連載
インディーズゲームの小部屋:Room#297「Volgarr the Viking」
宇宙の法則が乱れるほどの速度でチョコチップクッキーを生産しながらお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第297回は,Crazy Viking Studiosの「Volgarr the Viking」を紹介する。それにしても,明日からなにかデカいイベントが始まりそうな気がするが,なんだっけ? 確か,幕張で取材……徹夜……原稿……うっ,頭が……。
かつてはドワーフだったが,貪欲すぎたために邪悪な竜へと姿を変えたファフニール。そのファフニールが砦を築き,ミドガルド全体に混乱を振りまいていることを危惧したオーディンは,その対抗策としてヴォルガーという名の勇敢なバイキングの魂を召喚し,彼にある使命を与えた。その使命とは,これ以上の混乱が広がる前にファフニールを倒すことだ――。
というわけで,プレイヤーは主人公のヴォルガーとなり,たった一人でファフニールの巣食う砦へと向かうことに。本作は,1980年代のアーケードゲームを彷彿とさせる,シンプルかつ高難度の横スクロールアクション。ヴォルガーの操作方法は,方向キーで移動,Zキーでジャンプ,Xキーで攻撃というもの。ヴォルガーは剣と槍の2種類の武器を装備しており,通常攻撃は剣で斬りつけ,上キーを押しながら攻撃することで槍による遠距離攻撃が可能だ。
槍は壁に向かって投げると突き刺さり,これを足場として高い段差を上るのにも利用できる。ヴォルガーはこのほかにも,スピンアタック(空中でジャンプボタン),下突き(空中で下キーを押しながら攻撃ボタン),ドッジロール(しゃがみながらジャンプボタン)など,多彩なアクションを繰り出せる。使用するキーは少ないが,プレイ中はこれらのアクションを素早く正確に使い分ける必要があるので,ゲームパッドを用意して挑んだほうがいいだろう。
本作には体力ゲージのようなものはなく,残機という概念もないため,基本的には敵の攻撃を一度でも食らったり,トラップにかかったりすると即座にミスとなり,直前のチェックポイントからやり直しとなる。しかもチェックポイントが少ないため,一度やられるとかなり手前まで戻されてしまうので結構大変だ。最近のゲームのように,ボス戦の直前にチェックポイントがあるわけでもない。
ただし,盾を持っていれば,敵の致命的な攻撃から一度だけ身を守れる。さらに兜をかぶっていれば,もう一発食らっても大丈夫だ。これらはステージの途中にある宝箱から入手でき,盾と兜を持った状態で箱を開けると,炎をまとった強力な剣が手に入る。敵の攻撃を受けると防具が壊れていき,裸(?)のときにダメージを食らうと即死してしまうというあたりは,なんとなく「魔界村」を連想させる。
また,ざくざくと敵を斬り倒したときの感触には,どことなく「スプラッターハウス」を思わせるものがあり,小難しい理屈を抜きにしてひたすらステージを攻略していくゲーム性は,まさしく往年のアーケードゲームそのもの。どうにも腰が入っていない攻撃モーションにも味があり,子供の頃にゲームセンターで遊んでいた数々のゲームの懐かしい記憶が思い出される。
ちなみに本作は,マルチルート/マルチエンディングのゲームのようだが,難しすぎて筆者は確認できていない。我こそは思うバイキングの諸君はぜひ挑戦して,自分の手で見つけ出してほしい。そんな本作はSteamで9.99ドルにて発売中だ。
■「Volgarr the Viking」公式サイト
http://www.volgarrtheviking.com/- この記事のURL:
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