インタビュー
「神速」「連撃」を地で行く,マルチプレイアクションの一つの完成形。60万人以上のゴッドイーターに贈るPSP「GOD EATER BURST」開発者インタビュー
“アバターカード”を使った,マルチプレイの新しい試み
GEBではNPCと共に戦えるので,ソロプレイでも十分楽しめ作りになっていますが,やはりプレイヤーには,マルチプレイを積極的に遊んでもらいたいですか?
吉村氏:
もちろんそうですね。今回はマルチプレイでしか手に入らない“チケット”と呼ばれるアイテムも存在しますし,マルチプレイを楽しむためのバランスも,かなり見直しています。
また今回“アバターカード”という,戦績をかなり詳細に記録する要素がありまして,そこにはシングル/マルチのプレイ時間なども記録されるので,それぞれでじっくり遊べる仕様になっています。アバターカードをプレイヤー同士で交換すると,そのカードのプレイヤーがNPCとして戦ってくれるんですよ。マルチの楽しさはもちろん,シングルでもマルチの感覚で遊べるような新要素になっていると思います。
4Gamer:
アバターカードによるNPCは,その人の戦績などによって強さが変わるんですよね。
吉村氏:
はい。その人の装備品以外に,バレットエディットで作ったバレットなども持っているので,あえてネタ的なバレットを持ってカードを交換する楽しみ方もアリだと思います。
アバターカードは体験版でも作れますが,交換はできないので,ぜひ製品版に移行して試してみてください。製品版ではすれ違い通信でもカードを交換でき,交換するたびに内容が更新されます。お互いが切磋琢磨して育てたものを,常に相手と交換しあうことで,プレイの楽しみが増していくと思います。
4Gamer:
今回も,DLCを軸とする“発売後の仕掛け”が用意されていますね。
吉村氏:
はい。現時点では,今後,月イチで6回分のDLC配信を予定しています。装備や衣服,髪型などはもちろん,新しいアラガミも計4体配信します。GEB本編の難度は,GEと比べるとかなり改善されていますが,「GE時代の無茶な難しさがいい」というコアプレイヤーさんもいらっしゃいますので,“楽しいけれどメチャクチャ難しい”というDLCも充実させていく予定です。
富澤氏:
ちなみにGEの仕様では,武器データの新規配信ができなかったんですが,GEBではほぼ何でもDLCで追加できる仕様にしています。近いところでは,プレイヤーから神機デザインを募集して,それもDLCとして配信していきます。
4Gamer:
そのあたりでも,プレイヤーの声がゲームに反映されていくわけですね。
富澤氏:
はい。GOD EATERというプロジェクト自体が,そういうものですからね。今回も,皆さんからのさまざまな声は,まるで呼吸をするかのごとく吸収し,可能なものであれば対応することになると思います(笑)。
ユーザーの声が「GOD EATER」シリーズの成長を加速させる
最近ではTwitterなどのおかげで,プレイヤーと作り手の距離がずいぶんと縮みましたよね。
富澤氏:
Twitterもそうですし,オフラインイベントも,プレイヤーとの距離を縮める大切な場ですね。発売前は考えもしなかったことでしたが,今年の7月には「GOD EATER FES 2010」を開催することができました。そこには4000人近いお客様が参加してくれて,さすがに感動しましたね。
プレイヤーそれぞれが,本当にいろいろな楽しみ方をしているということを,イベントを通じてあらためて認識させられました。その後も公式サイトやTwitterなどで,プレイヤーと継続的にコミュニケーションが取れたことは,我々としても非常にありがたい経験でした。
吉村氏:
FESは本当に,開発者にとって大変なご褒美でしたね。我々が作ったゲームをやり込んでくれた皆さんと出会えただけでなく,その方々の前で次の企画(GEB)を発表し,大喝采を浴びることができたんですから。人生でも滅多にない体験をさせてもらいました。願わくば,ああいったイベントを年1回程度,できるようになれば嬉しいです。
4Gamer:
そのためには,さらなる新展開も必要になるかと思うのですが,次回作への構想などは,すでにあるのでしょうか?
吉村氏:
我々としてはもちろん,いずれさらに進化したものをお届けしたいと考えています。あとは,GEBに対する声援次第というところですね。GEBはアペンド版という扱いで,進化はしつつも根本的な部分はGEから引き継いだものなので,次回作はお客様に「あっ」と驚いていただけるものをお届けできるよう,ぜひチャレンジしたいという気持ちはあります。
プレイヤーとしては当然,PSPでのナンバリングタイトルを期待しているでしょうが,たとえば据え置き機での展開についても,可能性はなくはないですか?
吉村氏:
それも,今後の盛り上がり方と,お客様からの声次第で挑戦していきたいところです。現在は携帯機を持ち寄って遊ぶゲームとして楽しんでもらっていますが,では据え置き機で遊ぶとなると,一体どのような楽しみ方ができるのか。もし挑戦するのであれば,また一から設計しなおすつもりで考える必要があるでしょうね。
4Gamer:
GEBは,通常版/アペンド版合わせて37万本以上の販売本数を記録しています。販売本数は今後も増えるでしょうし,プレイヤーが「次なるGE」を望まないわけがないと思うので,今後の展開にも大いに期待させていただきます。
では最後に,お二方からひと言ずつメッセージをいただけますでしょうか。
吉村氏:
みなさん,GEBを楽しんでいただけていますでしょうか? GEBは,GEの体験版からペースダウンせずに駆け抜けてきたプロジェクトであり,我々としてはひとつの完成型としてお届けできたと思っています。もちろんこれからも,先へつながる挑戦をし続けていきたい気持ちでいっぱいなのですが,しばらくは我々が提示したかったGEBを,めいっぱい楽しんでください。
とくにマルチプレイに関しては,アバターカードのような新要素を盛り込んだので,友達と一緒に“気苦労の少ないマルチプレイ生活”をぜひとも体験していただきたいです(笑)。
富澤氏:
みなさんのおかげで,GOD EATERというゲームのひとつの締めくくりとして,できる限りのところまでやり切らせていただきました。そこにたどり着けたことに対する感謝の気持ちが,このGOD EATER BURSTの発売につながっています。みなさんの声の一つ一つに,とても重い意味があることを,我々開発チームは常に意識していますので,GEBを遊び尽くしたときに思うところがあれば,さまざまな形でご意見をいただければ本当に嬉しいです。
GOD EATER BURSTでは今後,11月末に配信されるDLC第1弾を皮切りに,順次複数の無料DLCが配信される予定となっている。GOD EATER BURSTの盛り上がりは,今後もしばらくは継続しそうだ。プレイヤーは,より遊びやすく,より深くなったGOD EATER BURSTを隅から隅まで味わいつつ,第2回「GOD EATER FES」や,“次なるGOD EATER”の登場などにも期待していてほしい。
「GOD EATER BURST」公式サイト
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(C)2010 NBGI
(C)2010 NBGI
- GOD EATER BURST (ゴッドイーター バースト) PSP the Best (再廉価版)
- ビデオゲーム
- 発売日:2013/06/06
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