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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第396回「賛否両論」
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印刷2016/09/08 15:00

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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第396回「賛否両論」

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 賛否両論
 多かれ少なかれ,世の中に発信された情報にはついて回る問題よね。どんなに数多くの人が称賛しても,必ず反対意見を持つ人はいるのよ。
 だって,それが人間だから。我々が生きている日本は民主主義国家なので,多数決で物事が進んでいくことが往々にしてある。それはある意味,仕方がない。多数意見で進めないと,いつまでたっても物事は進まないことは多いからね。でも,ご存じの通り「自分が何を思うか」に関しては,多数決で進むことはないのよ。なぜなら自分の問題だから。自分が正しいと思えば正しいし,間違いだと思えば間違い。
 なので,どれだけ世の中では素晴らしいとされているエンターテイメントでも,自分がそう思えなければそのエンターテイメントは素晴らしくない。自分にとってはね。だから,完璧なエンターテイメントなんて厳密には存在しないわ。良い悪いの二択でも,100人いて意見が違う人が1人いれば,100%にはならないからね。

 何が言いたいかというと,要はエンターテイメントには賛否両論は必ずついて回るんだけど,そのエンターテイメントによって賛と否の比率も違うよねってことが言いたいの。100%はない。じゃあ何%を目指すのか? っていう。
 そこで,ターゲット問題が出てくるのね。誰に向けて発信するのか。どの層に選んでもらうのか。どの層が主に面白がるか。エンターテイメントの作り手は,そこを想定して商品を作っていると思うの。どういうモノを作るかにあたって,ゲイムならゲイム,プロレスならプロレス,まあここの例は何でもいいんだけど,全部が全部同じでは面白くないのよね。
 かといって,ビジネスではあるから,儲からなければ意味がない。今の時代に売れているものを分析してその要素を入れていく必要も,場合によっては出てくるわけね。

 ……っていうようなことは,この連載でも何度か述べてきたんだけど。私が今回あらためて言いたいのは,エンターテイメントを作る側としては,作ったモノは少なくともお客さんの選択肢に入らなきゃいけないんじゃないかなってことなの。どういうことかと言うと。すごく面白いゲイムでも,知られなければ売れることもないっていう話で。
 ゲイムを買う側の立場で考えると分かりやすいわ。ゲイムを買うときに,どのゲイムを買おうかなって悩むこと,あるでしょ? で,そのときに選択肢を絞るでしょ? ここなのよ。勝負の分かれ目は。購入者の絞られた選択肢に入っていないゲイムって,ほぼ確実に買わないじゃない。そういうこと。
 どれだけ面白くても,「面白そう」ってことが伝わっていないと,売れるもんも売れないの。もちろん,口コミで広がって売れるゲイムだってあるわ。でも,それって実は口コミの効果で選択肢に入ったに過ぎないのよ。口コミで「面白そう」っていうことが伝わっただけ。それはそれで悪いことではないんだけど。その場合にしても,発売当初に「面白そう」って思わせられなかったのは事実よね。結果的に売れればいいんだけど,口コミってそれを計算に入れるには不確定要素が多いから怖すぎるわよね,売る側からすれば。
 だから,最初から「面白そう」って思えるゲイムは選択肢に入りやすいの。内容もさることながら,プレイする前から「面白そう」だと思わせるのも,商品として必要な要素だからね。「ヤれば面白い」や「見てみれば面白い」は,作り手としては努力不足なのかなあって,自戒を込めて思っちゃうわね。いや,実際にプロレスも生で見たら面白いんだけどね。

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 で,「No Man’s Sky」PC / PlayStation 4)ですよ今週は。話題作。私はあんまり詳しくないんだけど,E3でも何らかの賞を獲得したらしいわね。以下,私が調べていて「面白そう」と思ったポイントを説明するわ。
 「1844京6744兆737億955万1616個もの惑星が存在する宇宙を自由に探索できるゲイム」で,「惑星では未知の生物を発見しつつ,その星で採れる鉱物や素材でアイテムを作ったりパワーアップさせたりできる」
 ワクワクしない? 私はしたわ。このゲイム,絶対プレイしなきゃって発売前に思っちゃった。もう,その時点でこのゲイムの勝ちよね。対私においては,だけど。で,実際にプレイしてみたの。ここで冒頭の賛否両論につながってくるの。これ,人を選ぶゲイムね。私なんかは正直めちゃくちゃ面白いと感じているのよ。ダラダラと惑星を探索し続けることに何の疑問も持たずプレイできているわ。
 ただね,本格的なシューターやアクションゲイムをイメージしている人には物足りないんだろうな,とも思う。というのも,目的がゲイムからなかなか提示されないのよ。明確な敵も出てこないし。良く言えば,人生と同じ。人生の目的なんて自分で設定するしかないわけでしょ。このゲイムもそういう感じなのよね。
 シューターとしては刺激はない,アクションゲイムとしても目的がハッキリしない。それでもプレイし続けられるか? このゲイムを評価するとき,そこが分岐点になりそう。繰り返すけど,私は面白いと思ってるわ。ダラダラ探索して,少しずつ未知の言語を解読していく。それが苦じゃない。だから,面白い。探索すべきポイントもいっぱいあるしね。

