,その対策として12月3日に「Google認証システム(Google Authenticator)」の導入を発表しました。
 ゲームとは違うところのトラブルがあり,そのためにログインできないという状況は想定外だったのですが,お客様からすると一つのサービスですから「セガ,何やってんだ」と思われてしまうわけです。この問題の解決は急務であるということで,相当無理して急いだつもりなんですけれども,お客さんからすると「なんでこんなに対応が遅れたんだ」となってしまいます。もちろん,お客さんの立場になれば,そう思われるのは当たり前なんですが,分かっていても「難しいなあ」と感じます。

杉浦氏:
 それをお客さんに説明しても,「なぜそのトラブルを想定していないのか?」と言われてしまったり……。こちらの立場や状況をどう伝えれば,納得してもらえるのか,その伝え方が難しいですね。
 プロデューサーの世界に入ってから,もっとも上がったスキルは「どうすればお客さんに誤解を与えずに伝えられるか」という気の配り方です。

酒井氏:
 それは,ノウハウや経験が必要なところですよね。今でも,お客さんにうまく情報を伝えられないためにトラブルが発生することがありますけれども,それは必ず経験値の高い人間がチェックできなかったときです。

杉浦氏:
 そうですね。私も,トラブルの告知や謝罪の表明には,必ず目を通すようにしています。「この表現だと勘違いを生むから,こう直そう」という段階を踏むことが必要なんですよね。事実だけを書くのではなく,お客さんの立場を慮って一文を追加したり,今後の方針を表明したりというものがあると,だいぶ受け手の印象が変わります。
 最近ではMHXRでトラブルが起きてしまったのですが,これまでのノウハウから迅速に状況説明と謝罪の告知を発信できました。その甲斐あってか,アクティブユーザー数から換算すると1000〜2000件近いお叱りが届いてもしかたがないところ,200件強で済んだということがあったんです。

酒井氏:
 あの件は外から見ていましたが,「さすが杉浦さんだな」と思いましたよ。

杉浦氏:
 この10年,そのスキルだけは間違いなく成長しました(苦笑)。これは,オフラインイベントで直接お客さんと対話する機会があったことが大きいですね。どういう表現が誤解を与えてしまったのか,どういう説明が足りなかったのか,まさに受け手側からの意見をいただけたのがありがたかったです。

画像集 No.044のサムネイル画像 / カプコン・杉浦一徳氏×セガゲームス・酒井智史氏によるプロデューサー対談。両氏が語るオンラインゲームの運営やポリシー,そして今後の展望

4Gamer:
 イベント終了後に,来場者に囲まれている姿をよく見かけます。

杉浦氏:
 とくに社会人のお客さんからは,厳しいご意見をいただくと同時に「大変だよねえ」「くじけちゃダメだよ」と励ましてもらったり,アドバイスをいただいたりしています。
 サービスを提供している側として,あまり適切な表現ではないのですが,お客さんに学ばせてもらって成長できたところは多いですね。「お金を頂戴して,勉強できて,いい身分だな」と言われるかもしれませんけれども(苦笑)。ともあれ,サービスを提供する側として,お客さんとのコミュニケーションを密に取り続けたいと考えています。

4Gamer:
 それではオンラインゲームを運営していて「喜び」を感じるのはどんなときですか。

杉浦氏:
 シンプルに,お客さんにゲームを楽しんでもらえることが,純粋に嬉しいし,我々も楽しいです。
 とくに記憶に残っているのは,3.11の大地震(2011年,東日本大震災)ですね。あのときはゲームに限らず,エンターテイメント業界の人達は非常に悩んだと思うんですよ。電気の自粛という話もありましたし,ゲームで遊んでいてもいいのか,という空気もありました。我々もどう振る舞えばいいのか,本当に考えたんですが,当時のサーバー担当者に相談したときの彼の第一声が「普段の95%のお客さんが遊んでいるよ」。
 それで思ったのが,こんなときだからこそ楽しい時間を提供するという役目だってあるんじゃないか,何か理由をつけてサーバーを落とすのは違うんじゃないか,ということでした。お金の問題ではなく,エンターテイメントは何のために存在するのか,ということをあらためて考えさせられました。

4Gamer:
 皆が不安になっているときだからこそ,エンターテイメントが必要であると。

杉浦氏:
 私達の仕事というのは,ゲームで楽しい時間を過ごしてもらう,明日への活力にしてもらうことなので,それが達成できているという手応えがあるときには,「やった」と感じます。
 その一方で,ゲームのコンテンツだったり,課金要素だったりで,お客さんをがっかりさせてしまうこともあるので,そのときは本当に凹みます。この仕事では,その浮き沈みが頻繁に起きるので,ワケが分からなくなることもありました。今では,とにかく日頃からお客さんが普通に楽しんでいただければ,それでいいと捉えています。

酒井氏:
 オンラインゲームの良さは,お客さんとダイレクトにつながれることです。だから,アップデート直後にシップ(ゲーム内のロビー)がお客さんで溢れている様子を見ると,安心感とともに「嬉しさ」がこみ上げてきますよ。
 あとは「PSO2を通じて彼氏ができました」「友達ができました」という話を聞くと,すごく嬉しいですね。「人と人とをつなげる」というのがオンラインゲームの良さですから,新しい絆が生まれるお手伝いができたということは,本当に嬉しい。
 また,PSO2をきっかけに新しいことを始めたという人の話を聞くのも,嬉しいです。今回,アークスフェスティバルでダンスを披露しましたが,お客さんの中に「ダンスに目覚めた」という人もいらっしゃって。それはゲームだけでは味わえない楽しさであり,人生が豊かになると思うんです。そういうきっかけをゲームで与えられるとしたら,その機会をもっと増やしたいですね。

画像集 No.053のサムネイル画像 / カプコン・杉浦一徳氏×セガゲームス・酒井智史氏によるプロデューサー対談。両氏が語るオンラインゲームの運営やポリシー,そして今後の展望
杉浦氏:
 オンラインゲームで人生が豊かになる経験は,私にもあります。実はプライベートで遊んでいたオンラインゲームのギルドメンバーが,とある病院の外科部長さんだったんですよ。普段の生活だけではなかなか接点がない人物ですが,そういった出会いを実現できるのが,オンラインゲームの良さですよね。
 また私自身の結婚式のときも,自分のギルドのメンバーを呼んだり,ゲームの曲をかけたり(笑)。
 ……その反対に,ゲーム内資産を共有しているカップルの別れに立ち会ったこともあるんですよ。二人とも,「別れてからもゲームは続ける」ということで,ギルドマスターの私がゲーム内の財産分与を仕切ることになりました。

酒井氏:
 結婚の話もあれば,別れる話もある。オンラインゲームも一つの世界ですし,いろいろな出来事がありますよね……。逆にリアルでは絶対に知り合えないような人と出会えたりするのは,自分とは違うもう一つの人格でプレイするオンラインゲームならではでしょう。

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