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ZOWIE「EC1 eVo CL」「EC2 eVo CL」レビュー。“ZOWIEのIE 3.0クローン”は第3世代で何が変わったか
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印刷2014/05/22 00:00

レビュー

ZOWIEのIE3.0クローン「EC」,第3世代モデルは何が変わったのか

ZOWIE EC1 eVo CL,EC2 eVo CL

Text by BRZRK


EC1 eVo CL(左),EC2 eVo CL(右)
メーカー:Briccity International
問い合わせ先:マスタードシード(販売代理店) 問い合わせフォーム
EC1 eVo CL実勢価格:7700〜8600円前後(※2014年5月22日現在),EC2 eVo CL:7700〜8600円前後(※2014年5月22日現在)
画像集#002のサムネイル/ZOWIE「EC1 eVo CL」「EC2 eVo CL」レビュー。“ZOWIEのIE 3.0クローン”は第3世代で何が変わったか
 競技としてゲームをプレイするゲーマーに向け,その能力を向上させることを目的として立ち上がったブランド,ZOWIE GEAR。そのゲーマー向けマウス最新モデルとして2013年末に発売となった「EC1 eVo CL」「EC2 eVo CL」を,今回は取り上げたい。

 ZOWIE GEARの立ち上がった当時,大規模なゲーム大会における主力ジャンルはFPSで,とくに「Counter-Strike 1.6」が花型競技だった。そこでZOWIE GEARは,同タイトルの元プロゲーマーであり,引退後もコミュニティに大きな影響力を誇っていたEmil“HeatoN”Christensen氏(以下,HeaToN)およびAbdisamad“SpawN”Mohamed氏を,製品開発のパートナーとして迎え入れ,プロゲーマーをターゲットにする製品の開発を開始した……という話は,どこかで聞いたことがあるという読者も少なくないだろう。

 そして,ZOWIE GEARの第1弾マウスとして2010年に発売となったのが,HeatoNの本名からその名が付けられた「EC1」「EC2」だ。俗にいう,往年の名機「IntelliMouse Explorer 3.0」(以下,IE 3.0)クローンながら,サイズ違いで2モデルを用意してきた――EC2のほうがEC1より小さい――のがトピックだった。

EC1 eVo CL(左)とEC2 eVo CL(右)の製品ボックス。HeatoNの名前が消え,代わりにCoollerが開発に携わったことを示すシールが貼られている
画像集#003のサムネイル/ZOWIE「EC1 eVo CL」「EC2 eVo CL」レビュー。“ZOWIEのIE 3.0クローン”は第3世代で何が変わったか
 2012年にはリニューアル版となる「EC1 eVo」「EC2 eVo」が登場するのだが,その後,ZOWIE GEARとHeatoNは袂を分かつことになる。そのため,ECシリーズのマウスは終焉を迎えるかと思われたのだが,そこに登場したのが,QuakeシリーズのレジェンドプレイヤーであるAnton“Cooller”Singov(以下,Cooller)のプレイヤーネームを略した「CL」入りとなる今回の主役,EC1 eVo CLとEC2 eVo CLだ。要するに今回の2製品は,ECシリーズをベースとしつつ,Coollerの意見を取り入れて,ブラッシュアップされたものというわけである。

 製品開発パートナーが途中で変わったことにもなるが,果たしてそれによって何が変わり,何は変わらなかったのか。前振りが長くなったが,今回はその点を明らかにしてみたい。


未公開部分が多く,公称スペックでの比較は難しいが

実機レベルでの違いは多くない


 というわけで,さっそくだがそのスペックを公開情報で比較してみよう。下の表1はEC1 eVo CLとEC1 eVo,表2はEC2 eVo CLとEC2 eVo CLのスペックをまとめたものだ。サイズと重量は実測値で,それ以外はZOWIE GEAR公式のものを用いている。

