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AMD,CPU製造部門の分社化を発表。ファブレスメーカーに“転身”へ
AMDは最近,ファウンドリに製造をアウトソースする「アセットスマート」(Asset Smart。Asset-Liteともいう)戦略について述べてきていたが,今回の発表を持って,ひととおりの決着がついたことになる。
→AMDによるリリース(英語)
→AMDによるまとめページ(英語)
→The Foundry Company
ポイントは,
- AMDの製造部門に関連した12億ドルの負債を,The Foundry Companyが引き受けることになった
- 先にAMDへ出資していた,アブダビ首長国の政府系投資会社である「Mubadala Development Company」が,AMDへの出資額を引き上げている
という点。CPU部門の不調や,旧ATI Technologies(以下,ATI)の買収に関連した負債が大きな負担となっていたAMDだが,ランニングコストの高い製造部門を切り離した,事実上の「ファブレスメーカー“転身”宣言」により,重荷はかなり軽減されることになる。先端プロセスの開発や,製造設備関連の投資から解放された同社は今後,コンピューティングとグラフィックスプロセッシングが「Fusion」(融合)する将来に向けた研究開発に邁進するという。
ATI買収後,CPUは自社製造,GPUとチップセットは委託製造という形を採ってきたAMDだが,今後は純然たるファブレスメーカーとなるわけで,果たして,その動きがどう変わるのかは,PCゲーマーとしても気になるところ。AMDとIBMのタッグに,オイルマネーというバックアップが付いたThe Foundry Companyの動向ともども,注目していきたい。
本社は米国に置かれ,CEOには,AMDで製造担当上級級副社長を務めていたDouglas(Doug) Grose(ダグ・グロース)氏が就任。先のAMD会長,Hector Ruiz(へクタ−・ルイズ)氏が取締役会入りしているのもトピックといえる。
当面の主力工場は,旧「Fab 36」「Fab 38」こと,ドイツのドレスデンにある施設で,2009年から,AMD製品および他社製品の受託製造を開始する予定。先端プロセスの研究開発は,これまでと同様,IBMとの深い協力関係の下で進めていくことや,AMD時代に補助金を受けていた米ニューヨーク州の新工場建設を予定どおり進める予定であることも,リリースから確認できる。
(C)2007 Advanced Micro Devices, Inc.