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インディーズゲームの小部屋:Room#565「Bladed Fury」
あけましておめでとうございます! 大掃除をしていたら懐かしい思い出の品を見つけてしまい,思わずしんみりしてしまった筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第565回は,NEXT Studiosの「Bladed Fury」を紹介する。本作は,古代中国を舞台にした横スクロールアクションだ。ついでに机の引き出しからBeOSのインストール用CD-ROMが出土したが,こっちはそっと目を伏せて捨てました……。
本作の舞台は春秋戦国時代の中国。斉国の姫である季姜は,臣下の田和の謀りごとによって父である康公殺しの濡れ衣を着せられ,命からがら王宮を脱出。流浪の中で太古の神々と巡り合い,英魂(英雄の魂)をその身に宿す力を会得する。そして,力を得た季姜は身の潔白を証明し,田和を打倒するため王宮を目指すというのが本作のストーリーだ。
ちなみに史書によると,斉はかの太公望によって建国された国で,第32代にあたる康公はその最後の王。田氏によって簒奪されて以降の国号も斉のままだが,こちらは区別のために田斉と呼ばれるそうだ。なるほど。
というわけで,プレイヤーは主人公の季姜となり,田和の配下や魑魅魍魎が跋扈する大陸を旅することに。季姜は双剣による素早い攻撃と,隙は大きいが一撃の威力が高い大剣を使った攻撃が可能で,無敵時間のあるダッシュ(回避)やガード,2段ジャンプなどを駆使して敵と戦っていく。敵の中にはダメージを軽減するスーパーアーマーをまとったものもいるが,大剣による攻撃でそれを解除できる。
そしてもう1つの大きな特徴となるのが,英魂を召喚して繰り出す特殊技だ。道中で登場するボスを倒すことでその英魂を獲得でき,例えば伍子胥であれば空間を切り裂いて発生させたブラックホールで敵を吸い寄せ,養由基なら矢の雨を降らせるといった具合に,強力な技を使用できる。双剣や大剣を使う通常技は,敵を倒すなどして入手した荒魂と引き換えに強化可能で,簡単操作で軽快なアクションを楽しめる。
また,何といっても目を引くのがオリエンタルな雰囲気満点のグラフィックスだ。異国情緒たっぷりの美麗な背景と,まるで妖怪絵巻から抜け出してきたような悪鬼羅刹のデザインは秀逸で,思わず見とれてしまうほど。日本語訳が,ところどころ分かるようでよく分からない訳になっているのが残念だが,その点を除けばアクションゲームとしての爽快感も文句なしの,完成度の高い作品に仕上がっている。
そんな本作はSteamにて,1010円で発売中。クリアまで4〜5時間とボリュームはやや少なめだが,価格も手頃で,休日に一気にプレイするにはぴったりだろう。個人的には,ぜひ続編も見てみたいと思わせられる作品だ。中国版の「朧村正」といった雰囲気の洗練されたグラフィックスに引かれた人は,ぜひどうぞ。オススメです。
■「Bladed Fury」公式サイト
https://www.nextstudios.com/bladedfury/- この記事のURL:
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