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[TGS 2009]「スプリンターセル コンヴィクション」最新情報。ユービーアイのメディア向け説明会でストーリーの一端が明らかに
華麗な復活を遂げたサム・フィッシャーが大活躍する「スプリンターセル コンヴィクション」(以下,コンヴィクション)。東京ゲームショウ2009(以下,TGS 2009)会場のお隣,国際会議場の一室で行われたユービーアイソフトのプレス向け説明会に登場した本作は,フランスのパブリッシャ/デベロッパであるUbisoft Entertainmentのモントリオールスタジオが制作する三人称視点のアクションゲーム。
TGS 2009のユービーアイブースでは映像展示が行われており,当初予定されていたプレイアブル展示は間に合わなかったようだ。
今回はスニークアクションの概念を一新するような新たなコンセプトが採用されており,よりスピーディでより奥深いゲームプレイが楽しめると続ける。もっとも,その開発は一筋縄ではいかなかったようで,2006年頃に発表されたコンヴィクションのものというムービーには,髪の毛と髭を伸ばした,いささかむさ苦しい姿のサムが,ご自慢のハイテクガジェットの支援もなく,徒手空拳で警備員達と殴り合うというシーンが収められていた。サムが群集に溶け込んで姿を消す,いわゆる「ソーシャルステルス」システムがゲームのメインとなり,ストーリーは,娘のサラを交通事故で失い,「Splinter Cell: Double Agent」(邦題「スプリンターセル 二重スパイ」)で心ならずも親友に銃を向けたことによる心の傷を負ったサムが,それまで所属していた秘密情報機関「サードエシェロン」を退職してしまうという,こちらも意表を突いた展開。
そんな背景があったので,2009年のE3でいきなり公開されたサム・フィッシャーはファンの期待と不安を一身に集めたのである。
アレクサンドル氏 |
ちなみに,サムの最初のターゲットとなったマルタ島の男の名前はアンドレイ・シモン・コビン。また,サードエシェロンの新しいリーダーは,トーマス・ジェフリー・リードという名前だ。この記事ではもう出てこないが,ぜひ覚えておこう。
説明会では,本邦初公開となるマップを舞台にデモプレイが行われた。場所はワシントンDCで,アレクサンドル氏によると,全編の4分の3ぐらい(つまりかなり後半)に出てくるミッションになる。
今回のサムは,意外にもトレードマークの暗視ゴーグルを装着している。下は普段着なので,やや違和感があるが,暗視ゴーグルはどこで手に入れたものかと聞いたところ,それは秘密だそうだ。いずれにせよ,たき火の周りにたむろしている敵を倒し,情報を収集し,さらに建物の中に侵入して科学者を救出するというのが目的。廃屋のような建物の奥では,悪い連中がEMP爆弾(電磁パルス爆弾)を無効化するシールドの研究を行っているそうだ。
これについては,「簡単すぎるのではないか」という意見もあるようだが,あらためて聞いてみると,マーク&キルシステムを発動するには,「所定の距離まで気づかれず接近する」「最低一人を素手で殴り倒す」というステップを踏まなければならない。
また,倒せる相手の数は銃の種類によって決まっており,多くても4人程度。つまり,やはりそれなりの戦略は要求されるわけで,失敗する場合もあるだろう。
敵の注意を引きつけておいて,静かに背後に回ったサムは,救出すべき科学者の居所を聞き出すため,「尋問」(Interrogation)を行う。一回質問したぐらいではしっかり答えないので,膝蹴り。さあ,答えろと命じても中途半端なことしか言わないので頭突き。さらに隠していたナイフを取り出して反撃してくるので,取り押さえてそのナイフを相手の手にざっくり。さすがの敵も白状するという一連のムーブが見られたのだが,うう,痛そう。
アレクサンドル氏に尋ねたところ,今回のサムは復讐というきわめて個人的な動機で動いており,また従来作のような国家的な支援はなく,むしろ敵がサードエシェロンになる。羽交い締めにして気絶させる,といった悠長なことをしているゆとりはなく,さらに冷酷に殺すことによって,サムの怒りを表現したかったとのこと。したがって本作には「羽交い締め」というムーブはなく,いきおい銃の出番が多くなるのだ。全国の「羽交い締めファン」には悲しいお知らせかもしれない。
もう一つついでに言うと,これまで秘密のとばりに包まれていたサム・フィッシャーの経歴が「公式バイオグラフィ」という形で大々的に公開されたのだ。
数ページにおよぶ長いものなので,めちゃくちゃにかいつまんで紹介すると,生まれは1966年。子供時代に両親を失い,18歳の頃には立派な不良になったが,1985年10月にガールフレンドがサラを生んだことをきっかけに海軍に入隊。やがて特殊部隊「ネイビーシールズ」の隊員となり,パナマ,クウェートでの作戦に参加。「砂漠の嵐」作戦以降も特殊部隊員として作戦と続けるが,やがてアービング・ランバート大佐に「スプリンターセル1号」としてリクルートされたのだそうだ。うーん,43歳だったのね。
光と影を描き出すグラフィックスは美しく,デモプレイには出てこなかったが,ソーシャルステルスも,より洗練されてバージョン2.0になったという(具体的にはよく分からないが,「アサシン クリード II」(PC/PlayStation 3/Xbox 360)のような感じだそうだ)。
日本でのリリース日は「2010年春」となっているが,アレクサンドル氏によると,欧米では2010年2月が予定されているとのこと。またちょっと遅れてしまったような気がするが,まあ,3年ほど待ったのだから,あと数か月なんかまったく平気だ。
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スプリンターセル コンヴィクション
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