連載
【ヒャダイン】君は小宇宙を感じたことがあるか?
ヒャダイン / 音楽クリエイター
ヒャダインの「あの時俺は若かった」 |
第22回「君は小宇宙を感じたことがあるか?」
先日,渋谷での打ち合わせが早めに終わり,曲制作ラッシュも小休止に入れる状態だったので,ここは一つゲームでも買ってやろうじゃないかと思って家電量販店へGO!! いろいろあるなぁと見ていると,ベスト版のコーナーがありましてね。ちょっと前の売れ筋作品の廉価版がそろっていたわけです!
ふむふむ,と見ていると,突然俺の小宇宙(コスモ)が燃え上がった! なんだ,この小宇宙の高鳴りは!? と思って手にとったのが,PlayStation 3用ソフト「聖闘士星矢戦記」でした。
パッケージ裏の説明を見てみると,十二宮における黄金聖闘士との死闘をフィーチャーしたもの,と! なーーーにーーー!!!! これはファミコン用ソフト「聖闘士星矢 黄金伝説完結編」の再来じゃねえか!! 店員のお嬢さん,早く会計を済ませてくれ。俺の小宇宙はビッグバン寸前だぜ。
家に帰って手も洗わずプレイ開始。声優さんの声も入り,映像も立体的で,必殺技のコマンドも豊富。青銅聖闘士や黄金聖闘士のみならず,白銀聖闘士でもプレイできるなんて! うわー。アガるわーー。何よりも,原作に超忠実なストーリー展開。逆に原作ファンじゃない人には物足りないかもしれないけれど,これはたまらんです。
相も変わらずオーバーキル派の僕といたしましては,無駄にレベルを上げまくり,ストーリーモードを黄金聖闘士瞬殺で終わらせました。
こちらのファミコンゲーム。基本的に二種類のゲームで構成されています。まずは黄金聖闘士のいる宮殿まで,雑兵を倒しながら目指す横スクロールアクションゲームでした。
プレイヤーは好きな青銅聖闘士を選択できて,ペガサス星矢はジャンプ力が高く敵を貫く技を持ち,ドラゴン紫龍はリーチは短いけど連射が可能。アンドロメダ瞬は動きが異常に素早く,チェーンのリーチも長い。キグナス氷河はどの能力も平均点のアベレージキャラ……といった具合。
まずこのアクションステージがなかなかの鬼で。後半になると穴だらけで,落ちないように慎重にジャンプしながら敵も倒さなきゃいけない。とくに問題なのがアンドロメダ瞬。スピードがあるばっかりに制御が効かず,次のブロックに飛び乗ろうとしたら勢い余って穴に落ちてパワーを削られゲームオーバーということもしょっちゅう。くー,厳しいぜ。
で,なんとかかんとか宮殿にたどりついたら,黄金聖闘士とのコマンド選択式ターンバトルへと突入するのです。ここがまたゾクゾクするのですよ。当時のファミコンとしては黄金聖闘士や青銅聖闘士の顔のグラフィックスも頑張っていてビックリしたものです。
基本はこちらの必殺技を選んで攻撃。命中するときもあればガードされることもあります。例えばアンドロメダ瞬だったらネビュラチェーンとサンダーウェーブ。それぞれの発動グラフィックスも違っていて楽しめます。相手の攻撃は強烈なのですが,それも絶妙なタイミングでコマンド入力するとノーダメージ! この絶妙さが鬼なのですが……このゲーム,なんとダメージ食らってやられちゃってもいいのです!! ただし,原作ファンに限る。これ重要。
さっき書いたのですが,このゲーム,どのステージにどの青銅聖闘士で行ってもいいのですが,原作どおりのキャラじゃないとデメリットがかなりたくさんあるのです。
例えばスコーピオのミロが守る磨羯宮は,原作ではカミュのフリージングコフィンから生き返った氷河が死闘を繰り広げる宮ってことで,氷河でチャレンジしたら死んでもコンティニューができて,しかも強くなって生き返る!
