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印刷2010/06/28 13:52

業界動向

奥谷海人のAccess Accepted / 第268回:E3 2010で公開“されなかった”ゲーム

奥谷海人のAccess Accepted

 Electronic Entertainment Expo 2010の余韻も消えかけてきた今日この頃。「Portal 2」「Halo: Reach」,そして「Gears of War 3」など,さまざまな新作/話題作がお披露目された華やかなE3 2010だったが,一方で,出展を期待されながらも,さまざまな理由で結局姿を見せなかったタイトルが存在する。いったい,あのゲームはどうなったの?

第268回:E3 2010で公開“されなかった”ゲーム

 

戦錬磨のつもりでも,なかなか完全攻略の難しいE3
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約4万5000人が参加したというE3 2010。去年よりも来場者数が増えていたのは間違いなく,注目の任天堂ブースには,発表されたニンテンドー3DSにちょっとでも触ろうと,3時間待ちという行列が出来ていた

 ゲームメディアにとって,E3(Electronic Entertainment Expo)は新発表のハード/ソフトウェアに触れることができる最良の機会だ。ブースに試遊台が並び,来場者が好きなようにプレイできるゲームもあるし,プレイできない状態であれば,シアターという形でムービーや開発者によるプレイデモが紹介されたりする。
 特別にしつらえられたプライベートエリアや商談スペースでは,より静かな環境でのグループデモや,開発者の話を直接聞く機会も得られる。

 もっとも,あまりにも新作タイトルが多過ぎて,一つのゲームをプレイするのはせいぜい10分くらいのものであるし,開発者によるデモプレイも15分から長くても30分ほどだ。
 3日間トータルの開催時間はわずか20時間。個人的に試したかったゲームに触れられなかったという残念なこともしばしば起こる。

 メーカーの中には,E3までに公開できる材料が整わなかったとか,E3に参加しても(他の作品に埋もれそうなので)出展を見合わせたとか,来年以降のラインナップなので今回は出さないとか,そういった理由で,E3 2010には出展されないソフトも少なからずある。うっかりそういうタイトルを探して足が棒のようになってしまったという経験もあるので,注意が必要だ。それにしても,なぜあのタイトルが出ていないのだろう?

 というわけで,今回はそんなゲームをいくつか紹介したい。出展ソフトのラインナップが事前に公開されることが多い最近のE3だが,仕事を離れれば我々だってゲーマーだ。ラインナップに名前はないものの,そろそろ新情報が欲しい,何かの間違いで出ていないものかと期待してしまうのは人情だろう。

 

Half-Life 2: Episode Three Valve
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「Half-Life 2: Episode Three」の唯一の手がかりとされるアート画。Aperture Scienceの調査船“Bolealis”が氷の中で凍てつき,その周囲をAdvisorが警護しているようだ

 いったい,「Half-Life 2: Episode Three」はどうなっているのだろう? 第一作の「Haf-Life 2」が独自開発のゲームエンジン「Source」を引っさげて登場したのが2004年11月のこと。完全な続編である「Half-Life 3」までの“つなぎ”になる短いゲームを「半年ごとにリリースする」とValveが発表し,2006年6月にリリースされたのが「Half-Life 2: Episode One」。翌2007年10月には「Half-Life 2: Episode Two」が発売されたが,トリオロジーを締めくくるはずの「Half-Life 2: Episode Three」は,前作の発売から3年が過ぎた現在も音沙汰なし。立て続けにヒットを飛ばし,余裕が出すぎてしまったのか,今のところ正式なスクリーンショット一枚すら公開されずにいる。最近では,Sourceの新バージョンに合わせて発表されるというウワサもあるようだ。そろそろ,前作までで何が起きたか忘れている人も多くなってきた頃なので,早くなんとかしてほしい。

 

 

Max Payne 3 Rockstar Games
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ブラジルへ逃げて世捨て人のような暮らしをし,すっかり落ちぶれた中年男になったしまったマックスだが, ニューヨーク市警時代に育んだ銃さばきは健在のようだ

 E3 2010では,新作どころか参加自体を土壇場でキャンセルしたのがRockstar Gamesである。もともと,コンベンションセンターの2階にある小さな商談ブースしか押さえていなかったようだが,E3前には「Grand Theft Auto V」を発表するというアナリストの展望もあったほどで,不参加は残念な話である。
 「Red Dead Redemption」の大ヒットで,新作を急ぐ必要がないのも大きな理由だろうが,現在分かっている範囲では,「Max Payne 3」と「L.A. Noire」が2010年末から2011年にかけてリリースされる予定だ。
 そう言えば,Rockstarは昨年のE3で,PlayStation 3エクスクルーシブになるというタイトル,「Agent」のロゴを発表していたが,あれはどうなったのだろう?

