連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第155回「ニンテンドー3DSが熱くなってきたぜー」
その前に,私はプロレスを生業としてるんだけども,同僚に中澤マイケルというプロレスラーがいるの。前にも取り上げたこともあるので覚えている方もいるかもしれないし,忘れている方もいるかもしれない。ていうかむしろ,覚えていても人生においてとくにプラスにならない気がするから,今後を含めてわざわざ覚えなくてもいいんだけども。
えー,変態キャラで鳴らす彼は,試合中に白熱すると「熱くなってきたぜー」「火照ってきたぜー」「これで終わりだー」と言いながら重ね履きしたパンツを一枚づつ脱いでいくという,どうにも摩訶不思議な行動に出るのよ。脱いだからといってとくに強くなるわけでもなく。
いや中澤マイケルがどうって話じゃなく,私の中でここ最近,ニンテンドー3DSが「熱く」なってきたってことを言いたいがために,ついつい中澤マイケルを説明してしまっただけなんだけど。それにしても,「今,○○が熱い」と表現したいとき,どうしても中澤マイケルのことを思い出してこういう流れになってしまうのは,労災にしてもらえないんですかねコレ?
ゲイという性癖をリングに持ち込んでる私が言うのもなんだけど,プロレスに興味を持っていない人がこの連載を読んだときに,同性愛だパンツ脱ぐ人がいるだじゃ,プロレスというものが勘違いされるんじゃないかと極めて心配ですよ。
イヤ,まあ誤解とは言い難い部分もあって,だいたいプロレスはそんなもんですけどね。おっさん達が半裸で絡み合ってお互いをイジメあってる時点で。そして,それでお金を貰ってるという。
まあ,とにかく今ニンテンドー3DSが「熱い」って話です。「スーパーマリオ 3Dランド」「勇現会社ブレイブカンパニー」「AZITO(アジト)3D」と,ヤるタイトルがいっぱい。それに加えて今後も「マリオカート7」や来年になっちゃったけど「NEWラブプラス」が戦線に加わってくるわけで,こりゃ本当に買い時かもしれないわねニンテンドー3DS。
来月にはPlayStation Vitaも出るし(予約できてないけど),これからの数か月はゲイマー的には熱い冬に……熱い……熱くなってきたぜー……うわーん恥ずかしい! 中澤マイケル,ぶっ潰しますよ次に戦ったら。
さて,そんなわけで私が今熱いと思っている……熱くなってきたぜー……ニンテンドー3DSでプレイしているのはスラもり3なの。恥ずかしながら私,スラもりシリーズは今回初めてプレイしてみたのよ。「ドラゴンクエスト」シリーズが好きだとか自称してるくせに。
どうでもいいけど,いい世の中になったわよね。何がって,昔だったら人々のRPG好みは「DQ派」と「FF派」と別れてて,そこには明確な派閥みたいなものがあったんだけど,今はさほどでもない。
昔,同級生達がDQ派とFF派で3対3のケンカをしてしまい,放課後に決闘を行うという極めて不毛な争いをしていたことがあったんだけど(人呼んで,1993年 ロールプレイング夏の陣)。何が彼らをそうさせたのか,そしてその決闘に勝ったほうのゲイムにどんなメリットがあったのか。いまだに歴史には謎が眠っているわ。“その時歴史が動かなかった”事例の一つね。
もちろん今でもどちらが好きかといった派閥は,あるにはあるんだろうけど,決闘するほどでもなくなったというか。まあそれは,スクウェアとエニックスが合併したからなのかもしれないわね。ホラ,違う会社だったら片方のタイトルの批判をしたときに,その会社ごと悪いくらいの勢いで知ったかぶったことを言ってしまったりするじゃない? とくに10代前半の若気が至ってる時期なんて。でも同じ会社だったら,そのあたりがマイルドになると思うの。
まあ,私は昔からDQ派なんだけど,それを言葉にしても角が立たない世の中になって良かったねって話でした。……だから最初にどうでもいい話って言ったでしょ。
それにしても,すごいわねDQ。イヤ,もちろんスラもり3自体,面白いのよ。アクションの爽快感も,やるべきことの明快さも,アイテムを集める楽しさも,自分の船をパワーアップさせる喜びも,全部を楽しめる。めちゃくちゃ遊びやすい。
だけど,よくよく考えてみたら,“誰もが思う形のDQ”じゃないのよね,コレ。そもそもアクションだし,基本的な移動は船だけだし。DQなのはアイテムとかモンスターとかの世界観だけ。
でも,逆にいうと世界観だけでもDQであれば,このゲイムはもうDQとタイトルに付けられるぐらいきっちり成立しているの。これは,全然DQではないこのゲイムを,上手くDQに埋め込んだ作り手を尊敬せざるを得ない。