表1 EC1 eVo CLとEC1 eVoの主なスペック
EC1 eVo CL EC1 eVo
ボタン数 6(左右メイン,センタークリック機能付きスクロールホイール,サイドボタン×2,DPI切り替え) 6(左右メイン,センタークリック機能付きスクロールホイール,サイドボタン×2,DPI切り替え)
トラッキング速度 未公開 60IPS
最大加速度 未公開 20G
DPI 450/1150/2300DPI 450/1150/2300DPI
フレームレート 未公開 6400fps
画像処理能力 未公開 未公開
レポートレート 125/500/1000Hz 125/500/1000Hz
リフトオフディスタンス 1.5〜1.8mm 1.5mm
実測サイズ 70(W)×128(D)×43(H)mm 70(W)×128(D)×43(H)mm
実測重量 ケーブル込み138.5g,ケーブルを重量計からどかした参考値101〜103g ケーブル込み139.5g,ケーブルを重量計からどかした参考値97.5〜98.5g

表2 EC2 eVo CLとEC2 eVoの主なスペック
EC2 eVo CL EC2 eVo
ボタン数 6(左右メイン,センタークリック機能付きスクロールホイール,サイドボタン×2,DPI切り替え) 6(左右メイン,センタークリック機能付きスクロールホイール,サイドボタン×2,DPI切り替え)
トラッキング速度 未公開 60IPS
最大加速度 未公開 20G
DPI 450/1150/2300DPI 450/1150/2300DPI
フレームレート 未公開 6400fps
画像処理能力 未公開 未公開
レポートレート 125/500/1000Hz 125/500/1000Hz
リフトオフディスタンス 1.5〜1.8mm 1.5mm
実測サイズ 67(W)×122(D)×42(H)mm 67(W)×122(D)×42(H)mm
実測重量 ケーブル込み133.5g,ケーブルを重量計からどかした参考値92.5〜94.0g ケーブル込み135.5g,ケーブルを重量計からどかした参考値94.0〜95.5g

ケーブルはビニール皮膜製で,幅は実測約2m。硬くないので,比較的早い段階で馴染む。ここは従来製品と変わらない印象だ
画像集#004のサムネイル/ZOWIE「EC1 eVo CL」「EC2 eVo CL」レビュー。“ZOWIEのIE 3.0クローン”は第3世代で何が変わったか
 ……と,まとめておいてアレだが,身も蓋もないことを言えば,EC eVo CLシリーズはセンサー周りの情報が少なすぎて,比較にならない。少なくともセンサーは特殊なDPI設定の刻みが維持されているので,大きくは変わっていないはずだが,スペック情報からそれ以上のことは判断できないというのが実情だ。

 そんななかで気になるのは,実測重量に微妙な違いがあることだが,これは,EC eVo CLにおける細かな変更によるものだろう。今回,製品設計の都合上,分解してケーブルを取り外した状態の重量は計測できていないため,参考重量の大小にあまり意味はない。そのため,ケーブル込みの重量で比較してほしいと思うが,EC eVoでは全面ラバーコートだったのが,EC eVo CLでは黒い上面カバー部のみがそうなっているとか,底面のセンサー部でEC eVoではレンズユニットがほとんど剥き出しのような格好だったのに対し,EC eVo CLでは遮蔽板のような板が追加されたといった違いが生じているので,これが数g程度の違いを生んだ可能性が高い。
 ただ,体感できるようなものではないだろう。少なくとも筆者には,EC eVoと変わらない重さだと感じられた。

左がEC eVo CLの底面,右がEC2 eVoレビュー記事から再掲となる同製品の底面だ。センサー部を囲む楕円部分に違いがあるのが分かるだろう。ただ,「センサー用レンズユニット部に板を追加する理由」は,よく分からない。リフトオフディスタンスのスペックにEC eVo CLで幅が生まれていることからすると,このあたりを調整するためだろうか?
画像集#006のサムネイル/ZOWIE「EC1 eVo CL」「EC2 eVo CL」レビュー。“ZOWIEのIE 3.0クローン”は第3世代で何が変わったか 画像集#005のサムネイル/ZOWIE「EC1 eVo CL」「EC2 eVo CL」レビュー。“ZOWIEのIE 3.0クローン”は第3世代で何が変わったか