さらに,原作ではそれぞれが命をかける宮では,「はなす」コマンドを使って会話をすることでネビュラストームやオーロラエクスキューションなど最強必殺技を覚えることができるのです。なのでカプリコーンのシュラをアンドロメダ瞬で倒す,などトンチンカンなマネをしちゃいけないってわけですよ。
そしてこの黄金伝説完結編,特筆すべきはジェミニ「アナザーディメンション」,キャンサー「積尸気冥界波」,バルゴ「六道輪廻」の扱い方なのです。原作と同じく異世界へ飛ばされてしまうのですね。
一旦,コマンド選択式バトルシーンになったと思ったら,いきなり異世界での横スクロールアクションへとぶっこまれるという。アナザーディメンションにぶっこまれたら,気味が悪い敵がたくさん出てくる異次元空間を冒険しなきゃいけないのですが,ここが鬼畜ステージ。プレイヤーの身長ギリギリしかない上下幅のスペースからジャンプしなきゃいけなかったりして,まあたいへん。
これぞ,プレイヤーの都合をまったく考えないファミコンクオリティ! そう,このくらいプレイヤーを突き放してくれたほうが,ムキになって遊んじゃうのです。最近のゲームはプレイヤーを甘やかし過ぎだと思うのです。超簡単モードがあったり,敵が出ないアビリティがあったり……。これはこれで遊びやすい半面,何だか物足りないなぁとも思うのです。
一方,黄金伝説完結編は難度設定などできず,全クリしたかったらコツを学べという厳しさ。さらに,途中で止めたいときはパスワードを書き取らないといけません。けっこう長いパスワードを,画面を見つつノートに書き写すのです。が,ご多分に漏れず,書き間違いが多く,翌日に続きをやろうとしたら「パスワードがちがいます」という無情な言葉一つでバッサリいかれたりしたものです。
あれから20数年経って,PlayStation 3という素晴らしいゲーム機の性能を使い,もっとリアルに,そして原作に忠実に作られたのが聖闘士星矢戦記だと思うと,なんだか嬉しくなってしまいます。
原作ファン以外は,やりこみ要素や強化要素の少なさに物足りなさを感じるかもしれませんが,当時,憧れていた星矢や紫龍,氷河や瞬,そして一輝になれるというこの充実感たるや。しかも最近は格ゲータイプの新作「聖闘士星矢 ブレイブ・ソルジャーズ」まで出たとか。こ,これは……っ。
うーん,言ってみれば,TRFのエクササイズDVDでワクワクしながら痩せるみたいなもんです。言ってること,分かります? 分からないか……。まあいいです。とにかく! 自分にとって思い入れの強い作品が,現在の形にブラッシュアップされたというのが,とても嬉しいものなんですね。近々,
というわけで,ぜひ「美少女戦士セーラームーン」のゲームを,今のプラットフォーム向けに出していただきたい。マーキュリーを使って必殺技ボタンを押したら,あのアニメのグラフィックスと共に「シャボンスプレーーーー!!!!」なんてのが発動って,相当アガると思うのですが。もちろん久川 綾さんのCVで。偉い人,ぜひよろしくおねがいします。
にしても。聖闘士星矢。あのグラマラスなアテナ城戸沙織が13歳,ペガサス星矢も13歳,アクエリアスのカミュですら20歳ですよ。しかもそのカミュの初代CVが納谷六朗さん(当時50代)という……。いやあ。車田ワールドは早熟なり。
■■ヒャダイン(音楽クリエイター)■■ 新レギュラー番組「ヒャダインのガルポプ!」が,現在,NHK FMだ隔週金曜日の22:00〜22:45に放送中。この番組は,「ヒャダインが新世代ガールズポップスを語る!」というテーマのもと,アイドルを支える人達をゲストに招き,さまざまな話題を繰り広げるというものです。次回放送は明日(11月1日)の予定ですので,お楽しみに。 |
- 関連タイトル:
バンダイナムコゲームス PRESENTS Jレジェンド列伝
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聖闘士星矢戦記
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聖闘士星矢 ブレイブ・ソルジャーズ
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