連載
インディーズゲームの小部屋:Room#620「Lenna's Inception」
オジー・オズボーンがパーキンソン病であることを公表したことに衝撃を受けている筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第620回は,Bytten Studioの「Lenna's Inception」を紹介する。本作は,死んでしまった勇者の代わりに,世界を救うための大冒険を繰り広げるというアクションアドベンチャーだ。それにしても,あの“マッドマン”が今や御年71歳とは……。
舞台となるのは,何かの理由でバグだらけになってしまった世界。邪悪に染まった銀行の頭取がこの国の王子を誘拐し,アークエンジェルの力を借りて世界に破壊をもたらそうとしている。そんな中,選ばれし英雄が訓練中にあっさりと死んでしまい,彼に剣の手ほどきをしていた教師のレナがやむを得ず,世界を救うために立ち上がる……というのが本作のストーリーだ。
本作は見下ろし型の「ゼルダの伝説」風アクションアドベンチャーだが,大きな特徴は世界がランダムで生成されること。ゲーム開始時に入力した文字列に応じてマップが作られ,プレイヤーごとにまったく違った世界で冒険を楽しめる仕組みだ。基本的な流れは各地にあるダンジョンを攻略し,そこのボスであるアークエンジェルを1体ずつ倒していくというもので,もちろんダンジョンもランダムで生成される。
そのほかのゲームシステムも,ゼルダの伝説とローグライクを掛け合わせたようなものとなっている。新しいアイテムを手に入れることで,それまで通れなかった道を通れるようになったり,剣でフィールドの草を刈るとお金や回復アイテムが出たりするあたりは,いかにもゼルダの伝説っぽいが,手に入れたポーションは飲んでみるまで効果が分からないのは,ローグライクのお約束と言っていいだろう。
また,本作には8bitと32bitの2種類のアートスタイルが用意されており,自分好みのグラフィックスで遊べるのも面白い要素だ。通常は32bitが選択されているが,よりレトロな雰囲気を味わいたい人は8bitにしてみるのもアリ。両者の切り替えは,タイトル画面のメニューから行える。32bitのグラフィックスも可愛らしくて素敵だが,8bitにするとものすごくファミコンっぽくて,思わず顔がにやけてしまう。
上述のとおり,マップが自動で生成される仕組みのため,ダンジョンの仕掛けはシンプルなものばかりで,やや単調に感じられる部分もあるが,ローカルでの協力プレイや多彩なチャレンジモードなど,プレイヤーを楽しませようとする工夫が随所に見られる。ゲーム難度は全体的に低めだが,ラストダンジョンだけはかなり手ごわいので,興味を持った人はぜひ挑戦してみてほしい。そんな本作はSteamにて,1010円で発売中だ。
■「Lenna's Inception」公式サイト
https://lennasinception.com/- この記事のURL:
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