連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第236回「友達は仲間じゃないし仲魔でもない」
最近よく考えるのよ。
この連載でもたびたび,「友達がいない」旨のことを書いているんだけど,実際に私には友達がいないわけ。悲しいことに。もう,友達がいない天才。友達がいないことを司る神に愛されているレベル。先日なんて,無意識に「電話で同窓会の誘いが来たけれどもプロレスで多忙なのを理由にそれとなく断る」練習をしてたくらいのジーニアスフレンドレス。しかも風呂場で。我に返ったときの,自分に対して感じた薄ら寒さといったらなかったわ。そもそも電話すら来やしないのにな。
……えー,これぐらい,私には友達がいないの。でも,そんな私にも仲間はいっぱいいる気がするのよね。そうすると,友達と仲間は何が違うんだ? という話になるんだけども,私としては一応,“何か同じ目的を持って,お互いに協力する人”が“仲間”,一方で“損得抜きで一緒にいられる人”が“友達”なんじゃないかな? っていう区別をしているの。
そう考えてみると,プロレスラーである私には,仲間ならいっぱいいるってのは,決して間違いじゃないわけね。見ている人に何かしらの感情を動かしてもらいたいっていう目的が一致するならば,たとえ対戦相手であっても,仲間だと言えると思うの。
プロレスラーだけじゃないわ。商品に関してもそう。お客さんに買ってもらうっていう目的が一緒の場合,企画も製造も営業も販売も,それを支える管理部門もみんな仲間。スポーツでもそうよ。チームが勝つっていう目的が同じ場合,選手だけでなくコーチやマネージャーやサポーターも仲間でしょ? プロスポーツの場合は,そこに金銭が関わってくるから,+αで「儲ける」という目的が加わるからややこしい部分も出てくるけど,それでも仲間はいるはずなのよ。ま,私のこの“友達仲間論”が正しければ,だけど。
要するに,“仕事仲間”は友達ではなく,目的を達成するために協力しないといけない関係ってこと。ゲイムでもアニメでも映画でも,よくあるじゃない。足手まといになった仲間を見捨てるのか助けるのかっていうシーンが。
友達だったら助けるべきなのよ。でも,仲間だったら目的を達成するために見捨てるべきだと私は思っているわ。基本的にはね。そこに命とかそういう要素が入ると,単純に割り切れない部分が出てくるんだけども。でもまあ,それはあくまで命という極限のものがかかった場合であって,やはり,つまるところ友達と仲間は似ているようで違うわけね。
……ウン,そろそろまとめようかしら。要するに私が言いたいのは,目的を高い質で達成するのに必要なのは,“仲間との信頼関係”ではないか? ってこと。友情ではなく,ね。
友達は,ただ近くにいればいいだけの話だけど,仲間となるとお互いに利用価値を高めないといけない。助けてもらう代わりに,こちらも助けなければならない。そうやって,“目的を達成する力”を大きくする必要があるわけね。
チームワークって,そういうものなんじゃないかしら。仲が良いってだけのことでは,決してない。最良の結果のためにダメなところは改善するし,いいところは尊重する。それが仲間であり,チームワークだと私は思う。
まず真・女神転生IVについて,簡単に説明しておくとするわ。これはね,面白いわよ。何が面白いって,スルスルと飲むようにプレイできるところ。ストレスがないのよ。
もちろん,プレイした全員にとって,ノンストレスってわけではないでしょう。例えば,シリーズのファンが「イメージと違う」と感じる可能性はある。でもそれはもう,続編の宿命だから仕方がないと思うの。私はあくまでライト寄りのプレイヤーで,熱心なメガテンファンではないから,ストレスなく楽しめた。ということを踏まえて,読んでもらいたいんだけど。
そんな私からすると,めちゃくちゃプレイしやすいRPGなのね,コレ。序盤は敵が強いかな? って感じるかもしれないけど,そういう人のために難度が選べるようになっているし,レベルは上がりやすいから育成している感じも味わえるし,オートで戦闘ができるからテンポもいいし,何より仲魔合成が楽しい。RPGをプレイしたい人には,とりあえずオススメできるゲイムじゃないかしら。シリーズ未経験者でも何ら問題なし。むしろ入門編と言ってもいいくらいの遊びやすさ。ぜひに。
で,仲魔についてなんだけども。このゲイムって,敵の悪魔をスカウトして,仲間にすることができるのね。繰り返すけど,それを仲魔と呼ぶの。そして仲魔と仲魔を合体させることで,新たな仲魔を生み出せる。基本的には合体することで強くなるから,どんどん合体させたくなるわけ。そこが楽しい。
でも,時々悪魔が言うのよ。「合体するのはイヤだ」的なことを。そりゃそうよね。その悪魔からしてみれば,自分という存在が消えてなくなるわけだから。でも,人間はどんどん悪魔を合体させて強い仲魔を作る。作った仲魔をまた合体させて,さらに強い仲魔を作る。悪魔の意思を無視してね。悪魔はもちろん人間の敵だけど,人間は人間の都合のために悪魔を合体させる。こうなるともう,悪魔にとっては人間こそが悪魔そのもの。
要は,目標のために協力することはあるけど,目標のために切り捨てることもある。そんなドライな関係なのよね,プレイヤーにとっての仲魔って。
メガテンシリーズってきっと,ゲイムの楽しさの奥にそういうメッセージがあって,その伝わるかどうか分からない濃度のメッセージと背徳感に気付くと,その世界観の虜になってしまうようなゲイムだと思うのよ。
主人公の属性にしても,その行動によって「ロウ(秩序)」「カオス(混沌)」「ニュートラル」に分類されていくんだけど,決して“善”と“悪”じゃない。悪魔=悪ではないし,天使=善でもない。こういう描き方をしているのも,このシリーズの個性だと思うわ。
憶測だけど,一方的な善悪の判断を押し付けないというのは,このシリーズの特徴の一つなんだと思う。今作の場合,支配する側とされる側っていうテーマで,それすらも善悪では語られていない。すべては,自分次第。足手まといになった仲間を見捨てるのか助けるのか。そこに善悪はない。真・女神転生IVはそんなゲイムだと感じたわ。
とまあ,今週は真・女神転生IVを紹介したわけですが。このゲイム,すれちがい通信がまた楽しくてねー。すれちがったときに相手に渡る自分のすれちがいカードは,白か黒かを選べるんだけど,おススメは断然黒ね。なぜなら,白はステータスが上がるだけなんだけど,黒は悪魔合体して戻ってくるから。弱い悪魔に変化して返ってくることもあるけど,それもまた一興。黒のほうが,すれちがいのワクワク感が味わえるわよ。たとえ友達がいなくても,すれちがい通信で友達がいるかのような気分を味わいながらプレイできちゃうからね。世の中,便利になったもんですよ。
先週,「新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女」を買ったから来週紹介したいんだけど,こんな感じで,真・女神転生IVがマイニンテンドー3DSを独占している感があるわけで,まだ手を付けられていないわ。どうなることやら。ひとまずは今週はこの辺で。
今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 3:「バイオハザード リベレーションズ アンベールド エディション」
PlayStation Vita:「Winning Post 7 2013」
PSP:「サモンナイト5」
Wii U:「ZombiU(ゾンビ U)」
Wii:「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」
ニンテンドー3DS:「真・女神転生IV」
Xbox 360:「Minecraft:Xbox 360 Edition」
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真・女神転生IV
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