 形状,そしてサイズが従来製品と変わらないので,金型は同じと断言していいだろう。コーティングの変更で,本体側面の白い部分は光沢のないプラスチック的な肌触りになっており,側面もラバーコートされ,すべすべしていたEC eVoと比べると,EC eVo CLは指が軽く貼り付くような感覚で,持ちやすさは若干向上しているように思える。ただ,ここは好みの問題という気もするので,「Coollerが貼り付く感じを好んでいるからこうなった」ということなのかもしれない。

本体は黒い上面カバーと白い側面カバー,赤いサイドボタンという色分けになっている。「QUAKE LIVE」のイメージカラー,と説明すると膝を打つ人もいるのではなかろうか
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スクロールホイールの溝は,約3mmごとに1.5mm幅で掘られていた。この点はEC eVoから変わりなしだ
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 ボタン構成は左右メインとセンタークリック機能付きスクロールホイール,左サイド×2と,本体底面に用意されたDPI切り替え用の計6個。ボタン周りの仕様は基本的にEC eVoから変わっていないが,それだけに,EC eVo CLで,スクロールホイールのノッチが従来品の16から24へと,8つ多くなっているのは目を引く変更といえるだろう。
 なぜ8つもノッチを増やしたのか。QUAKE LIVEでCoollerが使っているconfigファイルを調べてみたところ,スクロールホイールには下記の2つが割り当てられていた。

  • bind mwheeldown "say ^0gl master ^7*^4*^1*"
  • bind mwheelup "+button2"

 上段はメッセージバインドで,下段は任意のタイミングで使えるアイテムの利用ということらしい(※QUAKEのコンペティションルールだと,このアイテムは用意されないので,なぜこれがバインドされているのかは分からない)。
 正直,これだけではノッチが増えた理由を断じることはできないが,「ノッチ数が多いほど,configで指定した動作の発動するタイミングが早くなるから」か,「感覚的になんとなく」が本当の理由なのではないかと筆者は考えている。

左の写真は上がEC1 eVo CL,下がEC2 eVo CL。前者は,奥側(=写真左側)が約20mm,手前側(=写真右側)が約21mmの長さになっていた。後者は順に約18mm,約21mm。ちなみにこのサイズ自体は置き換え対象となる従来製品から変わっていない。右はサイドボタンの膨らみ具合を見たカットだ。上側は約2mmほど側面から浮いているが,下側は側面とほぼ同じ高さになっている
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EC1 eVo CLを,4Gamerの比較用リファレンスマウス「Gaming Mouse G500」と並べたところ。サイズ感はかなり近しい
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こちらはEC2 eVo CLをGaming Mouse G500と並べたところだ。EC2 eVo CLのほうが一回り小さいイメージになる
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「謎のセンサー」が分からないから分解!

内部を見る限り,基本的には従来製品と変わらずか


 スペックだけだとセンサーの詳細が分からない。なら,実際に中を確認してしまえばいいじゃないかということで,今回は従来製品となるEC1 eVoおよびEC2 eVoともども分解してみることにした。

※注意
 マウスの分解はメーカー保証外の行為です。分解した時点でメーカー保証は受けられなくなりますので,本稿の記載内容を試してみる場合には,あくまで読者自身の責任で行ってください。分解によって何か問題が発生したとしても,メーカー各社や販売代理店,販売店はもちろん,筆者,4Gamer編集部も一切の責任を負いません。また,今回の分解結果は筆者が入手した個体についてのものであり,「すべての個体で共通であり,今後も変更はない」と保証するものではありません。


 下に示したのは底面部のネジを外してカバー部を開けたところだ。本体のカラーリングが異なるためにけっこう違って見えるが,冷静に配線や基板を見ると,EC1 eVo CLとEC1 eVo,EC2 eVo CLとEC2 eVoは非常によく似ている。

