連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第569回「何にでもなれる。なってどうする?」
若かりし頃,何なら年を重ねたうえでもそう思う人は多いでしょう。うん。何者かになるのはいいとしよう。で,その何者って何? 有名になりたい? 皆に認められたい? 分かる。私がそうだったから。でも,その先の「有名になったとして,それからどうしたい?」「皆に認められて,その後どうしたい?」まで考えることはできなかった。その頃は,何者かになることがゴールだったから。
しかし人生は死ぬまで続く。何者かになれたとして,何者かになってからも人生は続くのだ。死がゴールだとすると,ゴールはいつやってくるか分からない。明日かもしれないし,もっと先かもしれない。でも,重要なのは今がゴールではないということだ。
自分が憧れた“何者か”になりたい気持ちは分かる。でも,それはあくまで途中の駅であって,終着駅ではない。何者かになって,世の中とどういう関りを持ちたいか。“何者か”になる意味は,そこにあるんだと今の私は思う。
例えば,有名になったとしよう。ひょっとしたら,その有名さは世の中に影響を与える力なのかもしれないね。ただ,その力を持って何をする? 有名になることは難しいけど,実は有名になってからのほうが人間としては試されるのかもしれない。私にはもう,有名になりたい欲がないからそう思うのかもしれないけど。
私としては,“死ぬまで楽しい人生を送りたい”が大前提としてあって,では何をもって楽しいと思うのかというまさにそれを探している最中。どうやらゲイムをプレイしている最中,あとは自分の行動でその場や見ている人が盛り上がるって仕事を提供できた瞬間が,私にとって楽しい時間なんだなってのが分かり始めたんですよ。でもまだ探し中。そこに有名かどうかはさほど関係ない。ので,有名になりたい欲は私の中から無くなったわけです。
ただ,有名になったほうが,その場を盛り上げる仕事が入ってくるので,間接的には有名力も必要になってくる。ジレンマですな。有名になりたい欲が旺盛というよりは,みんなに盛り上がってもらえる欲は有名になったほうが満たしやすい。それよりは有名になることで生きにくくなるデメリットを考えてしまう。何が言いたいかというと,なりたい“何者か”っていうのは,なったらなったでいろいろと思うところがあるんだろうなぁっていうお話ですよ。
例えば,草になれる。で,草になってどうするかというと,別にそれ以上のことは起こらない。たまにゲイムから語りかけられはするけども。でも,「どうしろ」とは言われない。「こういうことができるよ」とは言われるけども。で,次々となれるものが変わっていく。憑依って言えば分かりやすいのかな。目に見える何かに憑依して,それになることができるゲイムなの。
問題は,面白いかどうか。これがね,評価が難しいのよね。面白いと言えば面白いけど,この面白さって「普通のゲイムでは体験できないことが味わえて面白い」なのね。このゲイム自体が面白いかどうかは正直分からない。
だから,言い方を変えてみる。このゲイムは,とても興味深い。だって,すべてのモノになれるのよ。この時点で私はまだなってないけど,銀河にだってなれるし,逆に元素にもなれる。なってどうするんだ? って聞かれると,「何もしない」としか答えられない。だって,そういうゲイムだから。“なってどうするか”ではなく,“まずなってみる”っていうのがこの作品なのですよ。
なってどうするかも重要。なりたいからなってみるのも悪いことじゃない。どっちが楽しいかなんて,人それぞれだもん。少なくとも,まだゴールじゃない。なろうがなるまいが,まだ終わっていないから,今いいか悪いかを判断することでもない。
あ,でも社会にはルールがあって,それを破っちゃダメですよ。ただ,どう生きるかは自分で決めないといけない。一人一人異なる環境ではあるでしょうよ。世の中,一番大事な空気とかそういうものは与えてくれるけど,精神的に大事なものほどあまり与えてくれない。それを踏まえたうえで,自分で何になるかを選ぶ。
Everythingは,そういうゲイムなのです。ほかのゲイムでは味わえない,とても興味深いゲイムですよ。面白いか面白くないかではなく,人生観を見つめ直す意味で体験しておいてもいいんじゃないかと思う次第です。
何にでもなれる。これがあるからゲイムは素敵なんだ。そんな感じでまた来週。
今週のハマりゲイム
PlayStation 4:「三國志14」「龍が如く7 光と闇の行方」「ドラゴンボール Z KAKAROT」
Nintendo Switch:「Everything(エブリシング)」
iOS:「龍が如く ONLINE」
iOS:「ハンドレッドソウル」
iOS:「ウイニングイレブン カードコレクション」
iOS:「マリオカート ツアー」
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(C) David OReilly. Licensed to and published by Active Gaming Media, Inc.
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