そして,「世界観がDQだから」ですべてをDQにしてしまうDQというジャンルの懐の深さは,もはや素晴らしいを通り越して恐ろしさすら感じるわ。「DQじゃないけどDQ」って,本当にすごいことよ。
そもそもシリーズものって,マンネリズムとの戦いなのよ。もちろん,ハードによって特性を出さなきゃいけないし,進化もしなければならない。でも,残すべきは何か? そこがハッキリとしてなければ,シリーズものの人気とクオリティは保てない。
で,その「残すべきもの」はシステムであったりグラフィックスであったりだけではなく,それらを含めた「プレイした時の“らしさ”」っていう,意外と論理的ではないふわふわしたものなのかなあって思うわ。プレイする側の感覚としてはね。
もちろん,ゲイムはつまるところ数値の集合体だから,作る側としては論理で作らないといけない。けれども,ジャッジするのは論理の分からない我々で,となると当然ながら緻密に計算されているであろう作り手の論理までは分からない。だから大ざっぱにいうと「プレイした時の“らしさ”」でシリーズものとして楽しめるかどうかを決める。
で,その「プレイした時の“らしさ”」っていうのは,スピンオフ作品にとっても命綱なのね。ここがしっかりしているかどうかを,プレイする側がジャッジするわけだから。そういう意味では,このスラもり3はDQという看板を掲げてもまったく問題がないと,DQ派の私としては思うわ。
繰り返しになるけど,私はスラもりシリーズは今回が初プレイなので,これまでのことはよく分からないんだけど。ひとまず,あの雰囲気が好きなDQ派はプレイしてもいいと思うよ。
ちなみに,作り手の論理はジャッジする側には分からないというくだりに関連したよもやま話だけど,作り手と消費者との評価が違うということは,ゲイムでもそれ以外のエンターテイメントでもちょくちょくあるわよね。
作り手が「俺が凄いことをやった」と断言したゲイムで,実際に業界内での評価が高かったりしても,実際にプレイしてみたら, なんでそこまで業界内で評価されているのか分からなかったりすることってあるじゃない。
もう一つ例えれば,武藤敬司選手がなぜ天才と呼ばれているのか。私もファンの時代には分からなかった。でも自分がプロレスをヤるようになった今なら分かるわ。説明もできるけど,たぶん私がする説明だけでは見ている側はわからない。なぜなら,この場合は私も作り手だから。
こういうのって,もちろん受け手側でも分かる人は分かるんだろうけど,基本的には「受け取った側がどう感じるか」で商品としての評価は決まるわけだから,分からない人には分からないのね。かといって,分からないこと自体が悪いことではないから,それに関しては別に気にする必要もない。
結局のところ商品に対して価値があったかを見出すのは消費した自分であって,周りの意見ではないし,自分の感じた価値を他人に(意見やアドバイスを超えて)押し付けるものでもないという,当たり前のケツ論を出すことでこの話をシメさせていただこうかと。
そんな感じでスラもり3,およびニンテンドー3DSはオススメですよ! 来るべき年末のゲイムラッシュに備えて,今のタイミングで購入しても良いのではないか,と。っていうか,年末を待たず,もうだいぶタイトルが出始めてるので,買うなら今な気がするわ。
個人的にもニンテンドー3DSのみならずPSPでもFINAL FANTASY 零式,「俺の屍を越えてゆけ」はすでに購入済みで遊ぶタイミングをうかがっている状態だし,もうすでにゲイマーとして熱い時期を迎え……熱くなってきたぜー! ……ゲイマーとしてテンションが上がってき……火照ってきたぜー! ……今週はこれで終わりだー!
今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 3:「ワールドサッカー ウイニングイレブン 2012」
PSP:「J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!7 EURO PLUS」
ニンテンドー3DS:「スライムもりもりドラゴンクエスト3 大海賊としっぽ団」
Wii:「ファミリーフィッシング」
Xbox 360:「迷宮クロスブラッド リローデッド」
- 関連タイトル:
スライムもりもりドラゴンクエスト3 大海賊としっぽ団
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