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「TERA The Exiled Realm of Arborea」の魅力を,最新日本語バージョンのSSをふんだんに交えて改めて紹介。7月1日のCBT開始は目の前だ
……とはいえ,華々しく日本デビューを飾ったものの,ここ最近の展開がちょっと停滞気味だったのも否めない。そこで,TERAを心待ちに待っている人はもちろん,最近初めて存在を知った人のためにも,TERAの“再始動”を記念し,いま公開されている基本情報をまとめてみよう。以前からTERAの情報を熱心に追い続けているようなファンにとっては,本稿に掲載している最新日本語バージョンのスクリーンショットは,きっと興味深いはず。ローカライズの完成度を一枚一枚,じっくりと確かめてみるとよいだろう。
「TERA The Exiled Realm of Arborea」公式サイト
ハンゲームが贈る2011年最大級の注目作「TERA」
Bluehole Studioが開発する「TERA The Exiled Realm of Arborea」は,これまで約4年の歳月と,総制作費29億円を注ぎ込んだ,名実共に超ビッグタイトルである。お隣韓国では,オープンβテストの段階で同時接続者数が20万人を記録している。
2010年〜2011年は,MMORPGのビッグタイトルが目白押しといった感もあるが,少なくとも現在公開されている「日本語環境で遊べる新作オンラインゲーム」の中では,大作と呼ぶにもっともふさわしいタイトルだろう。
グラフィックスを含めたアルボレアの壮大な世界は,実は見かけより低スペック
大作大作と連呼しているが,では一体TERAは,具体的にどこが凄いのか。今の段階でまず知っておいてもらいたいのは,「グラフィックスをはじめとした世界観全体」,そして「フリーターゲティング」の2点である。
TERAの世界は“アルボレア”という名前で,紆余曲折の末に神々に見棄てられてしまったという,壮絶な経緯がある。一般的なファンタジー世界における“美しさ”に加え,TERAでは“危うさ,儚さ”といったものが入り混じっており,その異質さはスクリーンショットを見れば一目瞭然。グラフィックスそのもののクオリティも見てのとおり高く,普通にキャラクターを動かしているだけでも,とても幻想的な体験ができるだろう。
そして,ここは誤解している人が多いのだが,実は見た目から受ける印象の割には,必要とするスペックが高くない。今回の取材で用いたマシンは,CPUがCore i7 860/2.80GHz,GPUがGeForce GTX 295という,「現時点で最高レベルのPCである」とまではいえないものの,かなりのスペックだったので快適だったが,実際にはもうちょっと低いスペックのマシンでも十二分に満足に動くとのことだ。詳しい必要/推奨スペックは後日発表されるはずだが,とりあえず今は,「TERAはブルジョア専用のMMO“ではない”」(らしい),という点を覚えておいてほしい。
フリーターゲティングによる究極のバトル
TERAのもう一つの大きな魅力として挙げた“フリーターゲティング”は,オンラインゲーム史上かつてない,意欲的なシステムである。
現在のMMORPGで主流のバトルシステムは,あらかじめマウスなどで相手を選択してから,攻撃やスキルなどを繰り出していく,いわゆる“ターゲット式”である。一方,TERAの基本攻撃は,ターゲティングせずにマウスカーソルがある場所を逐次狙う,“ノンターゲット式”だ。一般的にノンターゲット式は緻密な操作が求められ,より密度の濃いバトルが満喫できるのが特徴である。
おそらく我々日本人ゲーマーの多くは“某狩りゲー”を思い浮かべて,「それって当たり前の事じゃないの?」と思うかもしれない。しかしTERAの凄いところは,そのバトルを“MMORPG上で”実現していることだ。一度に数十名,ときには100名を超すプレイヤーキャラクターが入り乱れる中,ノンターゲット式のバトルを満喫できるタイトルは,このTERAを置いて,ほかにない。
かつてBluehole Studioは,韓国でTERAのβテストを行ったとき,「ノンターゲット部分の完成度に納得がいかない」という理由で,サービススケジュールを一から仕切り直している。職人としてのこだわりによって培われたノンターゲット式のバトルは,多くのプレイヤーにとって“未知の体験”といえそうだ。
とはいえ,従来のターゲット式のバトルも一部で採用されているのが,TERAの心憎いところである。たとえば,回復魔法で仲間を直接指定したり,狙ったモンスター(複数)に対して弓矢を一斉に発射といったアクションも可能だ。要するに,ノンターゲット式/ターゲット式のいいとこ取りであり,TERAではこれを“フリーターゲティング”と名付けているのだ。
またせっかくなので補足しておきたいが,TERAのバトルは決して難しいものではない。機会があってTERAをプレイできた筆者は,そう思う。
たとえばゲームの序盤は,ノンターゲット要素をまったく意識せず,攻撃ボタンの押しっぱなしによる連続攻撃だけでも戦っていけるし,一部のスキルに関しては,使用後にスペースバーを押すだけでコンボ技が自動で繋がっていく。UIがゲームパッド用にも最適化されているというのも,コンシューマ系のプレイヤーにとっては嬉しいポイントだろう。
ゲームバランスに関しては,チュートリアルの間はかなり易しめに作られている。新しい概念であるノンターゲティング式のバトルやフリーターゲティングには,そこで少しづつ馴れていけるだろう。そしてレベル12前後でチュートリアルを終えてからは,パーティプレイの選択肢が次第に見えてくる。巨大なモンスターに仲間と共に立ち向かっていくのは,TERAの真骨頂といえそうだ。
ユーザーにとって「顔の見える運営」
少々駆け足になってしまったが,初めてTERAを知る人向けの紹介としては大体こんな所だろうか。最後になるがもう一つ,TERAの運営を行うNHN Japan(ハンゲーム)のスタンスについて軽く触れておきたい。
コアな読者ならご存知かもしれないが,運営側とユーザーとの間で“すれ違い”が生じてしまっているオンラインゲームは決して珍しくない。たとえば4Gamerの読者レビューなどを眺めても,「素材はいいけど運営がダメ」という評価はよく見かける。その意見が「レビュー」として適切なのかどうかはここでは置いておくが,少なくともユーザーの視点では,運営体制もゲームシステムの一環であるわけだ。そして困ったことに,悪しき風習だと思うのだが,両者はそれを受け入れてしまっているのだ。
今回TERAの運営チームは,この問題に真正面から取り組んでいる。総合プロデューサーを務める潮田太一氏は,その理由を「運営スタッフとユーザーとの間に距離感がある」ためだと分析。ユーザーの要望に対して言うべきところは言い,そうでない所でもできるだけ理由を明確にするなど,“顔が見える運営”を常に心掛けているという。現在公開されている公式blogやLIVE SHOWなどを通じて,そのスタンスは既に表明され始めている。
正式サービスが始まるよりも前に,こういった部分を尊重し,実行するタイトルというのは非常に珍しい。TERAという一本のタイトルのみならず,オンラインゲーム業界全体のためにも,こういった活動は応援したいと思う。
というわけで,NHN Japanの「TERA」は,ゲーム内外で数多くの見どころがあるタイトルである。本稿を皮切りに,4Gamerではこれから,TERAの魅力をあらん限りの手段で伝えていく予定なのでお楽しみに!
「TERA The Exiled Realm of Arborea」公式サイト
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TERA :The Exiled Realm of Arborea
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