【ヒャダイン】「ファイナルファンタジー ピクセルリマスター」発表会に参加してきました

ヒャダイン /  音楽クリエイター

ヒャダインの「あの時俺は若かった」 ブログ：http://ameblo.jp/hyadain/

第82回「『ファイナルファンタジー ピクセルリマスター』発表会に参加してきました」

　ども。先日配信された「ファイナルファンタジー ピクセルリマスター」（以下，FFピクセルリマスター）シリーズの発表会動画に参加させていただきました。


　FFピクセルリマスターについては，この発表会動画の概要欄に書かれている内容を引用して説明させていただきますと，

『ファイナルファンタジー』から『ファイナルファンタジーVI』までの6作品を現代の技術で2Dリマスター化、通称“ファイナルファンタジー ピクセルリマスター”。
オリジナル版からシリーズに携わる渋谷員子（スクウェア・エニックス）の手でドットキャラがフルリマスタリング。統一された鮮やかな2Dグラフィックであの頃の“ファイナルファンタジー”がより遊びやすく，新たに生まれ変わります。

とのことです。

　配信ストアはAppStore / Google Play / Amazonアプリストア / Steamとなっています。要するにスマホやPCで遊べるというものです。I〜IIIはつい先日，日本時間の2021年7月29日2：00に配信がスタートしました。
　これまでにもFFシリーズはたくさんの移植作が出ていましたが，システムやグラフィックスがバラバラでした。しかし今回は無印からVIまでが統一！　全部同じ温度感で，しかももともとのファミコン版やスーパーファミコン版と近い肌感で楽しむことができちゃうんです！

ファイナルファンタジー（FF ピクセルリマスター版）
ファイナルファンタジーII（FF ピクセルリマスター版）
ファイナルファンタジーIII（FF ピクセルリマスター版）

　そして素晴らしいのは，音楽を植松伸夫さんが全面監修！　ほぼ全曲がリアレンジされているそうなのですが，原作の雰囲気を損なうことなく進化系として表現されたそうなんです。とくにファミコン版は3音と1ノイズだけで，あの音楽を作り上げていたわけですが，今回のアレンジも音数が少なかったことを逆手に取って素敵に進化させているとのことです。それをスマホで手軽に楽しめる時代が来るだなんて，生きてて良かった案件ですね。

　でね。今回の発表会，私FFファンとして出演させていただきました。ヒャダインではなく前山田健一として。ほら。FFだし。ブリザラかケアルダあたりに改名して出たかったんですが，そこはまあまあ。
　発表会には坂口博信さん，北瀬佳範さん，そして植松伸夫さんがそろうという。何という三闘神!!　ちょっとでもバランス崩したら世界が崩壊しちゃうよ！　ケフカ来ないで!!!!
　そんな神々の前で好き放題FFについて語ることができたなんて。何度でも言いたい。過去の自分に言いたい。友達がおらず家に帰ったらピアノを練習して，その後独りで黙々とFFの世界に没入していた自分に言いたい。FFの曲を耳コピしてピアノで楽しんでた自分に言いたい。大人になって東京に来て，ミュージシャンとしてまったく未来が見えないとき，勝手にFFのリミックスを作っていた自分に言いたい。「会えるぞ!!!!」と。「認知されてるぞ!!!!」と。「未来はたいへんなことばかりだし，心がザワザワする40代だけど，良いことは必ず待っているから。頑張れ！」と言ってあげたい。

　それはもう，夢のような時間だったよ。事前アンケートで思い出や聞きたいことなどを提出したんだけど，文字数がえらいことになっちゃった。書けば書くほど書きたいことがあふれ出てきて。グチャグチャの文章なんですけど，一部を紹介します。

「FF I〜VIのエピソードを教えてください。」

III
ラストダンジョン、セーブポイントがなかったので小学校の頃なかなかクリアできなくてつらかったです。暗闇の雲にたどり着いたあたりではMPも道具もすっからかんで全然だめでした！　ドーガとウネと対峙するのが辛かった！　ビジュアルも怖かったし、闘いたくない!!　すべてのぼう，というネーミングセンスが大好きでした。悠久の風を聞くと自然と涙が出てしまいます。