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 でも,万人にオススメできるかといったら,それは難しい。作業ゲイムが好きでないと,とても耐えられないと思うの。逆に言うと,作業ゲイムが好きなのであれば,プレイしてみる価値はあるかもしれないわ。
 今日日,こんなにも評価が分かれるだろうなってゲイムをプレイできるとは思わなかったわ。ただ,これだけは確実に言える。間違いなくこのゲイムは意欲作だ,と。きっと作り手は,このゲイムの評価が分かれることをちっとも恐れてないと私は思う。「無限の宇宙で未知の星を探索するのってロマンあるだろ? それをゲイムにしたよ。今までにないゲイムだけどヤってみてよ!」。要は,こう言いたいんだと私は解釈してるわ。
 実際,このゲイムは私に奇妙な体験を与えてくれた。私には面白いと思えた。そして,売れてほしいとも思った。100%の満足を狙った作品じゃない。でも,数十%の中の人にとっての100%を目指しているのかな。これはこれで,一つのエンターテイメントのあり方かな。そう思ったわ。そして,その姿勢はちゃんとゲイムを選ぶ人の選択肢になり得ている,とも。
 そもそもそのゲイムを知ってるか知らないかももちろん重要だけど,知った人の心に一発で引っかかるかどうか。そういう意味ではエンターテイメント産業に携わる人間として,非常に勉強になったタイトルとも言えるわね。
 言い方は悪いかもしれないけど,ハッタリは大事。で,そのハッタリを突き詰めるのも大事。ハッタリかました結果の批判は恐れない。なかなかにロックンロールな作品だと感じるわね。宇宙のロマンにピンと来たって人にはぜひオススメ。そうでない人は慎重に。でも,一度プレイしてもらいたいとも思う。総じて不思議な作品ね。

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 てなわけで,今週は私のゲイム購入意欲にガッツリアクセスしてきたNo Man’s Skyをご紹介いたしました。人々の選択肢にまず入るって,本当に大事よね。そのための賛否両論も,場合によってはアリ。気付かせてくれてありがとう。こうやって自分のエンターテイメント観の幅が広がるから,ゲイムはやめられないわ。ゲイム最高!
 さて,そんなゲイムの祭典,東京ゲイムショウが来週から始まります! 私は9月15日と16日に4Gamerブースでプロレスをヤリますので,みなさん見に来てくださ……どちらもビジネスデイやないか!(関連記事
 ……まあ,4Gamerで何らかの配信があるという話なので,そちらもお楽しみに! また来週! と言いつつ,原稿書いている時点ではまだゲイムショウも始まってないから普通の記事だと思うけど! また来週!

今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 4:「No Man’s Sky」「ウイニングイレブン 2016
PlayStation 3:特殊なDVD ※死亡確認→復活予定
PlayStation Vita:「UPPERS
PSP:「サモンナイト5
Wii U:「Splatoon(スプラトゥーン)
Wii:「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン
ニンテンドー3DS:「妖怪ウォッチ3 スシ
Xbox 360:「剣の街の異邦人 〜白の王宮〜

■■男色ディーノ(プロレスラー)■■
ディーノ選手が所属するDDTプロレスは,今週末の9月10日にクリエート浜松大会「出世大名ドラマティッくん2016」を,翌11日に広島産業会館東展示館大会「三本の夢2016」を開催します。なお,ディーノ選手は最近,プロレスメンタリストとしてプロレスラーが抱えている心の闇を取り除く活動をしているそう。心の闇を取り除かれたプロレスラーがプロレスに対する熱意を失えば,繰り上がり当選的にプロレス業界のトップへ躍り出ることができるだろうという狙いがあるとかないとか。
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