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[GC 2007#060]「F.E.A.R.」の拡張パック第2弾,「Perseus Mandate」の姿をSierraのブースで確認
デモを説明してくれたSierraのFrancis Choi氏は「同じゲームの同じ場面を,違う側面から見ることになる」と語る。
拡張パックに追加されるのは,数種類の新武器とNightcrawlerと呼ばれる新たな敵だ。新兵器の中には,爆発と共に無数の金属ダーツを周囲に飛ばして敵を倒す銃などがある。スクリーンの中で展開する凄絶な戦闘シーンは,相変わらずの出血量と爆煙/破片を誇り,ゲームの雰囲気は間違いなく本編のそれ。F.E.A.R.のプレイ時間は約10〜12時間とされているが,Perseus Mandateのプレイ時間は6〜8時間が想定されている。
本編およびExtraction Pointの問題点としてしばしば挙げられるのが,同じような場所をあちこち移動し続けなければならないというものだが,Perseus Mandateではそのあたりをいくらか考慮し,目的地に達するルートを複数設けているとのこと。選んだルートによって,敵の数や難度もわずかながら変化するが,基本的にリニアな一本道ゲームであることはあえて変えず,その点のプレイアビリティの変化はわずかだ。
同じことはほかの隊員との関わりについても言え,いっとき「ほかの隊員と協力して戦う場面が増え,仲間に命令を下せる」という情報が流れたが,Choi氏によればそれはできないとのこと。F.E.A.R.はあくまでアクションであって,タクティカルシューターにする必要はないというのがその理由だ。
このようにゲーム性の変化は総じて少なめだが,“拡張パック”である以上,正しい選択であるかもしれない。
ちなみにNightcrawlerは,Necronと呼ばれる軍事組織に属する兵士達だ。以下,ちょっとネタばれ気味とはいえ,聞いたから書いちゃうのだけど,彼らをオーバーン地区に差し向けたのは本編冒頭に声だけ出てくる上院議員。彼はアーマカム・テクノロジー・コーポレーション(ATC)のクローン部隊計画が失敗したことを知り,すべての証拠を隠滅するためNecronに命令を下したのである。かくしてプレイヤーはパクストン・フェッテルの兵士だけでなく,Nightcrawler,そしてATCの警備兵らと三つ巴,四つ巴の戦いを演じなければならないのだ。忙しそうである。
本作のキモの一つである「恐怖」にも磨きがかけられており,例えばムービーシーンをできる限り排し,多くの出来事がインゲームで起きるようになっている。何もできないムービーシーンではどうしても受け身になってしまい,恐怖も半減する(見たくなければ目をそらせばいいだけだ)。インタラクティブなインゲームシーンのほうが,超常現象に対する恐怖を感じやすいというのが理由だそうである。
Perseus Mandateはすでにαテストをパスし,現在コンテンツの調整を行っている段階。割合でいえば,完成度85〜90%といったところ。Choi氏はPerseus Mandateのほか,思いのほか開発期間がかかってしまった「TimeShift」の管理も受け持っており,新機軸の多いTimeShiftがいまだにテスト→変更→テストの繰り返しなのに対し,すでにゲーム性がほぼ確立したF.E.A.R.のほうが作りやすいと語ってくれた。発売予定は11月となっている。
敵を追って進むプレイヤーは,最後に地下へ続く穴へ飛び込む。そこに待っていたのは……。大人の事情でこれ以上は書けないのだが,かなり怖い。というわけで,F.E.A.R.ファンおよびホラーFPS全般が好きという人は,11月の発売を楽しみに待っていよう。(松本隆一)
※掲載したスクリーンショットはすべてXbox 360版のものです
- 関連タイトル:
F.E.A.R.: Perseus Mandate
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