本体カバーを取り外したところ
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メイン基板に寄ってみた。2層構造になっているのは変わらず。しかも,ボタンスイッチとスクロールホイールが搭載される側の基板にプリントされた日付はすべて「2010.06.28」となっている。リビジョン表記も「Rev:E」で同じなので,基板は同じものという可能性が高そうだ。気になるのはEC1 eVoだけレンズユニットにカバーがかけられていることだが,その理由は分からない
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 そして気になる光学センサーだが,いずれも「A3090」という刻印があるので,PixArt Imaging(旧Avago Technologies)の「ADNS-3090」採用で間違いない。つまり,前段の表1〜2で「未公開」となっていたところは,EC1 eVoおよびEC2 eVoと同じスペックということだ。

光学センサーはいずれもA3090と刻印されていたので,EC eVo CLシリーズとEC eVoシリーズでセンサーに変更はないということになる
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レンズユニットはまったく同じだった。光学センサーが同じなのだから,不思議なことではない
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マウス底面部にある,光学式センサー用の穴に寄ってみたところ。EC eVo CLシリーズにおける遮蔽板の“後付け感”がすごい。Coollerのこだわりによるものだと思われるが,どういう効果があるのだろうか
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こちらUSBはコントローラに寄ったところ。USB 2.0 Full Speed対応のCypress Semiconductor製チップ「CY7C64215-28PVXC」で統一されていた
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 ボタンはいずれもHUANO製で,左右メインボタン用はZOWIE GEARロゴ入りのカスタムモデルというのも従来製品から変わらず。一方,スクロールホイールは,溝の数が同じながら,EC eVo CLシリーズで歯車のノッチが増えているのを確認できよう。

ボタンスイッチに大きな刷新はないようだ。サイドボタン用ボタンスイッチ上の刻印がEC2 eVoだけ異なって見えるが,これはEC2 eVoの入手時期が古い(※以前レビューを行ったときと同じ個体)ためだろう
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スクロールホイールは,指が触れるホイール部こそ共通のデザインながら,歯車のノッチ数はEC eVo CLシリーズで増えている
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 というわけで,EC eVo CLとEC eVoでは,ほとんど何も変わっていない。変わっているのは本体底面の遮蔽板のみと述べてもいいくらいだ。もちろん,ファームウェアレベルでCoollerの意向に沿うアップデートが入っている可能性はあるのだが,ハードウェア的にはマイナーチェンジレベルといったところである。

本体底面の赤いボタンがDPI切り替え用
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 なお,本体底面のDPI切り替え用ボタンを押すごとに,45011502300450……と切り替わり,スクロールホイール部に用意されたLEDインジケータが450DPIでは赤,1150DPIでは紫,2300DPIでは青に変わる点は,従来製品と変わらず。レポートレート(ポーリングレート)のデフォルトが1000Hzで,マウス後方手前側と奥側両方のサイドボタンを押しながらPCと接続すると125Hz,奥側のサイドボタンのみを押しながら接続すると500Hzに変更でき,元に戻すときは手前側のサイドボタンのみを押しながらPCと接続すればいいというのも,従来製品と同じだ。

スクロールホイール部のLEDはDPIインジケータとなる
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センサー周りの挙動は従来製品と変わらず

EC1とEC2の違いは予想以上に持ちやすさを左右する


 センサーが変わらない以上,センサー周りの使い勝手は変わらないと推測されるが,念のため,複数のマウスパッドにおける相性テストも行っておきたい。検証にあたってのテスト環境とテスト時のマウス設定は以下のとおりだ。ZOWIE GEARは,マウスなどの設定ソフトウェア的なものを用意していないので,下に示したものが,テストにあたって設定した内容のすべてである。

