連載
インディーズゲームの小部屋:Room#266「∀kashicverse -Malicious Wake-」
“にこ”といえば個人的に,これまでずっとニコ・マクブレインのことだったのだが,スクールアイドルのあまりに過酷なトレーニングを目の当たりにしたことで,最近それが揺らぎつつある筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第266回は,エンドレスシラフの「∀kashicverse -Malicious Wake-」を紹介する。本作は,格闘ゲームのようなコマンド入力によってさまざまな攻撃を繰り出せる,個性的なゲームシステムが特徴の縦スクロールシューティングだ。にっこにっこにー!
本作の世界観やキャラクターなどは,公式サイトやマニュアルでも明かされていないが,ゲームを開始することを“観測操作”と呼んでいることや,ゲーム中の表現などから,何らかの電脳空間が舞台になっていると予想される。エンドレスシラフの中の人によると,ゲームのさまざまなところにヒントが隠されているとのことなので,あれこれ想像してみると楽しいかもしれない。
見てのとおり,グラフィックスの雰囲気はかなりサイバーチックで,用語の難解さや謎めいた世界観も含めて本連載の第43回で紹介した「HellSinker.」を思わせるが,蜂やほかの昆虫をモチーフにした敵が多数出現するあたりは「怒首領蜂」っぽいともいえる。そんな本作の大きな特徴となっているのが,冒頭でも触れたコマンド入力式の特殊攻撃「メソッド」だ。
本作における自機の基本操作は,方向キーでの移動のほか,ショット,シールド開閉,低速移動,コマンドの4ボタンで行う。4つめのコマンドボタンだけは,シューティングゲームとしては聞き慣れないが,これは上述のメソッドを発動する際に使用するもの。コマンドボタンを押すと自機の周囲に敵弾を遅くするフィールドが展開され,この状態で方向キーでコマンドを入力してショットボタンを押すと,メソッドが発動できる。メソッドは全部で10種類あり,メソッドゲージを消費することで使用可能だ。
メソッドの中には発動中に追加入力することで,さらに別のメソッドに発展するものがあり(当然ゲージは消費するが),いつ,どこで,どのメソッドを繰り出して敵の猛攻に対抗するのかが攻略の鍵を握っている。ここで重要になってくるのが,本作のもう1つの特徴であるシールドの使い方だ。シールドは任意に開閉でき,消費したメソッドゲージは,羽状に開いたシールドで敵弾を受けることで大きく回復する。またシールド自体にも耐久ゲージがあり,シールドを開くことでそのゲージの回復速度を上げられる。
つまり,敵の攻撃に隙があるときは積極的にシールドを開き,シールドとメソッドのゲージを回復させる必要があるのだが,シールド解除状態で敵の攻撃を受けると,シールドゲージが大幅に減少し,場合によっては一撃でゲームオーバーになるので要注意。さらに敵の中には通常ショットが効かず,メソッドでなくては撃破できないものもいるなど,プレイ中は非常に多くの判断を一瞬で行わなければならないため,ゲームに慣れないうちは何が起こっているかを把握するだけで一苦労だ。
そんな本作は,公式サイトで体験版が公開されているほか,製品版が1470円(税込)にて発売中だ。
■エンドレスシラフ公式サイト
http://endless-shirafu.com/- この記事のURL:
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