IV
最高!!　一人一人に悲しいストーリーがあって誰も憎めない。セシルがパラディンになったときの陽キャなヴィジュアルは衝撃的でした。カインが左利きなあたりもなぜかワクワクするポイントでした。ダークエルフにいくあたりでおっさんパーティになるんですが、その平均年齢の高さが楽しかったです。テントやコテージの中でどんな会話してるんだろう、て勝手に想像していました。リディアの髪の色の鮮やかさが眩しかったです。大人リディアになった時の顔のシャープさに胸がときめきました。白魔法を忘れて黒魔法と召喚に専念する、てあたりが小学生が文系理系問わず勉強してたけど大学受験で進路を決めたみたいでリアルでした。フースーヤーとゴルベーザの絆も素敵でしたし四天王も最高！　バルバリシアほとんど裸！　ルビカンテほとんど裸！　ボスキャラのビジュアルがかっこよすぎ！　そしてパロムポロム・・・。好きすぎてパロムをめちゃくちゃ鍛えてクエイクとか覚えさせてました。

V
ジョブ制度の素晴らしさがフィーチャーされがちですがストーリーも最高!!　コメディの要素が多くてそのポップさにどれだけ心が救われたことか。最終的には3/4が女性パーティーになる、という未来予測したかのような女性の強さも見どころかと。まあエピソードとしてはやはりバル城の地下でひたすらABPを上げていました。レベル5デス最高。忍者の二刀流や赤魔道士の連続魔を習得した時震えました。あと神竜の初見殺し!!　あれはつらい！　あとオメガ。クリアするより一生懸命に対策したと思います。あとストーリー面では暁の四戦士!!　ネオエクスデス戦での演出は震えます。そもそもガラフがかっこいい。コメディタッチの部分もあればシリアスな一面もあり。そしてやはり最高の悪役・ギルガメッシュ!!　盗んだなあ。源氏シリーズ。あと石板で三つしか武器が選べないあたりもワクワクしました。どれにしようかな〜と選ぶあの瞬間！　そして次元の狭間というちょっとおっかない世界線もドキドキしました。あとアクアブレスを覚えるのにドルムキマイラに何度全滅させられたことか。青魔法って斬新だった！

VI
当時としては過去最大人数の群像劇。しかもたくさん人がいることを利用した演出。パーティを分割して防衛戦やラスボスダンジョンに臨むなど「誰一人無駄な人なんていない！」と抱きしめてくれているかのような作品。最初からずっと哀しい。ホコリの匂いがする作品。IVと同じく全員が哀しい過去を持っているし泣けるストーリー。あとそれぞれのジョブが独特でガウのあばれるとかは超斬新！　あと魔石によるステータス上げが面白くて僕はリルムの魔力を徹底的に上げていました。森の中で恐竜にバニシュデジョンかましまくってました。ストーリーの描写も本当に映画と遜色ないレベルで個人的トラウマシーンはストラゴスが仲間，そして孫娘と離別したショックで新興宗教にのめりこんでしまうところ。あれは暗い!!　そしてゾゾの街，という圧倒的なスラム!!　金を盗むモンスターが出るなんて。そして世界崩壊後にティナが子供達の面倒を見るというスモーキーさ。本当にスモーキー。ゲームあるあるは世界崩壊後セリスがシドにまずい魚を持っていっちゃうやつ。あれは分からんかった！　あとケフカが本当に悪いやつ。カイエンの城に毒をまく流れとか本当に鬼畜。あのカイエンの悲しみは思い出すだけで泣ける。ケフカもケフカで自分の正義があるわけですが，まあ憎らしい。あとアルテマウェポン（モンスターの方）がトイレに閉じ込められていたのはなんだったんだろう。あとオルトロスね！　おるちゃんとテュポーン先生。愛おしい！

　いかがでしたでしょうか。文法は破綻し，観念は奔逸，文脈もバラバラで，もうね。あふれてしまうのですよ。実際ピクセルリマスター発表会でご本人様達に質問してみて，ご回答いただけたものもあって，とても嬉しかったです。だって自分の人格形成に大きな影響を与えたものですから。
　人のぬくもりを体感することがなかった10代に人間の優しさや思いやりを教えてくれたのがFF。音楽がどんなに気持ちを高めてくれるのかを教えてくれたのもFF。そんな原体験が2021年にアップデートされて帰ってくるんですよ！　やるしかないでしょう。世代によってはFFはVIIから始めたという人もいるでしょう。そんな方も，ぜひぜひこの機会に豊かな世界に触れてみてください！

■■ヒャダイン（音楽クリエイター）■■ ヒャダイン氏は，7月21日に発売されたKing & Princeの3rdアルバム「Re:Sense」収録の，「フィジャディバ　グラビボ　ブラジポテト！」という楽曲で作詞と作曲を担当。この件についてヒャダイン氏は「やったー！」と語っていました。