●テスト環境
  • CPU:Core-i7 4770(定格クロック3.4GHz,最大クロック3.9GHz,4C8T,共有L3キャッシュ容量8MB)
  • マザーボード:GIGA-BYTE TECHNOLOGY GA-Z87X-UD4H(Intel Z87 Express)
    ※マウスはI/Oインタフェース部のUSBポートと直結
  • メインメモリ:PC3-12800 DDR3 SDRAM 8GB×2
  • グラフィックスカード:GIGA-BYTE TECHNOLOGY GV-760OC-2GD(GeForce GTX 760,グラフィックスメモリ容量2GB)
  • ストレージ:SSD(CFD販売「CSSD-S6T128NHG5Q」,Serial ATA 6Gbps,容量128GB)
  • サウンド:オンボード
  • OS:64bit版Windows7 Ultimate+SP1

●テスト時のマウス設定
  • ファームウェアバージョン:未公開
  • ドライババージョン:6.1.7600.16385(※MicrosoftのUSBドライバ)
  • DPI設定:450/1150/2300DPI(※主に1150DPIを利用)
  • レポートレート設定:125/500/1000Hz(主にデフォルトの1000Hzを利用)
  • Windows側マウス設定「ポインターの速度」:左右中央
  • Windows側マウス設定「ポインターの精度の高める」:無効

マウスソールはいわゆるテフロン加工済み。本体の奥側と手前側の2か所に貼られており,標準で交換用ソールが一組付属している
画像集#058のサムネイル/ZOWIE「EC1 eVo CL」「EC2 eVo CL」レビュー。“ZOWIEのIE 3.0クローン”は第3世代で何が変わったか
 テスト対象としたマウスパッドは下記のとおり14製品。テスト実施タイミングの都合により,5月16日に掲載した「G502 Proteus Core Tunable Gaming Mouse」レビューとは異なり,従来のテスト方法,つまり,「厚さ1mmの1円玉を重ねて,何枚で反応しなくなるか」を調べるものとなっている点は注意してほしいが,結論から先に述べると,いずれのマウスパッドでも,1円玉2枚の厚みでセンサーは反応しなくなった。光学センサー搭載モデルながら,リフトオフディスタンスの安定感は非常に高いと述べていいだろう。

  • ARTISAN 隼XSOFT(布系)
  • ARTISAN 疾風SOFT(布系)
  • ARTISAN 飛燕MID(布系)
  • Logicool G440(プラスチック系)
  • Logicool G240(布系)
  • Razer Destructor 2(プラスチック系)
  • Razer Goliathus Control Edition(布系)
  • Razer Goliathus Speed Edition(布系)
  • Razer Manticor(金属系)
  • Razer Sphex(プラスチック系)
  • SteelSeries 9HD(プラスチック系)
  • SteelSeries QcK(布系)
  • ZOWIE G-TF Speed Version(布系)
  • ZOWIE Swift(プラスチック系)

 なお,EC1 eVo CLとEC2 eVo CLとで,センサーに起因する操作感の違いは当然ながらなし。マウスパッドとの個別相性について述べるなら,Razer Destructor 2とSteelSeries 9HDではやや滑り過ぎるきらいがあるのと,ZOWIE G-TF Speed Versionではマウスを大きく振ったときにわずかながらネガティブアクセル感があたが,気になったのはそれくらいだ。全体的にはクセのない操作性と評していいだろう。

 直線補正は,Windows標準の「ペイント」を使って,実際に線を引いて確認してみた。ここでは従来製品ともどもテストしてみたのだが,下に結果を示したとおり,とくにこれといった違いは感じられない。補正は,筆者の体感的には「ない」と言えるレベルで,あったとしても極めてわずかだと思われる。

上から順にEC1 eVo CL,EC1 eVo,EC2 eVo CL,EC2 eVoのテスト結果
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 最後に,握った感覚についても写真とキャプションで述べておこう。今回も,「かぶせ持ち」「つまみ持ち」と「つかみ持ち」,そして筆者独自の持ち方だと信じて疑わない「BRZRK持ち」で検証してみたので,以下,参考にしてほしい。
 なお,EC1 eVo CLとEX2 eVo CLでは,握ってしまうと写真レベルでは違いが分からなくなることから,ここではEC1 eVo CLを代表して掲載し,テキストでEC2 eVo CLの話もカバーすることにしたので,この点はご了承を。

