連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ / 第78回:「GW特別編(前) 最近のゲイムは序盤が勝負である」
著者近影
今まさにこれを読んでいるカタギの皆様には全く関係がないことで恐縮なんだけれども,こういったコラムやら連載記事ものって,どうしてもタイムラグが発生するのね。何のタイムラグかというと,書いてる時間と掲載される時間。
幸いにも4Gamerはネットだから,紙の媒体ほどではないんだけれども,それでも若干のタイムラグは発生するの。
ちなみに,一昔前はメディアとして紙と放送が比べられてきたわよね。紙の優位は保存性で,放送の優位は速報性みたいな感じで。ところが,最近では紙と放送に加えてインターネットというメディアが台頭しているの。
インターネットってのはえらいもんで,紙の保存性と放送の速報性が同時に得られるという,言ってみれば攻撃・防御・魔法・素早さのすべてが最強の新キャラのようなものなのね。本が売れないのも,テレビがつまらなくなったと言われるのも,インターネットの普及が大きく関わっていると私は思っている。……ウン,自分でビックリするくらいありきたりな意見でゴメン。
で,話を戻して,なんでそんなタイムラグの話を急に? というと,これを書いている今,まさに時間差の温床“ゴールデンウィーク進行”というものが発生しているからなのです!
ゴールデンウィーク進行とは,文字通り「ゴールデンウィークで多くの会社がお休みするので,通常の予定をこなしつつさらに予定を前倒してこなす進行」のこと。平たく言えば,締め切りが早まるってことなんだけれども。
でも,いくら締め切りが早まったところで,私がゲイムできる時間も本数も限られているし,私がゲイであることも変わらない。
したがって,紛うことなくゴールデンウィーク進行中である今回と次回は,いっそ開き直って私がどのようにゲイムと携わり,この連載で記事を書いているかについて述べようと思うわ。
だから,いつもとは違ってゲイムを紹介しない,させない,持ちこませないの三大原則で書いてみる。読者には何の関係も責任もないが,悪気はないので我慢してくれい。
ところで,私が読者の方からよくされる質問に「ヤったゲイムって全部クリアしてるんですか?」ってのがあるんだけども。そんな人に私は逆に聞きたい。「私を誰だと思ってるんですか?」と。私はゲイですよ。ゲイム好きのゲイですよ。そんなゲイでゲイム好きの私が,ヤったゲイムをクリアしないなんてそんなことがあると思う?
……あるんですよ。
ホントすまん。実はけっこうクリアしてない。だってそうでしょうが! 週に何本も何本も買って遊んで紹介して,その都度クリアしてたら私の身がもたんわ! というか,懐事情はすでにもってないわ!
っていうかですね,ここからは私の言い訳になるんだけれども,私がこの連載に対して持っているポリシーは「ゲイムが何を伝えたがっているかを受け取ってそれを紹介する」こと。なので,RPG系でもあんまりストーリーに関して触れたりはしないのね。なぜなら,クリアしないとそこは語っちゃいけないから。
例えば「ストーリーが良い」あるいは「ストーリーが良くない」なんてことは,クリアしないと言っちゃいけないと思っているの。全部とおして見てないと,嘘になるからね。まあ,それとは別の問題で主観的な評価になりがちだから,そのようには書かないけども。ただ「ストーリーの先はとくに気にならない」とは言ってもいい気がするのよ。嘘はついてないんだもん。
という感じで,私はRPGやサウンドノベルなんかのストーリーに関しては,あんまり触れないようにしてる。
でも,それ以外のゲイムって,だいたいゲイムから発信されている“雰囲気”ってのがあって,私はそれを受信することを心がけているのね。そしてそれは職業病なのかもしれないわ。ここだけの話,実は私,プロレスをやってるの。みんなには内緒な。
で,私のプロレスにおける武器は“インパクト”だと自分では思ってる。いい意味でも悪い意味でも……謙遜して言えば,だいたいの場合悪い意味で私の試合は従来のプロレスのイメージにそぐわないわ。言ってしまえば「ゲイがプロレスやったらどうなるか」というシチュエーションコントみたいなもんね。それが私の持ち味なの。
だからってわけでもないけど,私はゲイムに限らず,あらゆるエンターテイメントに対して“どこが面白いのか”を分析するクセがついているのよ。で,分析して得た結果をプロレスにフィードバックするのね。だから,たぶん私はゲイムに対しても仕事意識で取り組んでるような気がするのよ。
一例を挙げましょうか。みんなは気付いてるかしら? 最近のゲイムはだいたい,序盤からかっ飛ばしてインパクトを与えるような構造になってることに。それは圧倒的なクオリティのムービーであったり,話の展開であったり。なぜかといえば,ここ最近のゲイムは世の中の使い捨て文化的な風潮に従うべく作られているから。
毎週のように面白そうなゲイムが出る中,消費者に“面白い”という印象を与えるには,出会い頭でプレイヤーの脳にインパクトをたたきつけといけないの。出し惜しみしてたら,プレイヤーは面白さを感じる前に,すぐ次のゲイムに移っちゃうのよ。そして,たとえクリアしなくても面白いという印象を与えておけば,それは続編のときにも有利にはたらくのね。
だから,おかげで私のようなヤり捨て御免タイプのゲイマーは数をこなせるってわけなの。逆に言えば,作り手が一番メッセージをぶつけてくるであろう序盤を制すれば,そのゲイムがどんな特徴を持っているかは理解できるわ。
そして,私はそのゲイムから発せられるものをなるべく正しく受け取って,受け取ったものをなるべく正しく紹介する,と。こういった塩梅でございますよ毎週毎週。
ということを踏まえた上で,来週もゲイムを紹介しなくて済むような,都合のいいゴールデンウィーク進行特別編をお届けいたします! 以上,ヤったゲイムをクリアするまでプレイしないことに対する壮大な言い訳でした!
……ウイイレは延々やってるけど。
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