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印刷2007/08/26 16:14

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[GC 2007#080]Gearboxが送る超弩級のFPS最新作「Borderlands」

 Brothers in Armsシリーズで知名度を上げてきたGearbox Softwareは,アメリカのダラスをベースにする開発チームだ。その彼らが2K Gamesと手を組んで進行中の最新プロジェクトが,SF系のFPSアクション「Borderlands」である。
 GC 2007開催直前に発表されたこの作品は,もちろん今回が初めてのプレス向け公開となる。とにかく“壮大な”という形容詞が似合う,非常に大作感のある作品に仕上がりそうな予感だ。

 Borderlandsの舞台は,人類が銀河の隅々まで開拓し尽くしたという遠い未来。もうそれ以上植民に適した場所がないことから,“ボーダーランズ”(辺境の地)と名付けられた場所にあるのが,このゲームの舞台となるパンドラである。人類は,このパンドラが比較的住みやすい土地で,資源も豊富に見つかったために,中心地となるニューヘブンなどいくつかの植民地を築き上げていった。
 この惑星パンドラは,公転のスピードが遅いのか,一つの季節を経るのに地球時間で数十年を必要とする。人類が入植し始めたのは冬のことで,数十年後に春が来たときに異変が起こった。獰猛な先住生物達が冬眠から一斉に目覚めてきたのである。多くの者は犠牲となり,資金がある者は星を捨てて移住していったが,残ったものは無法地帯となったパンドラの土地で,過酷な生活を強いられることになる。
 プレイヤーは,この土地で一攫千金を狙うフォーチューンハンターとして生活する若者で,ニューヘブンを拠点に盗賊やモンスターの討伐をはじめ,さまざまな仕事を請け負っていくことになる。



Gearbox Software社長のランディ・ピッチフォード氏(写真左)。FPSトーナメントでチャンピオンになったこともあるなど,ゲーマーとしても知られている。現在はこのBorderlandsや「Brothers in Arms」に加え,Segaから開発委託を受けた「Aliens」など,大作揃いのプロジェクトを抱えている
 Borderlandsには,拠点としてニューヘブンなど七つの場所があり,そこにはともに仕事をこなす仲間達がいる。そのほか,街では複数の人間と会話したりサブミッションを得たりするのはもちろん,武器や車のディーラーからさまざまなアイテムを購入したり,メディックの力を借りて傷を癒したりもする。もちろん,これらの取引は,請け負った仕事の報酬で行っていくことになるのだ。
 その基本コンセプトは,ミッションをこなしたあとに同じ町に戻ってくるというサイクルになる。初代「Diablo」や最近でいえば「モンスターハンター フロンティア オンライン」に近いのだが,基本的に本作がFPSであることに変わりはない。
 Gearboxのディレクター,Randy Pitchford(ランディ・ピッチフォード)氏曰く,「シューティングRPGなどと新語を作るつもりはないが,これまで一本道を進んでいくだけだったFPSのあり方を変えるだろう」と胸を張る。

 Borderlandsで驚くのは,なんと50万パターンにも及ぶという武器の豊富さである。本作において,武器はプロシージャルに生成される。プロシージャルとは,算術演算によって簡単な手続きで自動的にデータを生成する技術であり,プレイヤーは思いどおりの武器を作ることができてしまうのだ。武器にはピストル/マシンガン/ライフル/ロケットランチャー/レーザーガンといったカテゴリーがあり,それぞれに発砲速度や破壊力,弾倉のサイズにリロード時間といったパラメータが備わっている。ピッチフォード氏は,「武器の種類が非常に多いので,どんなプレイスタイルにも対応できるだろう」と話す。
 このゲームは4人までの協力プレイを可能にしており,ゲーム内で仲間として加わる“ヘンチマン”(やオンラインの仲間)とミッションをこなしていくことになる。ヘンチマンにどの武器を使わせるかはプレイヤーが決めるのだが,一人にスナイパーガンによる援護射撃,もう一人は敵陣へと突入していくというような役割分担も可能だ。ちなみに,盗賊のような人間タイプの敵なら必ず武器を持っている。相手がより良い武器や装備を着けているなら仕留めたあとにピックアップできるのだが,武器は一つまたは二つしか持てないようだ。

 今回のデモでは,“Salt Flat”と呼ばれる塩の砂漠のような場所を,2人組でバギーに乗り込んで爆走するシーンが紹介された。Sand Flatの雰囲気は映画「スターウォーズ」でルーク・スカイウォーカーが生まれ育った,惑星タトゥイーンを連想させるものだった,といえば何となくイメージをつかんでもらえるだろうか。運転を担当するドライバーと,バギーに装備されたマシンガンで銃撃するガンナーに分かれ,追いすがる敵とカーチェイスするという内容だったのだが,ドライバーを交代する動作さえもグラフィックスで描写されるなど,非常に芸が細かい印象を受けた。



 広大な土地をバギーなどの乗り物で往来し,50万種にも及ぶ武器の中から自分に使い勝手の良いものを選んでミッションをこなしていく……。プレイヤーにあらかじめ大きなフィールドが与えられ,そこを自由に(ゲームの進行につれ,行ける場所は変化するものの)歩き回ってゲームを進めていくという点では,「S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl」のゲームシステムと似ている。ただ,実際に完成したS.T.A.L.K.E.R.では,意外とマップが狭く感じられただけに,Borderlandsでは思う存分に世界を動き回ってみたいという期待も募る。
 ゲームは2K Gamesから2008年中のリリースということで,今後も新情報には期待してきたいところである。(ライター:奥谷海人)

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