つまみ持ちの例。親指と薬指,小指を本体手前側(=後方側)の膨らんでいる部分に配置すると持ちやすくなる。感覚的に述べるなら,サイズの小さいEC2 eVo CLのほうが持ちやすく,それと比べるとEC1 eVo CLは手にやや負担がかかる印象を受けた
画像集#059のサムネイル/ZOWIE「EC1 eVo CL」「EC2 eVo CL」レビュー。“ZOWIEのIE 3.0クローン”は第3世代で何が変わったか 画像集#060のサムネイル/ZOWIE「EC1 eVo CL」「EC2 eVo CL」レビュー。“ZOWIEのIE 3.0クローン”は第3世代で何が変わったか
つかみ持ちの例。両サイドのくびれている部分に親指と薬指,小指を配置すると持ちやすい。つまみ持ちとは逆に,EC1 eVo CLのほうが手にかかる負担が少なく,EC2 eVo CLだと,小さい分だけ,手の大きな筆者はホールドするのに余計な力が必要になり,若干のストレスを感じた
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かぶせ持ちの例。日本人の中だと手が大きいほうである筆者には,EC1 eVo CLのほうが手のひらを乗せやすかった。薬指と小指も余裕を持って置くことができる。それと比べると,EC2 eVo CLはどうしても少し小さいため,若干ながら窮屈さを感じる結果に
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BRZRK持ちの例。かぶせ持ちに近い持ち方ということもあり,EC1 eVo CLのほうが持ちやすさは上だった。親指と薬指,小指で挟み込むときの「手のひらの開き具合」が関係している印象で,本体が大きなEC1 eVo CLのほうが負荷が低く済むのだ
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 以上,EC1 eVo CLとEC2 eVo CLのどちらが合うかは,一にも二にも手の大きさ次第という結果になった。個人的にはEC1 eVo CLのかぶせ持ちがベストで,指にほとんど負担をかけることなく自然に持てたが,手の小さい人だと,まったく違った印象になるのではなかろうか。ZOWIE GEARは,だからこそ微妙にサイズの異なるマウスを用意しているわけで,ここは店頭で手に取るなどして,「自分にはどちらが合うのか」をじっくり吟味してほしいところである。


Coollerバージョンはほとんどカラバリ!?

これといった進化は感じられない


画像集#067のサムネイル/ZOWIE「EC1 eVo CL」「EC2 eVo CL」レビュー。“ZOWIEのIE 3.0クローン”は第3世代で何が変わったか
 というわけで,レジェンドQuakerであるCoollerの名を冠した最新版EC1とEC2をテストしてきたわけだが,正直に書いてしまうと,従来製品と比べてあまり変わっていない。実際に手に持ってみて,「あ,違うな」と分かるのは,本体両サイドのコーティングと,スクロールホイールのノッチくらい。中身はそのまんまと言ってよく,人によっては「EC eVoシリーズのカラーバリエーション」くらいにしか感じられないかもしれない

 とはいえ,EC eVoシリーズ自体,IE3.0クローンとしての完成度は高く,かつ,手の大きさや握り方に合わせてサイズを選べるという希有な特徴もあるので,“カラバリモデルに毛の生えた程度”だったとしても,それはEC1 eVo CLとEC2 eVo CLの価値を下げるものではない。すでにEC1 eVoやEC2 eVoを使っていて,とくに困ったこともないなら,わざわざ買い換える必要はないが,使い勝手のいい右手用マウスを探しているなら,試す価値があると筆者は思う。

 これといった機能もないマウスに7700〜8600円程度(※2014年5月22日現在)のコストを投じられるかというと,その金額を払える人はそう多くないかもしれないが。

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ZOWIE GEARのEC eVo CLシリーズ製品情報ページ

  • 関連タイトル:

    ZOWIE(旧称:ZOWIE GEAR)

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