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印刷2010/05/24 12:28

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海外ゲーム四天王 / 第45回:「Age of Conan: Rise of the Godslayer」

海外ゲーム四天王 〜戦うおじさん〜
第45回:今週の野蛮人:「Age of Conan: Rise of the Godslayer」
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 ロバート・E・ハワードが1930年代に発表した一連の小説群は,「英雄コナン」を主人公とした世界初のヒロイックファンタジーとして知られている。ノルウェーのパブリッシャ/デベロッパであるFuncomがサービス中の「Age of Conan: Hyborian Adventures」は,そんなコナンの世界を舞台にしたMMORPGだ。この5月,正式サービス開始以来2年の時を経て待望の拡張パック第一弾がリリースされた。果たしてその内容は?
 ということで,本作に関しては週刊連載まで担当した筋金入りの蛮人,蛮人中の蛮人,ライターの朝倉哲也氏が拡張パックの紹介をするのだ。

古代の中国とモンゴル帝国を足したような世界,キタイ この新たな地域を舞台に,英雄達の冒険は限りなく続く

 

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 2010年5月11日,「Age of Conan: Hyborian Adventures」のファン待望の拡張パック第一弾,「Age of Conan: Rise of the Godslayer」が欧米でリリースされた。
 この拡張パックで最も注目されるのが,新ゾーンの「キタイ」(Khitai)と「キタイ人」(Khitan)の追加である。キタイはハイボリア大陸の最東端に位置する国家で,キタイ人の風貌はまったくのアジア風。中国の寺院や,モンゴルの移動用住居パオ(包)のような建物が並び,キタイ人NPCに話しかけると,お辞儀をしたり,拳を手のひらで包み込むような挨拶をしてくれる。中国の弦楽器,二胡の調べを思わせるBGMが使われるなど,古代中国やモンゴル帝国を思わせる世界になっており,同じ東洋ながら日本的な要素はまったく見られないのが,ちょっと残念。

 

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 キタイには12の勢力があり,お互いに友好関係にあったり,あるいは敵対していたりと力関係はなかなか複雑。プレイヤーは,クエストを通じて自分の好きな勢力に肩入れすることで,その勢力専用の特製防具などが使えるようになったりする仕組みだ。
 新たなクエストやダンジョンも多数追用意されており,レベル20〜40のキャラクターがソロでこなせるクエストのほか,グループ専用ダンジョンや複数のグループによるレイド専用ダンジョンがたっぷり用意されているので,低レベルから高レベルのプレイヤーまで,新たな土地での冒険を十分に楽しめるだろう。

 

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 新ゾーンの追加と比べると地味だが,オルタネート・アドバンスメント・システム(Alternate Advancement System)と呼ばれる新システムも見逃せない。
 これは,キャラクターがレベル20になると,クエストを達成したときやPvPで敵を倒したときなどに経験値とは別のポイントが貰えるようになるというもの。このポイントを貯めることで新スキルを獲得できるのだ。
 新たなスキルは非常に数多く用意されているが,一つ覚えるのに大量のポイントが必要なため,地道にクエストやPvPをこなしていくしかないだろう。

 

 また,すでにレベル上限(レベル80)に達しているキャラクターには,時間経過によるスキル獲得の方法が用意された。レベル80のキャラクターの場合,覚えたいスキルを一つだけセットし,そのまま一定の時間が経過すると,自動的にそのスキルが覚えられるという,「EVE Online」のスキルシステムと似たシステムだ。
 ログインしていなくとも時間がカウントされるところはありがたいが,最低でも18時間程度かかり,高レベルスキルになると100時間以上は軽く必要になるため,そう簡単には獲得できない。

 

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 追加されたスキルとしては,攻撃力や防御力を上げるもの,足止めや麻痺に対する耐性を上げるものなどが揃っている。いずれも「ものすごく強力!」というほどではなさそうだが,数パーセントの攻撃力/防御力の違いにしのぎを削るPvPでは,やはり有用なスキルといえるだろう。レベル上限に達してしまったプレイヤーに,さらなるモチベーションを与えるという意味でも重要だ。

 

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 新たな騎乗動物である「タイガー」「ウルフ」の追加も,特筆すべきフィーチャーだ。これまで騎乗動物として,「馬」「サイ」,そして「マンモス」があったが,サイとマンモスは足が遅く,どちらかといえば攻撃用の乗り物だった。移動速度アップのための動物としては馬しかなかったのだが,そこに2種類が追加されたことで,より選択の幅が広がったのだ。
 とはいえ,タイガーやウルフを手に入れるためには,特定の勢力のクエストを多数こなして友好度を上げていかねばならない。おいそれと乗れるものではないようだ。

 

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 Age of Conan: Hyborian Adventuresは,2008年5月から正式サービスが始まっているので,ちょうど丸2年が経過したことになる。鳴り物入りでサービスインしながら,高レベルコンテンツの不足,PvPでのキャラクターバランスの悪さ,クラッシュが頻発する不安定なクライアント,そして売り物だったDirectX 10への対応の延期といったマイナス要因によって途中で失速してしまった感は否めない。

 

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 しかし,地道なアップデートによってゲームバランスを改善し,クライアントも安定,さらにDirectX 10対応も果たすなど,現在はかなり高品質なMMORPGになっている。サービス開始から時間が経っているため,プレイヤーが少ないかと思うかもしれないが,サーバーが統合されたことで,プレイヤーの人口密度は高くなり,初心者用ゾーンから高レベル帯まで,グループを組む相手にはまったく不足しない。

 

 以前プレイしていた人なら,この拡張パックの登場はカムバックにいい機会だ。また,まだプレイしたことのない人向けには公式サイトの「こちら」にフリートライアルが用意されている。血と暴力に彩られた,ハードなファンタジーMMORPGを求めているなら,ぜひプレイしてほしい。筆者とともに,キタイの地を冒険しよう。

 

コラム:蛮人コナンの世界とは?

 「Age of Conan: Hyborian Adventures」は,今を去ること約1万2000年前の世界を舞台に,ハイボリアという架空の大陸で冒険を繰り広げるファンタジーMMORPGだ。ベースとなっているのは,アメリカの小説家ロバート・E・ハワードが1930年代に発表した,コナンという冒険者の生き様を描いた作品群で,キンメリアという未開の土地で生まれ育ったコナンが,たった一人でハイボリア大陸を冒険し,ときには海賊やならず者と,ときには魔法使いやクリーチャーなどを相手に大活劇を繰り広げる波乱万丈のストーリーが展開する。
 創元推理文庫より,「新訂版コナン全集」として第5巻まで刊行されているので,興味のある人は本屋さんへゴー!

 

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■■朝倉哲也(ライター/四天王)■■
 週刊連載「シュワちゃんが征く! AoC暗黒大陸血まみれ紀行」で,「Age of Conan: Hyborian Adventures」にハマって以来,なんだかんだいってずっとプレイし続けているというライターの朝倉氏。今回の「海外ゲーム四天王」も,記事を打診したときにはすでにダウンロードしてゲームを始めていたというから,まさに四天王のカガミだ。なんでもプレイする雑食系男子ゲーマーなのだが,ハイボリア大陸の冒険は,よほど体質にあっているのだろう。
  • 関連タイトル:

    Age of Conan: Rise of the Godslayer

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