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連載「PCゲームを持ち出そう!」。第42回は遊園地経営シム「Thrillville: Off the Rails」のPSP版を紹介
なお,Off the Rails PSPは日本国内では正規に販売されていないため,入手するには,海外ゲームを取り扱う販売店で並行輸入品を購入する必要がある。
編集部で試した限りでは,本作は国内版のPSPでも動作したが,4Gamer編集部およびソニー・コンピュータエンタテインメントでは国内版PSPでの動作を保証しかねるので,その点はあらかじめご了承を。また本作は海外版のソフトであり,ゲーム画面や各種メッセージ,マニュアルなどはすべて英語なので,その点にも注意してほしい。
経営者自ら楽しめる遊園地経営シム
……と,いきなり愚痴をこぼそうというのではなく(こぼしているが),時間に追われつつもこれだけいろいろなゲームを遊んでいると,個人的に「掘り出し物だなあ」と思える作品に出会うことが多いという話だ。前回紹介した「THE パズルクエスト〜アガリアの騎士〜」しかり,そして今回紹介するOff the Rails PSPしかりである。
それでは,まず本作のバックグラウンドをざっくり説明してから,ゲームの魅力を紹介しよう。
本作は,単に遊園地を経営するだけでなく,自ら各アトラクションで楽しめることで人気を集めたシミュレーション,「Thrillville」の続編にあたる「Thrillville: Off the Rails」をPSPに移植した作品。
本作の開発元Frontier Developmentsは,世界的なヒット作となった遊園地経営シム,RollerCoaster Tycoonシリーズで知られるデベロッパでもある。
上で述べたように,本作最大のウリとなっているのが,経営者自ら園内を歩き回り,それぞれのアトラクションを楽しめる点。例えば,ジェットコースターのスリルを乗客の視点で味わったり,アクションやシューティングといったさまざまなミニゲームをプレイしたりできるのだ。
なお4Gamerでは,PC版のデモ版を紹介しているので,関心のある人はぜひ遊んでみてほしい。
一口にミニゲームといっても,その種類はさまざまで,横スクロール型のモトクロスゲームや,チンチラらしき動物のキャラクターを主人公としたアクションゲーム,戦車シューティングやロボット同士がボクシングをするゲームなどがあり,これだけでもかなり楽しめる。
そのほかミニゲームには,遊園地スタッフの仕事をモチーフにしたものもあり,例えば,園内を盛り上げるチアリーダーが登場するダンスゲームや,清掃作業を題材にしたアクションゲーム,そして整備員となって配線工事を行うパズルゲームといった具合だ。
各アトラクションのミニゲームで優れた成績を収めると,賞品としてさまざまなアイテムを獲得できる。集めたアイテムは,「HQ」(本部室)に飾られていくので,コレクションも楽しめるわけだ(……自分の遊園地なのに? とツッコミたくなるが)。
園内を歩いていると,来園者の歓声や各アトラクションのアナウンス,陽気なBGMなどが入り交じり,とても賑やかな雰囲気。園内を歩く来園者の一人一人に話しかけ,交流を深められるのも本作の特徴だ。
来園者との会話シーンでは,遊園地に対するリクエストや各アトラクションの感想を尋ねたり,世間話をしたりできる。「先週末は何をして遊んだの?」「体育の授業は好き?」とか,さまざまなジャンルの雑学とか,遊園地とは全然関係のない会話も用意されている。
相手にとってポジティブな話題を振れれば,その来場者との“友情度”が高まり,頭上にトロフィーのマークが付くようになる。来園者にどんどん声をかけ,友情を深めていくのも楽しい。
また,一部のアトラクションで来場者との対戦も可能だ。
ジェットコースターなどの“ライドもの”やミニゲームでは飽き足らなくなったら,遊園地経営にも挑戦してみよう(それじゃ本末転倒だ)。
経営シムとしてのOff the Rails PSPは,一般的なタイクーンものと同様,チケットの売り上げで得られる収入を使い,新たなアトラクションを建設して来場者の満足度を高めつつ,スタッフを増員してより磐石の運営体制を築くことが基本となる。
また,各アトラクションの人気の高さや所要時間,電気代などの経費を考慮し,適切な利用料金を設定することが重要だし,新しいアトラクションを用意するときには,来場者からの要望を参考にするべきだ。
来場者から寄せられるリクエストに応えるべくアトラクションを用意したり,無駄なコストを省いたりして,効率よく収益を伸ばしていこう。がんばるぞ!
Off the Rails PSPの見どころはココ!
これまで説明してきたように,本作には経営シム部分以外にも楽しめる要素がたくさん盛り込まれており,経営シムは苦手という人にも十分オススメできる。
ただ,チュートリアルや来園者との会話など,テキストの量は結構多く,やっぱり日本語だったらいいのになあと思わずにはいられない。
これまで,遊園地以外にもさまざまな経営シムを遊んできたが,本作のように,来園者に近い立場でスリルや楽しみを味わえる点は,とても新鮮に感じられる。上から俯瞰していては分からない,サービスされる人の気持ちにじかにふれられる気がするのだ(ちょっと大げさですか?)。
ぜひ,多くの来園者が行き交う,賑やかな遊園地の雰囲気を味わってほしい。
Thrillville: Off the Rails
対応機種:PlayStation Portable
メーカー:LucasArts Entertainment Company
発売日:2007年10月9日
価格:29.99ドル
公式サイト:http://www.lucasarts.com/games/thrillvilleofftherails/
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