 

Beyond Good & Evil 2 Ubisoft Entertainment
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Beyond Good & Evil 2のストーリーが宮崎アニメの影響も受けていると言われているだけに,このアドベンチャーゲームの開発状況は気になるところ

 「Rayman」シリーズの生みの親であり,フランスではトップクラスのゲームクリエイターであるミシェル・アンセル(Michel Ancel)氏。彼の新作が前作から7年ぶりの新作となる「Beyond Good & Evil 2」だ。
 Ubisoft Entertainmentが,パリで行われたイベントで制作を発表したのが,2008年5月のこと。続いて,ゲームシーンを撮影したと思われるムービーがリークされたりしたものの,進展についてはまったく聞こえてこなくなった。
 しかも,今回のE3直前にアンセル氏がUbisoftを退社したという噂が流れ,それをUbisoftが打ち消す一幕もあった。Ubisoftのプレスカンファレンスにおいて,少なくともトレーラーが紹介された「I Am Alive」や「Project Dust」といった新作とは異なり,Beyond Good & Evil 2はまったくの音信不通で,ファンとしてはそれが気がかりだ。

 

Batman: Arkham Asylum 2 Warner Brothers Interactive
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各メディアから多くのゲーム賞を贈られたアクションアドベンチャー,「Batman: Arkham Asylum」。続編は果たして,どのような評価を得ることになるだろうか

 DCコミックスに対する開発者達の愛と,2008年に公開された映画「ダークナイト」の大成功によって,なんと200万本のヒットになったのが,Eidos Interactiveがリリースした「Batman: Arkham Asylum」(2009年)である。2009年末には,アメリカのテレビ局が主催したゲーム賞イベントで,アーカム病院を脱出したらしきジョーカーとハーレクインが写る,続編「Batman: Arkham Asylum 2」の予告ムービーが上映されてファンを沸かせた。
 その後,映画シリーズの版権を持つWarner Brothersに開発元のRocksteady Studiosが買収されたため,続編もWarner Brothers Interactiveからリリースされることが決定している。今回のE3では出展されなかったものの,開発は順調のようだ。

 

Resistance 3 Sony Computer Entertainment
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前作のエンディングにあった,へイル中尉の「これは,始まりに過ぎないんだ」という言葉の意味が,明かされることになるか? 画像はResistance 2のもの

 欧米を中心に大きなファンベースを獲得したPlayStatioin 3専用FPSシリーズの新作,「Resistance 3」も,期待されながらE3では公開されなかったタイトルの一つだ。「Resistance 2」(2008年)が第一作の発売から2年後に登場したため,前作の2年後となる今年のE3に期待していたファンも少なくないはず。
 2009年末から,自由の女神をあしらった巨大広告がアメリカ各地で目撃されているResistance 3だが,これらが置かれた場所は,「Battle: Los Angeles」という2011年公開予定のSF映画のロケ地だったという共通点があるようだ。
 映画のほうは,ソニー系列のColumbia Picturesが制作しており,映画の中に広告を登場させての相乗効果を狙っているのかもしれない。そうだとすれば,Resistance 3も2011年のリリースということになるだろう。

 

Milo & Kate
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マイロがディスプレイの裏で,「早く出してよ!」と叫んでいるかも知れないので,早めのリリースを期待したい

 2009年のE3における「Kinect」(当初は“Project Natal”と呼ばれた)発表時,Lionhead Studiosのピーター・モリニュー(Peter Molyneux)氏が公開したデモが「Milo & Kate」だ。デジタル世界に生きるマイロに人間のケイトがインタラクトするというもので,2009年のプレスカンファレンスでは話題になっていたのに,今年はMicrosoftの「Xbox 360 Media Briefing」やE3会場で見かけることはなかった。
 本作に関しては,発表時から「ただの技術デモである」とされていたものの,その後Lionhead Studiosのメンバーが,「Miloを開発中」などとツイートしたり,ピーター・モリニュー氏に行ったインタビューで「マイロを作っている」と語っていることもあるので,マイロがデモのまま葬り去られてしまうことはなさそうだ。
 リリースされれば,面白い面白くないはともかく「エポックメイキングなソフトウェア」になるのは間違いなさそうなので,どんな形でもとにかく出してほしいと思う。

 

 

■■奥谷海人(ライター)■■
本誌海外特派員。サンフランシスコ在住の4Gamer海外特派員。ゲームジャーナリストとして長いキャリアを持ち,多様な視点から欧米ゲーム業界をウォッチし続けている。2004年に開始された本連載「奥谷海人のAccess Accepted」は,4Gamerで最も長く続く連載だ。
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