連載
インディーズゲームの小部屋:Room#750「Broken Pieces」
明日からの東京ゲームショウで予想される激務に,今から戦々恐々としている筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第750回は,Elseware Experienceが開発した「Broken Pieces」を紹介する。本作は,フランスの海沿いの村で起きた奇怪な事件の謎を追うサイコスリラーアドベンチャーだ。オレ,ゲームショウが終わったら田舎でのんびり暮らすんだ……(死亡フラグ)。
舞台となるのは,フランスのブルターニュ地方を彷彿させる架空の村,セント・エグジール。一見のどかで風光明媚なこの村では原因不明の超常現象が頻発し,人知を超えた何かを崇拝するカルト教団が暗躍している。村人達は一人残らず姿を消し,主人公エリスの婚約者であるピエールも行方不明になってしまった。
本作は3人称視点のサイコスリラーアドベンチャーで,プレイヤーは唯一の生存者(?)であるエリスとなって,この村を取り巻く謎を調査することに。初期の「バイオハザード」や「アローン・イン・ザ・ダーク」のようにカメラ位置が固定されており,シーンごとに2台あるカメラで視点を切り替えながら探索を進めていく。
大まかなゲームの流れは,セント・エグジールのあちこちを歩き回って謎解きのヒントやアイテムを入手し,ちょっとしたパズルや仕掛けを解きながら先へ進んでいくというもの。村を探索していると,正体不明の黒い影のような幽霊(?)に襲われることがあるので,そんなときは拳銃で応戦しよう。
本作はどちらかというとストーリーがメインで,戦闘はおまけ。威力の高い弾薬は有限だが,通常の弾薬が無制限に使用できるので,落ち着いて対処すれば問題ないだろう。ただし,ゲーム内には時間の流れがあり,夜の8時から翌朝の8時までは敵の出現率が高まるので,探索中は遅くなりすぎないうちに帰宅するのがオススメだ。
探索でもう1つ特徴的なのは,エリスが持つ不思議なブレスレットを使って,天候を変化させられること。エリス自身にも原理は分かっていないが,このブレスレットの力で一時的に嵐を起こしたり,普段は初夏のような季節を冬にしたりできるのだ。嵐の力で風力タービンを回して電力を生み出したり,季節を冬にして水場を凍らせて足場にしたりできるほか,戦闘中に使用することで敵を吹き飛ばすこともできるので,うまく活用しよう。
ネタバレになってしまうため詳しくは書けないが,エリスはどうやらタイムループ(?)に捕らわれており,村人の姿がないのもそのことに関係しているようだ。謎めいたストーリーは最後まで目が離せないが,謎解き自体はそれほど難しくなく,ホラー要素も少なめなので,この手のゲームの初心者にも遊びやすい。そんな本作はSteamにて2570円で発売中なので,興味を持った人はぜひどうぞ。
■「Broken Pieces」公式サイト
https://www.elseware-experience.com/BrokenPieces/- この記事のURL:
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